eぶらあぼ 2018.9月号
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19211月の見もの・聴きもの2018年11月の曽そし雌裕ひろかず一 編〔Ⅰ〕オーストリアウィーン国立歌劇場◎11月1、4日 ベルリオーズ:トロイアの人々[18年10月プレミエ] 指/A.アルティノグリュ、演出/D.マクヴィカー、出/B.ジョヴァノヴィチ、A.プラヘトカ◎11月2、7日 ワーグナー:ローエングリン 指/S.ヤング、演出/A.ホモキ、出/A.シャーガー、E.ファン・デン・ヘーファー、P.ラング11月3日 ヴェルディ:仮面舞踏会 指/G.M.ビサンティ、演出/G.デ・ボジオ、出/R.ヴァルガス、R.フロンタリ、E.パンクラトヴァ11月5、8日 ドニゼッティ:愛の妙薬 指/S.スカップッチ、演出/O.シェンク、出/A.ガリフッリーナ、B.ベルンハイム11月6、9、11日 プッチーニ:蝶々夫人 指/J.ダーリントン、演出/J.ギーレン、出/L.ハルトゥニアン、T.イリンカイ11月14、16、18日 モーツァルト:ドン・ジョヴァンニ 指/A.フィッシャー、演出/J.L.マルティノーティ、出/M.ウェルバ、M.パパタナシウ、B.ブルンス、O.ベズスメルトナ11月15、19、22日 ドヴォルザーク:ルサルカ指/E.G.イェンセン、演出/S.E.ベヒドルフ、出/B.ジョヴァノヴィチ、N.クラステヴァ、C.ニールント11月21日 A.シャーガーT、L.バイチvn 共/M.フレッツベルガーp11月23、26、29日 プッチーニ:ラ・ボエーム指/S.スカップッチ、演出/F.ゼッフィレッリ、出/B.ベルンハイム、M.レベカ◎11月25、27、30日 ロッシーニ:チェネレントラ指/J.C.スピノージ、演出/S.E.ベヒドルフ、出/A.シラグーザ、O.イルディスウィーン・フォルクスオーパー11月1(19:00)、8(18:30)、9(18:30)、20(18:30)、24(18:30)日 C.コロノヴィツ:ヴィヴァルディ-第5の季節(ミュージカル) 演出/R.マイヤー11月2(19:00)日 ミレッカー:ガスパローネ演出/O.タンボシ11月3(19:00)、7(19:00)、16(19:00)、25(18:00)、30(19:00)日 ホイベルガー:オペラ舞踏会 演出/A.ケーラー11月4(19:00)、6(19:30)日 プッチーニ:外套/ジャンニ・スキッキ 演出/R.マイヤー11月5(19:00)、15(19:00)、19(19:00)、28(19:00)日 ロルツィング:ロシア皇帝と船大工[18年10月プレミエ] 演出/H.ホルストコッテ11月10(19:00)、18(19:00)、21(19:00)、29(19:00)日 ヴェルディ:群盗 演出/A.シューリン11月11(16:30)、12(11:00)、22(19:00)、26(19:30)日 J.スタイン:ジプシー(ミュージカル)演出/W.ソボトカ11月17(19:00)、23(19:00)、27(19:00)日カールマン:チャールダーシュの女王[18年9月プレミエ] 演出/P.ルントアン・デア・ウィーン劇場(オペラ公演のみ)★◎11月14(19:00)、16(19:00)、18(19:00)、21(19:00)、23(19:00)、25(19:00)日ヘンデル:テーゼオ[プレミエ] 指/R.ヤーコプス、演出/M.レイザー、P.コリエ、出/G.アルケス、C.デュモー、M.エリクスモーン、演奏/ベルリン古楽アカデミー◎11月24(19:00)日 サリエリ:タラール(演奏会形式) 指/C.ルセ、出/J.S.ブー、C.デュボワ、K.デエ、T.クリストヤンニス、演奏/レ・タラン・リリクウィーン・フィル[会場:無印=ムジークフェライン(ウィーン)、(KH)=コンツェルトハウス(ウィーン)](主要公演のみ)◎11月3(15:30)、4(11:00)日 J.ウィリアムズ指揮 J.ウィリアムズ:未知との遭遇(抜粋)、SAYURI(Memoirs of a Geisha)組曲、E.T.〜地球上の冒険、子供の物語(BFG:ビッグ・フレンドリー・ジャイアントからの組曲)、インディ・ジョーンズ〜スケルツォ、スター・ウォーズ/最後のジェダイ〜レベリオン・イズ・リボーン、レイア姫のテーマ、スター・ウォーズ〜王座の間 独/J.モーザーvc11月8(19:30)日 F.ウェルザー=メスト指揮ドヴォルザーク:謝肉祭(序曲)、ブラームス:ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲、ワーグナー:神々の黄昏(抜粋/F.ウェルザー=メスト編) 独/V.シュトイデvn、P.ソモダリvc11月9(19:30)(KH)日 F.ウェルザー=メスト指揮 ブルックナー:交響曲第5番〔11月15日-12月2日:日本・中国公演〕ウィーン響[会場:(KH)=コンツェルトハウス(ウィーン)、(MV)=ムジークフェライン(ウィーン)、(HAM)=エルプフィルハーモニー(ハンブルク)、(FRA)=アルテオーパー(フランクフルト)、(STU)=ベートーヴェンザール[リーダーハレ](シュトゥットガルト)、(DUS)=トーンハレ(デュッセルドルフ)、(BRU)=パレ・デ・ボザール(ブリュッセル)]11月4(11:00)(KH)、6(19:30)(KH)日 P.ジョルダン指揮 メンデルスゾーン:真夏の夜の夢〜序曲、ベルリオーズ:夏の夜、シューマン:交響曲第4番(1840/1851年版)独/T.ハンプソンBr、解説/B.レット(4日のみ)11月10(19:30)(MV)、11(19:30)(MV)日P.ジョルダン指揮 ベルリオーズ:幻想交響曲、レリオ 独/C.デュボワT、F.センペイBs、語り/M.マイヤー【本文中の記号】★=プレミエ[新演出]公演、◎=注目公演 今月は、紙幅の関係で、「コーミッシェ・オーパー管(ベルリン)」(http://www.komische-oper-berlin.de)、「ベルリン・コンツェルトハウス管」(http://www.konzerthaus.de)、「フィルハーモニア・チューリッヒ(チューリッヒ歌劇場管)」(http://www.opernhaus.ch/ensemble/philharmonia-zuerich/)の公演予定が掲載できなくなってしまった。詳細は各HPをご確認のほど。 さて11月の公演を見渡すと、まずは古楽系ベテラン指揮者陣の活躍が目に付く。ルネ・ヤーコプスは、アン・デア・ウィーン劇場でヘンデル「テーゼオ」のプレミエ、トーマス・ヘンゲルブロックは手兵バルタザール・ノイマン・アンサンブルと共に、モーツァルト「レクイエム」を引っさげてのドイツ・ツアーと恒例の「クリスマス・コンサート」(今年はオーストリアの名優ブランダウアーの語り付き)、ミンコフスキはバーデン・バーデン祝祭劇場で、定番のラモー「空想のサンフォニー」やオッフェンバック「ホフマン物語」。これに、ベルリン・フィルを離れたサイモン・ラトルが、フライブルク・バロック管をバックにラモーの「イポリートとアリシー」の新演出公演を振る注目公演が加わってくる(ベルリン州立歌劇場)。他にも、ルセ指揮のサリエリ「タラール」(アン・デア・ウィーン劇場)、ファソリス指揮のモンテヴェルディ「ポッペアの戴冠」(ベルリン州立歌劇場)など古楽系公演は活況だ。逆に現代物では、ミラノ・スカラ座で上演されるサミュエル・ベケットの原作台本によるクルタークの「勝負の終わり」が要注目公演。 一般のオペラ公演では、ペトレンコの指揮するヴェルディ「オテロ」(バイエルン州立歌劇場)。彼はワーグナーばかりでなく、イタリア・オペラでも独自の繊細で緊張感ある音楽を創り出す。なお、この公演はタイトル・ロールをヨナス・カウフマンが歌うのでチケットは争奪戦必至。他には、ムーティが振る「コジ・ファン・トゥッテ」(ナポリ・サンカルロ歌劇場)、ビエイト演出のヴェルディ「シモン・ボッカネグラ」(パリ・バスティーユ)、スケラート、クレバッサといった旬の歌手を集めたロッシーニ「チェネレントラ」(パリ・ガルニエ宮)、ローレル指揮の「椿姫」(シャンゼリゼ劇場)などが挙げられる。ワーグナーの「リング」はハンブルク州立歌劇場でケント・ナガノが再演中(クラウス・グート演出)。ドミンゴはメトで「ジャンニ・スキッキ」に出演予定。 オーケストラでは、映画音楽界の巨匠ジョン・ウィリアムズがウィーン・フィルで自作ばかりを振る興味津々の公演の他、シュターツカペレ・ベルリンの「ドイツ・グラモフォン120周年記念演奏会」、ミラノ・スカラ座でのクラウディオ・アバド・メモリアル演奏会(ホリガー指揮イタリア国立放送響)などイベント絡みの公演もある。NDRエルプフィルでのウルバンスキ指揮のポーランド作曲家特集、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管でゲルネの歌うマーラー「子供の不思議な角笛」(N.ヤルヴィ指揮)、ヤノフスキ指揮のhr響、ハンニガン出演のバンベルク響、フェドセーエフ指揮のシュトゥットガルト歌劇場管、インバル指揮のSWR響、カニサレスのギター協奏曲が彼自身の独奏で聴ける大野和士指揮のバルセロナ響、ロトが解説付で指揮をするロンドン響等々多士済々。 これらに加えて、音楽祭として「ルツェルン音楽祭(ピアノ・フェスティバル)」が開催され、レヴィット、シフ、ソコロフらが出演する。ピアノでは、ウィーン・ムジークフェラインでの内田光子のシューベルト・ソナタ集も要注目。ちなみに、ケルン歌劇場では、往年の名ソプラノ、80歳になったエディット・マティスの声が聴ける(ただし朗読)。(曽雌裕一・そしひろかず)(コメントできなかった注目公演も多いので本文の◎印をご参照下さい)
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