eぶらあぼ 2018.11月号
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160クラシック通を唸らせるこだわり抜いた佳曲まで、オケのやる気満々な姿勢がじわじわと伝わってくる来季の神奈川フィルだ。取材・文:宮本 明神奈川フィルハーモニー管弦楽団http://www.kanaphil.or.jp/■「ポーランド芸術祭 2019 in Japan」 記者懇親会開催 2019年に日本とポーランドが国交樹立100周年を迎えるのを記念して、「ポーランド芸術祭 2019 in Japan」が開催されることになり、9月21日、ポーランド共和国大使館にて記者懇親会が開催された。 今回の芸術祭は、実行委員会の中核を担うポーランド広報文化センターが主導して、19年1月から20年3月まで実施される音楽・美術・映画・文学などさまざまな分野の催しを芸術祭参加イベントとして公認し、両国関係の発展と文化交流促進を図ろうとするものだ。音楽分野では、ワルシャワ国立フィルハーモニー管弦楽団公演やクリスチャン・ツィメルマンのピアノ・リサイタル、日本ショパン協会主催の「ショパン・フェスティバル2019 in 表参道」などのほか、兵庫県立美術館など全国4ヵ所を巡回する「ショパン展」の開催も予定されている。 懇親会の終わりには、日本パデレフスキ協会会長を務めるピアニストの横山幸雄が登場。「この芸術祭のような機会を通して、さまざまな交流がなされることは素晴らしいこと」と語り、ポーランド独立に尽力したパデレフスキの「メロディ」とショパンの「英雄ポロネーズ」を披露した。ポーランド広報文化センターhttp://instytut-polski.org/ジャパン・アーツhttp://www.japanarts.co.jp/■神奈川フィルハーモニー管弦楽団が 2019/20シーズン・ラインナップを発表 神奈川フィルハーモニー管弦楽団が、9月25日に常任指揮者・川瀬賢太郎出席のもと、横浜市内で記者会見を開き、2019/20シーズンのラインナップを発表した。 川瀬はまず19年5月に横浜みなとみらいホール(MM)で、コンサートマスター石田泰尚独奏によるブロッホのヴァイオリン協奏曲と、メンデルスゾーン「夏の夜の夢」を。ブロッホは石田から「しつこいぐらいに」(川瀬)ラブコールを受けての選曲。「夏の夜の夢」は演出家・田尾下哲が朗読台本を書き下ろす。続いて6月には、神奈川県民ホールでの「くるみ割り人形」全曲。「改修後の県民ホールは音がかなり改善されたと聞いているので楽しみ」と期待を述べた。楽団としても、ピットをあげて舞台前面にオケを配置するなど、ホールの新しい楽しみ方を提案する。12月のMMではムソルグスキー「展覧会の絵」(ストコフスキー編)をメインに、B.A.ツィンマーマンの「ユビュ王の晩餐のための音楽」(1966)というレア作品。過去のさまざまな名曲がこれでもかと引用されている作品だ。 20年2月には、現在リニューアル中の神奈川県立音楽堂で、細川俊夫「月夜の蓮」(2006)と、細川が同作品でオマージュを捧げているモーツァルトのピアノ協奏曲第23番をセットで(ピアノ:菊池洋子)。これを含め全4回の「音楽堂リニューアルシリーズ」はすべてモーツァルトがテーマ。「モーツァルト+(プラス)」ともいうべき、「モーツァルトとの組み合わせ」にさまざまな工夫が凝らされる。3月は再びMMでシェーンベルク編曲によるブラームスのピアノ四重奏曲。「とにかく難しいが、自分の任期6年目となるオケの力とチームワークを最もわかりやすく聴いていただける曲」。 多士済々の客演指揮者の公演含め、王道名曲から、左より:マリア・ジュラフスカ(芸術祭実行委員長)、ヤツェック・イズィドルチク(駐日ポーランド共和国大使)、細野博之(芸術祭組織委員長)、バルバラ・トロヤノフスカ(芸術祭実行委員)、二瓶純一(芸術祭実行委員&事務局長) Photo:I.Sugimura/Tokyo MDE川瀬賢太郎 写真提供:神奈川フィルハーモニー管弦楽団

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