eぶらあぼ 2018.9月号
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173コンサートギャラリーチケット発売情報News & TopicsNew Release Selection新譜情報TV&FMBooks海外公演情報今月の注目公演公演情報ぶらPALなった素晴らしい瞬間でした。私もオーケストラもリスクを犯すことを恐れず踏み込むことができた。これはそうそう起きることではない。“ケミストリー”がもたらされたわけです。だからこそ、今後も都響と向き合っていきたいと思っているのです」 今後は年に2回程度、都響の公演に登場する。すでに楽団員との間に強い信頼関係が生まれているギルバート。今後どんな“ケミストリー”が生み出されていくのか、オーケストラ・ファンにとっても見逃せない3年間がスタートした。東京都交響楽団http://www.tmso.or.jp/■「高松宮殿下記念世界文化賞」音楽 部門にリッカルド・ムーティ 第30回「高松宮殿下記念世界文化賞」(主催:公益財団法人日本美術協会)の受賞者が発表された。音楽部門では、指揮者のリッカルド・ムーティ(イタリア)が選ばれた。同賞は、日本美術協会の創立100周年を記念し1988年に設立、前総裁高松宮殿下の「世界の文化芸術の普及向上に広く寄与したい」との遺志にもとづき、絵画、彫刻、建築、音楽、演劇・映像の各分野で世界的に顕著な業績をあげた芸術家に毎年授与される。 ムーティは、41年ナポリ生まれ。フィレンツェ五月音楽祭の首席指揮者、フィルハーモニア管弦楽団、フィラデルフィア管弦楽団、ミラノ・スカラ座の音楽監督などを歴任。2010年にはシカゴ交響楽団の音楽監督に就任した。また、若手指揮者の育成にも尽力し、イタリアのラヴェンナで15年から「イタリア・オペラ・アカデミー」を開催。19年春からは、東京でも同アカデミーを実施することが発表されている。 そのほかの部門の受賞者は次の通り。 絵画部門:ピエール・アレシンスキー(ベルギー/フランス)、彫刻部門:中谷芙二子(日本)、建築部門:クリスチャン・ド・ポルザンパルク(フランス)、演劇・映像部門:カトリーヌ・ドヌーヴ(フランス)。高松宮殿下記念世界文化賞http://www.praemiumimperiale.org/■ライプツィヒのバッハ国際コンクール  ピアノ部門で工藤奈帆美が優勝 7月11日〜21日にライプツィヒで行われた第21回バッハ国際コンクールのピアノ部門で、米国籍のRachel Naomi Kudo(工藤奈帆美)が優勝した。工藤は特別賞として、2019年にキルヒハイムボーランデンとリューベックでの演奏会を開催する権利も獲得した。第2位はArash Rokni(イラン)、第3位はJonathan Ferrucci(オーストラリア/イタリア)。 工藤はワシントン生まれ。幼少期を福井県で過ごした後、01年に渡米。ジュリアード音楽院で、ヨヘヴェド・カプリンスキーとジョセフ・カリクシュタインに、マネス音楽大学でリチャード・グードに師事し、現在は同大でレオン・フライシャーの下で学ぶ。05年のショパン国際ピアノコンクールではファイナリストとなった。Internationaler Bach-Wettbewerb Leipzighttp://www.bachwettbewerbleipzig.de/■訃報:オリヴァー・ナッセン氏 現代イギリスを代表する作曲家で指揮者としても活躍したオリヴァー・ナッセン氏が7月8日に死去した。66歳。 1952年生まれ。ロンドンでジョン・ランバート、タングルウッドでガンサー・シュラーに作曲を学ぶ。10代の頃から創作活動をはじめ、最初の交響曲は68年に自身の指揮でロンドン交響楽団により初演されている。代表作としてはグラインドボーン音楽祭により制作されたファンタジー・オペラ《かいじゅうたちのいるところ》、交響曲第3番(マイケル・ティルソン・トーマスに献呈)、ヴァイオリン協奏曲(ピンカス・ズーカーマンのために作曲)、などがある。指揮者としての評価も高く、BBC交響楽団アーティスト・イン・アソシエーション、ロンドン・シンフォニエッタ音楽監督、オールドバラ音楽祭芸術監督を務め、同時代作品の紹介に尽力した。武満徹との親交も深く、東京オペラシティ文化財団のアドヴァイザリー・コミッティの一人としても知られ、2001年度武満徹作曲賞審査員も務めた。今年の9月に来日し、東京都交響楽団の定期公演を指揮する予定だった。アリギエーリ劇場大ホールにて イタリア、ラヴェンナ 2018年©Bach-Wettbewerb Leipzig/Rachel Naomi Kudo©Rikimaru Hotta

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