eぶらあぼ 2018.9月号
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72に加わり、サックス・アンサンブルの新しい地平を開く。©ザ・シンフォニーホール朝活コンサート Vol.2「ショパン、名曲の真髄」関本昌平ピアノリサイタル9/6(木)10:30 浜離宮朝日ホール問 ピティナ:03-3944-1583 http://www.piano.or.jp/concert/asakatsu/関本昌平(ピアノ)ショパンの憧れの心がエスプレッシーヴォを呼ぶのです取材・文:高坂はる香Interview 平日午前中に解説と演奏で音楽を満喫できる「朝活コンサート」が5月にスタート。ショパンの名曲をテーマとした今回のVol.2では、野本由紀夫(解説)と飯田有抄(司会)によるプレセミナーに続き、2005年ショパン国際ピアノコンクール入賞者の関本昌平が登場する。 曲目は「スケルツォ、バラード、ワルツ、ポロネーズなどをまんべんなく取り上げる名曲オンパレード」。関本が好きな作品ばかりだという。 「ショパンの音楽は色彩と空想の世界でできているから、すっと心に入ってくる。朝、楽な気持ちで聴くにはぴったりです」 20歳でコンクールに入賞してから13年。ニューヨーク留学などを経て視野を広げ、自身の活動を見つめ直す中、ショパンから距離を置いた時期もある。 「他の作曲家も好きなので、入賞したことで“ショピニスト”のイメージが定着することは避けたいと思いました。それに、コンクールを目指してショパンばかり弾いていたあと、若いうちに先生から離れて演奏活動をするようになり、なぜその作品を弾くのか、なぜピアノを弾くのかを、より自信をもって説明できるようになりたいとも感じて。これから何を表現していくべきか、その方向性を、自分の意志で見つけたかったんですね」 さまざまな作曲家と向き合った今、ショパンの魅力を再認識しているという。 「届きそうで届かない、その切なさ、時には情けなさが表れているところが心にぐっとくるのです。例えばバラード第1番なら、孤独な苦しみから、求めるものへの憧れ、それを手に入れることへの妄想があり、最終的に目的は達成されずに終わります。好きだと言っているのに伝わらない、でもだからこそ次の感情が生まれ、表現がエスプレッシーヴォになるわけです。特に音が少ないゆっくりしたパートは、妄想の世界が広がるところですね」 現在、後進の指導でも多忙な関本。もともと「有名になることに興味がない」という彼が目指すのは、職人的に音楽を追求するタイプのピアニストだ。 「もちろん聴いてくださる方には感謝しているのですが、僕には、人のために演奏するという意識があまりありません。聴かせることにばかり気持ちがとらわれると、芸術家として壊れていくのではないかと感じて。だから僕は、それが何のためになるかすぐにはわからなくても、作曲者のすばらしさを追求することを大切にしたいのです」 そのようなわけで、周囲の期待のわりに、関本のオール・ショパン・リサイタルは多くない。彼が誘うショパンの“妄想の世界”を覗くことができる貴重な機会。ぜひ聴いておきたい。第35回 ワンダフル one アワーハバネラ サクソフォン・カルテット&平野公崇 リサイタル新しい地平を開くサクソフォン・アンサンブル文:オヤマダアツシ サクソフォン四重奏の最前線といえるかもしれない、フランスの「ハバネラ サクソフォン・カルテット」は、過去何度かの来日においても鮮烈な演奏を聴かせてくれた。パリ国立高等音楽院を卒業した彼らは、クラシックの室内楽曲に新しい光を当てたり、サクソフォン四重奏でなくては表現できないと思えるほど個性的な音響の現代作品を演奏する。 Hakuju Hallで開催される1時間コンサート「ワンダフル one アワー」(昼夜2回)では、ドビュッシーのピアノ曲やブラームスの弦楽四重奏曲(第2番の第1楽章)など、新しいサクソフォンの10/24(水)15:00 19:30 Hakuju Hall問 Hakuju Hallチケットセンター03-5478-8700 http://www.hakujuhall.jp/世界を目の当たりにするプログラムにより存在感を示すはず。ティエリー・エスケッシュ作曲の「ル・バル」は、生き物のように動くサックスのアンサンブルが聴きものだ。ハバネラQとの共演も多い平野公崇もコンサートの後半左より:ハバネラ サクソフォン・カルテット/平野公崇 ©ノザワヒロミチ(CAPSULEOFFICE)
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