eぶらあぼ 2018.9月号
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204日本とフランスに育まれた俊才が今、美しく開花の時を迎える。ジャンミッシェル・キムは東京生まれ、東京音大付属高校在学時から注目を浴びている実力派ピアニスト。パリやザルツブルクに学び、国際的登竜門で実績を重ねている。日本での公式ソロ・デビューとなる今回のステージは、ラヴェル「ラ・ヴァルス」とベートーヴェンのソナタ第21番「ワルトシュタイン」を軸にリスト、ショパン、ドビュッシーを配して。気鋭の歴史的鍵盤楽器奏者として活躍する一方、古楽の啓蒙にも力を注ぐ、大塚直哉による好評シリーズは、新たなるタームへ。「ポジティフ・オルガン VS チェンバロ」の第1弾。ハーモニーの原点である調性と音律の関係性へと斬り込み、卓越した音楽センスで傑作へと昇華した大バッハの野心作「平均律クラヴィーア曲集」の第1巻から第1~12番を取り上げ、2つの楽器を弾き分けつつ、その秘密を紐解いていく。完璧な技巧と卓越した感性、透明感あふれるスタイリッシュな音楽創り。白石光隆が生む響きに、現代ピアニズムの真髄を聴く。東京藝大・同大学院からジュリアード音楽院に学んだ実力派。年間の集大成としているリサイタルも、31回目に。ショパンのソナタ第2番を核として、リスト「即興ワルツ」に彼の編曲によるワーグナーとヴェルディ、さらにフンメル、サン=サーンス、コープランドと独創的なプロに対峙する。輝かしいトランペットと、変幻自在のパイプオルガン。2つの楽器の音色が溶け合って織り成される、多層的な響きの世界は、まさにヨーロッパの伝統。ハンブルク北ドイツ放送響の首席トランペット奏者を長く務めたベルワルツと、バンベルク響の首席オルガニストのシュミットによる黄金デュオが、バッハやマルチェッロとバロックから、細川俊夫「雲景」や武満徹「径(みち)」など現代へ、300年の時と数千キロの空間を軽々と跳躍する。月の9大塚直哉レクチャー・コンサートJ.S.バッハ“平均律クラヴィーア”の魅力ずばり!! クラシック名曲コンサートイエルーン・ベルワルツ(トランペット)&クリスチャン・シュミット(オルガン)ジャンミッシェル・キム(ピアノ)ひろしまオペラルネッサンス《イドメネオ》 岩田達宗(演出) 下野竜也(指揮) 広島交響楽団白石光隆(ピアノ)9/2(日)14:00 彩の国さいたま芸術劇場9/15(土)15:00 ティアラこうとう9/12(水)19:00 府中の森芸術劇場9/10(月)19:00 ヤマハホール9/16(日)14:00 京都/青山音楽記念館9/22(土)、9/23(日・祝)各日14:00 広島/JMSアステールプラザ9/12(水)19:00 東京文化会館(小)文:笹田和人©岩切 等大塚直哉 ©R.Hottaイエルーン・ベルワルツ ©Peter Kalloクリスチャン・シュミット ©Uwe Arensこんなステージ、ありそうでなかった!! 誰もが聴きなじみのある「名曲」だけを厳選して、作曲家・ピアニストの加羽沢美濃の案内で贈る新シリーズ。今回はマスネ「タイスの瞑想曲」(ヴァイオリン:奥村愛)、ドップラー「ハンガリー田園幻想曲」(フルート:萩原貴子)、リスト「ラ・カンパネラ」(ピアノ:米津真浩)、ヴィヴァルディ「四季」より〈秋〉(1966カルテット)など、実力派の名手たちが、次々に名旋律を披露する。「ひろしまオペラルネッサンス」の四半世紀を記念するモーツァルトオペラシリーズ第2弾は、神話に材を採りつつ、素晴らしいアリアや重唱によって、人間的な愛と葛藤を繊細かつ美しく描き切る傑作オペラ・セリア《イドメネオ》(全3幕)を広島初演。名匠・下野竜也指揮の広島交響楽団、リアルな人間描写に定評ある岩田達宗の演出、タイトルロールの矢野勇志と山岸玲音(れおん)をはじめ、実力派揃いのダブルキャストで臨む。岩田達宗©大阪音楽大学 下野竜也 ©Naoya Yamaguchi(Studio Diva)©Frederik Froument加羽沢美濃
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