eぶらあぼ 2018.10月号
73/237

7011/9(金)11:00 第一生命ホール問 トリトンアーツ・チケットデスク03-3532-5702 http://www.triton-arts.net/雄大と行く 昼の音楽さんぽ 第16回 新倉 瞳 チェロが広げる歌の地平名曲とチェロの魅力を満喫する90分文:林 昌英©Takaaki Hirata  平日の昼、音楽ライター山野雄大の案内で音楽の世界を逍遥する、第一生命ホールの好評シリーズ。11月はカメラータ・チューリッヒのソロ首席チェリストを務める新倉瞳が登場する。桐朋学園大学在学中の2006年CDデビュー以来、若きスターとして注目を浴びながらも自身の音楽を追求し続け、現在はスイスで要職を担いながらソリスト活動を展開する、世界で活躍中の名手である。クレズマーバンドでの活動や、日本のアマチュア団体との共演にも積極的で、垣根を作らず広く音楽の交歓を重ねる姿勢も特筆したい。 本公演は、ロマン派の2大ソナタ、ブラームス第1番とシューベルト「アルペジオーネ」を核として、その前後にサン=サーンス「白鳥」とポッパー「ハンガリー狂詩曲」という対照的な2曲を配する、チェロのあらゆる特長を楽しめる曲目が並ぶ。シューベルトはじめロマン派作品を得意とする佐藤卓史のピアノを得て、新倉の華麗な名技と深く繊細な歌心で、名曲とチェロの魅力を堪能するステージとなる。11/6(火)19:00 JTアートホール アフィニス問 パシフィック・コンサート・マネジメント  03-3552-3831http://www.pacific-concert.co.jp/ドビュッシー没後100年 津田真理 ピアノ・リサイタル変転するドビュッシーの美学に迫る文:笹田和人©Minako Ishida 没後100年のメモリアル・イヤーに、近代フランスの鬼才ドビュッシーが構築した、繊細な色彩にあふれた楽園に遊ぶ。津田真理は、魅力的で精力的な演奏活動を展開する実力派ピアニスト。「ドビュッシーの色彩」と題したリサイタルで、精魂が注がれた傑作に新たな命を吹き込む。 桐朋学園大学を経て、ザルツブルク・モーツァルテウム音楽院やパリのエコール・ノルマルで研鑽を積んだ津田。ヴィオッティ国際コンクールなどで実績を重ね、欧州で数々の檜舞台を経験して、1989年に帰国。リサイタルやオーケストラ共演の一方、聴衆との対話を重視したレクチャー・コンサートにも力を注ぐ。 ステージは、20代後半で書かれた「ベルガマスク組曲」で幕を開き、鬼才の創作人生を俯瞰。「版画」「喜びの島」「映像第1集」と作曲年代順に傑作を弾いて、40歳を過ぎて授かった愛娘に贈った「子供の領分」で締め括る。「自然、詩、想像力から産まれた繊細でふくよかな作品は、神秘的な美しさを秘め、聴く者の心を至上の楽園へと導きます」と津田は語る。第477回 日経ミューズサロンウィーン・ニコライ弦楽四重奏団 日本デビュー・リサイタル清新なウィーンの名手たちによる“王道”プロを文:林 昌英 10月の日経ミューズサロンに登場するのは、ウィーン・ニコライ弦楽四重奏団。今回が日本デビューとなる団体だが、全員がウィーン・フィルで演奏を重ねている期待のメンバー。しかも、日本でもよく知られているヘーデンボルク兄弟が第1ヴァイオリンとチェロを担当しているということで、わが国ではより親しみ深い人気団体になりそうだ。名称はウィーン・フィルの創始者オットー・ニコライの名前に由来するということで、その名を冠するにふさわしい、ウィーン室内楽の伝統の継承者としての期待も大きい。 彼ら4人の日本での船出となるツアーから、日経ホールでの公演に選ばれたのは、やはり同団ならではのレパートリーとなる、古典のウィーン楽派3人の作品。しかも、ハイドン第77番「皇帝」、モーツァルト第14番「春」、そしてベートーヴェン第7番「ラズモフスキー第1番」と、堂々たる王道の超名作プログラムだ。清新なウィーンの名手たちによる、新たなウィーンの伝統の響きを。10/10(水)18:30 日経ホール問 日経公演事務局03-5281-8067 http://www.nikkei-hall.com/©Willried K.Hedenborg

元のページ  ../index.html#73

このブックを見る