eぶらあぼ 2018.9月号
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67ぎふ未来音楽展 ガラ・コンサート&シンポジウム1000年後の世界に鳴り響く音楽とは?文:飯田有抄9/9(日)14:00 サラマンカホール問 サラマンカホール チケットセンター058-277-1110 http://salamanca.gifu-fureai.jp/ 未来の社会において、いったいどのような音楽が鳴り響いているのだろう。未来に奏でられる音楽、音楽から考える未来をテーマに、ガラ・コンサートとシンポジウムが開かれる。発信地となるのは、岐阜のサラマンカホール。題して「ぎふ未来音楽展 2018」。当イベントのモデレーターであり、ホール音楽監督で文化芸術プロデューサーの浦久俊彦は、常に広い見地から音楽文化を捉えてきた。そして、今を生きる私たちが、音楽の力で社会をより良くしていく方法を絶えず模索・発信している。今回、浦久の声がけによって集結するのは、作曲、演奏、教育、放送メディアにおいて活躍する人々だ。 ガラ・コンサート「岐阜の四季と未来の音楽」では、1970年代生まれの2名の作曲家、福島諭と安野太郎による新作、板倉康明のクラリネット独奏によるメシアン作品、宮田まゆみの笙独奏、三浦彩夏のトランペット独奏による武満徹作品、そして一柳慧によるピアノ独奏で自作品が披露される。続くシンポジウム「1000年後の世界にどのような音楽が鳴り響いているか」では、一柳、宮田のほか、作曲家で岐阜県立情報科学芸術大学院大学学長の三輪眞弘と、岐阜放送社長の森田順子も登壇。1000年後という、およそ私たちの想像力の及ばぬ遠い未来に思いを馳せることで、示唆的で闊達なトークが交わされることになるだろう。人と文化と社会のあり方について思いを巡らせ、音楽と未来の冒険へと出発しよう!宮田まゆみウェスタ川越「オーケストラとめぐる旅」第1回鈴木優人(指揮) 読売日本交響楽団名曲がいざなうオーケストラとの旅文:伊熊よし子スペインからロシアへ 〈アランフェス〉&〈展覧会の絵〉10/7(日)14:00 ウェスタ川越問 ウェスタ川越049-249-3777 http://www.westa-kawagoe.jp/ 2015年に川越駅西口にオープンしたウェスタ川越。1712席を備えた大ホールは最新鋭のシステムを完備し、環境にも出演者にも優しい次世代ホールとしての機能をもつ。音響のすばらしさも特筆すべきだ。 その大ホールにおいて各国を旅するような3回のシリーズが行われる。題して「オーケストラとめぐる旅~日本を代表する3つのオーケストラで聴きくらべ~」。第1回は「スペインからロシアへ」(10/7)。ロドリーゴの「アランフェス協奏曲」、ムソルグスキー(ラヴェル編曲)の「展覧会の絵」他を鈴木優人指揮読売日本交響楽団が演奏。多岐にわたる作品で世界を舞台に活躍する鈴木優人が、聴き手を作品が生まれた土地へといざなう。「展覧会の絵」はムソルグスキーが友人の画家ハルトマンの追悼展覧会の印象をもとに作曲したピアノ組曲。これをラヴェルがロシアの大地を思わせる迫力あふれる管弦楽曲に編曲、その響きがホールを満たす。さらに生前のロドリーゴに会ったことがあるギターの村治佳織がソリストとして加わる。「アランフェス協奏曲」は第2楽章の美しさが際立つ名曲。弱音の美しさに注目したい。 第2回「アラビアン・ナイト」(2019.1/14)には田中祐子指揮新日本フィルハーモニー交響楽団、第3回「ドイツ、ザ・シンフォニー」(2019.3/30)には高関健指揮東京交響楽団が登場する。なお、姉妹企画として東京交響楽団弦楽四重奏団によるレクチャーコンサートシリーズ「弦楽四重奏でまなぶ旅」(全3回)も行われる。三輪眞弘浦久俊彦一柳 慧 ©Koh Okabe村治佳織 ©Ayako Yamamoto鈴木優人 ©Marco Borggreve
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