eぶらあぼ 2018.9月号
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172「演出のハンぺさんは時間をかけて、妥協することなく芝居をつくるので、みんなの連帯感が生まれる。方々から集まった仲間たちと練習し、切磋琢磨することは良い経験。今回は、強靭な声を持つ題名役のクリスティアン・フランツさんとの共演を特に楽しみにしている」と結んだ。滋賀県立劇場びわ湖ホールhttp://www.biwako-hall.or.jp/■アラン・ギルバート都響首席客演指揮者 就任会見 7月15日、16日に、東京都交響楽団(以下都響)の首席客演指揮者就任披露公演を終えたアラン・ギルバートが、翌17日に都内で行われた就任発表の記者会見に出席した。会見では、ギルバートの他、同楽団ソロ・コンサートマスターの矢部達哉、理事長の近藤誠一、芸術主幹の国塩哲紀が登壇した。 ギルバートと都響の初共演は2011年7月。ブラームスの交響曲第1番やベルクのヴァイオリン協奏曲などを振ったが、その後16年と17年にも共演を重ねていくなかで、より継続的な関係構築を求めるに至り、今回のポスト就任が実現した。任期は18年4月からの3年間。 会見では、時折日本語も交えながら、就任への思いを語った。 「最初の共演は、本当に心に深く刻まれた音楽体験でした。それは、お互いの独特な相性の良さがもたらしてくれたものだと思います。そして、このオーケストラは、帰ってくるたびにこの分かち合う気持ちをいつも感じさせてくれるのです」 今回の就任披露公演では、シューベルトの交響曲第2番とマーラーの交響曲第1番「巨人」をとりあげたが、そのステージでも大きな手応えを感じたようだ。 「聴衆のみなさんも一体化し、みんなの心がひとつに■びわ湖ホール《ジークフリート》制作 発表会 滋賀県立芸術劇場びわ湖ホールは、プロデュースオペラ《ニーベルングの指環》第2日《ジークフリート》を2019年3月に上演する。8月1日、制作発表会が開かれた。登壇者は山中隆・びわ湖ホール館長、沼尻竜典・同芸術監督、そしてブリュンヒルデ役の池田香織(メゾソプラノ)の3名。 まずは山中館長の挨拶から。「びわ湖ホールは、この9月5日に開館20周年を迎え、記念事業として9月30日にマーラー『千人の交響曲』を演奏するが、すでに完売という嬉しい状況。“びわ湖リング”も関西圏はもちろんのこと、首都圏ふくめ各地から観客が訪れるという嬉しいデータが出ている。《神々の黄昏》まで完売を続けさせたい」と意欲的だ。 続いて沼尻芸術監督が作品と演出について次の通り語った。「《ジークフリート》は、蛇を退治し、宝物を得て、眠りについているブリュンヒルデを眠りから覚ます、という単純なストーリー。しかし、ワーグナーは大量のテキスト(台本)を書いており、曲としては《神々の黄昏》の方が長いけれど、テキストは《ジークフリート》の方が多い。歌手も私もかなり勉強しなければいけない。作品としては単純なようで難易度は高い」。また、演出家のミヒャエル・ハンぺに関して「今年で84歳だが、稽古場では一番元気。演出はオーソドックスになると思う。ワーグナーが台本に記したことをテクノロジーを駆使して忠実に再現するという方針はいつもと同じ。賛成派、反対派みなさんに観てもらいたい」。キャスティングについては「私一人で決めている。所属する団体の枠を超えて日本人の優れた歌手、海外の歌手ふくめグローバル・スタンダードで選んでいる。本当の歌手の実力主義が生まれると思う」。 最後に、これまで《ラインの黄金》エルダ、《ワルキューレ》ブリュンヒルデを歌い、今回もブリュンヒルデ役で出演する池田香織。左より:山中 隆、池田香織、沼尻竜典Photo:T.Shiroma/Tokyo MDE左:アラン・ギルバート 右:矢部達哉Photo:I.Sugimura/Tokyo MDE

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