eぶらあぼ 2018.8月号
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58カニサレス・フラメンコ・クインテット来日公演20189/23(日・祝)15:00 よこすか芸術劇場(046-823-9999)、9/24(月・休)15:00 三鷹市公会堂 光のホール(0422-47-5122)、9/29(土)16:00 めぐろパーシモンホール(プランクトン03-3498-2881)、9/30(日)15:00 所沢市民文化センターミューズ マーキーホール(04-2998-7777)※全国公演の詳細は右記ウェブサイトでご確認ください。 http://plankton.co.jp/フアン・マヌエル・カニサレス(ギター)世界最高峰のギタリストがクインテットで魅せる新たな世界取材・文:鈴木大介Interview 2011年マドリッドにおけるベルリン・フィル ヨーロッパ・コンサートでの「アランフェス協奏曲」の伝説的な成功に象徴されるように、フラメンコのトップ・アーティストとしてだけでなく、クラシック音楽の解釈者としても目覚ましい功績をあげているフアン・マヌエル・カニサレス。近年はグラナドス、ファリャ、スカルラッティの作品をギターの多重録音で演奏し、スペイン音楽の真髄に新たな角度から光をあて、その美しさを浮き彫りにしてきた。そんな彼が本年4月に8年ぶりに発表した自作のフラメンコのみによるアルバム『洞窟の神話』を引っさげて、9月に来日公演を行う。 「『洞窟の神話』というアルバムは、プラトンの洞窟の比喩に由来しています。自分の中では太陽の光というのは、クラシック音楽やジャズなどのセオリーを象徴するものであり、洞窟の中の淡い光こそがフラメンコによって象徴されているものであると捉えています」 クラシック音楽の経験から得た論理的な手法をフラメンコに融合させた作品たちには、ポリトーナルなハーモニーやジャズの影響を感じさせるスケールなど、伝統的なフラメンコには通常用いられないアイディアが随所に見られる。アルバムではカニサレスのギターの多重録音によって演奏されているが、今回の来日公演のために従来のクァルテットからクインテットへと進化した、グループのための新たな編曲によってさらなる起伏と陰影を与えられるはずだ。 「9月の来日公演では、ギター(音楽)、バイレ(踊り)、カンテ(歌)という、フラメンコにとって“三種の神器”とも言える要素が揃うので、アルバムの曲についてもさらにバラエティに富んだ表現が可能となるでしょう。新しくメンバーに加わった歌手のホセ・アンヘル・カルモナは今回、マンドラ(マンドリンに似た撥弦楽器)の演奏も担当してくれるので、音色に広がりが出ると思います」 これまで長年クァルテットとして活動をともにしていた他のメンバーもますます円熟している。 「2ndギタリストのフアン・カルロス・ゴメスは、自分のソロのアルバムもたくさん発売している実力派の素晴らしいギタリストです。踊り手としてはまずチャロ・エスピーノ。彼女はアカデミーで身につけた踊りの技術を持った素晴らしい踊り手であると同時に、カスタネット奏者としても高い評価を受けているアーティストです。もう一人のダンサーはアンヘル・ムニョス。彼は自身の舞踊団を持って自分の作品を世界各国で発表してもいる実力ある踊り手です」 カニサレスが描くフラメンコの現在に魅了されるステージとなりそうだ。日中平和友好条約締結40周年記念 蘇州交響楽団 演奏会中国クラシック界最前線を行く新生オーケストラ文:飯尾洋一 2016年11月に設立されたオーケストラ、中国江蘇省蘇州市の蘇州交響楽団がこの夏、初の来日公演を開く。日中平和友好条約締結40周年を記念しての来日ということだが、新たに誕生したオーケストラが早くも海外ツアーを行うことに、中国のクラシック音楽界の勢いを感じずにはいられない。 この蘇州交響楽団は蘇州市が中心となり民間と共同で設立したオーケストラ。団員はオーディションによって19ヵ国から集められたという国際派だ。本拠地は昨年完成したばかりの蘇州金鶏湖コンサートホールで、設計は8/12(日)18:00 サントリーホール 8/14(火)19:00 神戸国際会館問 日本楽友協会03-6277-6521  サンライズプロモーション東京  0570-00-3337(東京公演のみ)古澤 巌あの永田音響設計が担当している。 今回の来日公演では音楽監督の許忠のもと、陳其鋼の「五行」、サン=サーンスのヴァイオリン協奏曲第3番(独奏は古澤巌、東京公演のみ)、ラヴェルのピアノ協奏曲(独奏は万捷旎(ワン・ジニー)、神戸公演のみ)、ドビュッシーの交響詩「海」他が演奏される。許忠はピアニストとしても活躍するほか、イタリア・カターニアのベッリーニ大劇場で芸術監督を務めるなど、欧州での実績も豊富。さわやかな新風、それとも強烈な熱風が吹き込むのだろうか。許 忠

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