eぶらあぼ 2018.9月号
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「世界の非常に美しい25のホール」に選ばれているハーモニーホールふくい。1456席の大ホールと、610席の小ホールを持ち、地域住民に愛されるホールとして昨年開館20周年を迎えた。ドイツの名門カール・シュッケ社が製作したパイプオルガンを有する大ホールは、その重厚な響きに一流の音楽家たちからの評価も高い。国内外の一流オーケストラ、演奏家による公演はもとより、ホールが実施するオーディションを通過した県ゆかりの音楽家を「越のルビーアーティスト」として登録、積極的に演奏の場を作ることで、県民が素晴らしい音楽に触れる機会を、数多く提供している。ビジネスパーソンに向けたクラシック音楽講座 そんなホールが今年から取り組んでいるプロジェクトが「ビジネスパーソンのためのクラシック音楽アカデミー」。県内企業の職員を対象に、クラシック音楽講座と世界一流のオーケストラ公演を組み合わせた研修を行う。参加者の年齢や肩書に制約はなく、若手から中堅、そして経営者まで幅広い層からの参加を呼びかける。 クラシック音楽は、日本では「敷居が高い」と敬遠されがちだが、欧米では日常で当たり前に聴かれていることも多く、特にビジネスパーソンにとっては嗜たしなんでおきたい教養。取引先や上司とのワンランク上のコミュニケーションを取るため、あるいはクラシック音楽を聴くことで脳がリフレッシュし、精神的な充実も得られる…など、ビジネスシーンで大いに役立つに違いない。 もともとこのハーモニーホールふくいは、コンサートを聴きに来た方たちの社交の場としても機能していた。その“ホールの持つ空気”をより上質なビジネスの場にも活用してもらいたいというのが、この企画に結びついたという。今年度は、全4回の研修 今年度に企画されている全4回の研修のうち、第1回は6月15日に開催。ピアノのチョ・ソンジンをソリストに迎えたドイツの名門フランクフルト放送交響楽団(アンドレス・オロスコ=エストラーダ指揮)の公演に研修を加えたもので、定員50名に迫る45名が参加した。 オーケストラ公演を大ホールで行っているため、研修は小ホールで。開演1時間半前、ホールのラウンジでの名刺交換会からスタート。県内のさまざまな企業からいろいろな立場の人が集い、コーヒーを楽しみながら自己紹介をする。世界に誇るホールで時間を共有する、なかなか得難い場だ。人脈を広げ、ビジネスチャンスの場としてもらえたらというホール側の想いがここに表れている。 続いていよいよ「クラシック音楽講座」。第1回はホールのプロデューサーが講師を務め、マナーや公演プログラムの鑑賞ポイントなどを、プロジェクターやピアノを使ってわかりやすく解説していく。30分程度ビジネスパーソンのためのクラシック音楽アカデミービジネスにクラシックを! ハーモニーホールふくいのユニークな取り組み©相田憲克

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