eぶらあぼ 2018.10月号
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193コンサートギャラリーチケット発売情報News & TopicsNew Release Selection新譜情報TV&FMBooks海外公演情報今月の注目公演公演情報ぶらPALラであり、大変大がかりな作品なので再演は難しいと思っていましたが、今回、東京で再演できるのがとても嬉しい。現在の日本オペラ界を牽引する精鋭のみなさんがどのように歌ってくださるのか、今から楽しみです」 静に坂口裕子・沢崎恵美、義経に中井亮一・中鉢聡ほか、日本オペラ協会を支えてきた大勢の歌手を配し繰り広げられる日本オペラの傑作が、いよいよ東京にそのすがたを現す。取材・文:室田尚子日本オペラ振興会http://www.jof.or.jp/■第42回ピティナ・ピアノコンペティ ション グランプリの角野隼斗が会見 今年で第42回を迎えた「ピティナ・ピアノコンペティション」(全日本ピアノ指導者協会主催)の最上級部門「特級」のファイナル(審査員長:二宮裕子)が8月21日にサントリーホール大ホールで開催され、角野隼斗(すみの・はやと)がグランプリを獲得した。また、来場者の投票で決まる「聴衆賞」の第1位には古海行子(ふるみ・やすこ)が選ばれた。結果は以下の通り。グランプリ 角野隼斗(千葉県出身)東京大学大学院1年銀賞 上田実季(愛知県出身)東京藝術大学4年銅賞&聴衆賞第1位 古海行子(神奈川県出身)昭和音楽大学3年入選 武岡早紀(兵庫県出身)東京藝術大学4年 同コンペティションは、世界的にも最大級の規模を誇り、今年は全3部門23の級とカテゴリーに延べ45,755組が参加。サントリーホール大ホールがコンクールの舞台となったのは、史上初めてのこと。 ファイナルでラフマニノフのピアノ協奏曲第2番を弾き、グランプリに輝いた角野は、1995年生まれ。千葉県出身。現在、東京大学大学院1年在学中。 8月22日の表彰式後に行われた記者会見では、角野は「グランプリをいただいたことに僕自身とても驚きましたが、本当に光栄なことで嬉しい」と喜びを語った。今後は、ラフマニノフやリストなどのほか、カプースチンのようなジャジーな曲も弾いてみたいという。勉学との“二刀流”については、「どっちもやっているからこそ出来ることがあれば良いなと思っています。研究とピアノの両立は難しいものですが、これからも責任をもって音楽活動を続けていきたい」と話した。ピティナ・ピアノコンペティションhttp://compe.piano.or.jp/■東京交響楽団2019-20ラインナップ 決定 東響が2019年度の主催公演ラインナップを発表した。就任6年目のシーズンを迎える音楽監督ジョナサン・ノットは定期演奏会4公演、川崎定期演奏会2公演、東京オペラシティシリーズ2公演のほか、特別演奏会(『第九』公演)や「名曲全集」など計7演目12公演を指揮する。 今回もノットは面目躍如たる近現代と古典の両方をミックスしたプログラムで手腕を発揮。ブリテンのヴァイオリン協奏曲(ソロ:ダニエル・ホープ)とショスタコーヴィチの交響曲第5番(2019.5/25,5/26新潟)、リゲティ「レクイエム」、タリス「スペム・イン・アリウム」(40声のモテット)とR.シュトラウス「死と変容」の組合わせ(7/20,7/21)、アイヴズ「答えのない質問」とシューベルト「未完成」(10/12,10/13)、リゲティ「管弦楽のためのメロディーエン」とモーツァルト「ジュピター」(11/23)など。 正指揮者の飯森範親もラヴェルの名管弦楽曲とファジル・サイの「チェロと管弦楽のために」(ソロ:新倉瞳)を合わせた独創的なプロ(20.3/21)とアイネム「ダントンの死」組曲&R.シュトラウス「家庭交響曲」(1/25)などを。桂冠指揮者の秋山和慶は新進気鋭のピアニスト藤田真央とジョリヴェのピアノ協奏曲「赤道コンチェルト」、イベール「寄港地」などオール20世紀フランスものという個性的なプログラムを用意している(19.4/21)。 客演指揮者も、最近ではオペラで注目度の高いロレンツォ・ヴィオッティ、5度目の客演となるマーク・ウィグルスワース、さらにJ.S.バッハ「マタイ受難曲」を振る鈴木優人など多彩な顔ぶれとなっている。東京交響楽団http://tokyosymphony.jp/■「東京・春・音楽祭」で「子どものための ワーグナー」プロジェクトがスタート 2019年に第15回を迎える「東京・春・⾳楽祭-東京のオペラの森-」は、バイロイト⾳楽祭との提携で「⼦どものためのワーグナー」を同年より上演することを発表した。これはワーグナーのオペラを短縮し、内容も子どもでも分かりやすいように再構成して上演するもので、バイロイトでは、カタリーナ・ワーグナーによって09年から行われている。ドイツ国外での実施は初Photo:I.Sugimura/Tokyo MDE

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