eぶらあぼ 2018.8月号
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44第13回 Hakuju ギター・フェスタ2018 イタリア2 ~Musica Italiana!旬のギタリストを聴く 徳永真一郎 リサイタル9/1(土)16:00 Hakuju Hall問 Hakuju Hallチケットセンター03-5478-8700http://www.hakujuhall.jp/CD福田進一ディスカバリー・シリーズ 第3弾『テリュール』マイスター・ミュージックMM-4038 ¥3000+税7/25(水)発売Photo:Yasuhisa Yoneda徳永真一郎(ギター)フランスで体得した瑞々しい音色と技巧取材・文:片桐卓也Interview 徳島県出身のギタリスト徳永真一郎が10年半に及ぶフランス留学を終えて、日本での活動を積極的に展開し始めた。7月25日には、福田進一が気鋭の若手ギタリストを発掘・紹介するディスカバリー・シリーズ第3弾として、初録音となるアルバム『テリュール』(マイスター・ミュージック)をリリースする。「収録作品は僕の関心のある20世紀のギター音楽、特にタレガ以降のスペインのギター音楽を中心に構成しました」と徳永。まずレヒーノ・サインス・デ・ラ・マーサ(1896~1981)のギター曲、そして彼の弟エドゥアルドが兄のために書いた曲、そしてデ・ラ・マーサに献呈されたアントニオ・ホセ(1902~36)の「ソナタ」などが並ぶ。 「デ・ラ・マーサの作品は『サパテアード』などのタイトルからも分かるように、フラメンコの影響を受けたものが多く、とても軽快なもの。日本人の耳にも親しみやすいものだと思います。そしてホセのソナタは今回どうしても収録したかった曲で、長く取り組んできた作品でもあります。ホセは若くして亡くなったため、忘れられていた時期もありましたが、モーリス・ラヴェルがその才能を高く評価するほどの作曲家でした。このソナタを聴くだけでも、その才能の片鱗が分かると思います」 その他、フランソワ・クープランの「神秘的なバリケード」、ディアンスの「サウダージ第2番」、パリ音楽院の修士試験でも弾いたというミュライユ「テリュール」なども録音された。 「長くフランスに留学していたので、やはりフランスの作品も収録しておきたいと思いました。特に『テリュール』は演奏の難しい現代曲ですが、ここにもフラメンコ的なラスゲアード奏法が含まれています。これはおそらく日本では初録音となります」 フランス留学を思い立ったのは、師事したいギタリストが居たからだそうで、ストラスブールやパリでアレクシス・ムズラキス(デュオ・メリス)、ローラン・ディアンス、ジュディカエル・ペロワに師事。その他、今村泰典のもとでリュートも学んだ。留学時代の大きな成果のひとつは現代の作曲家たちと知り合えたこと。 「同時代の作曲家による作品の初演も多く手がけました。その中で松宮圭太さんの『ギターとアンサンブルのための小協奏曲』のマドリードでの世界初演にも参加できました。同時代の作曲家たちともっと交流を深めていきたいですね」 非常に繊細で、かつ透き通った音色、素晴らしい技巧の持ち主である徳永。彼の生の音は、8月末から行われる「第13回 Hakuju ギター・フェスタ2018」の中の「旬のギタリストを聴く」公演(9/1)で聴くことができる。9/20(木)19:00 東京オペラシティ リサイタルホール問 アコード・ミュージックマネジメント050-3569-5690 http://accordmm.jimdo.com/※全国ツアーの詳細については上記ウェブサイトでご確認ください。ハンブルクトリオドイツ屈指のピアノトリオがメンデルスゾーン姉弟の傑作を文:林 昌英Photo:Jörn Kipping メンデルスゾーンとブラームスを生んだドイツ北部の都市ハンブルク。同地を拠点に活躍する名手たちが2013年に結成、すぐに高い評価を得たピアノ三重奏団がハンブルクトリオである。これまでブラームスとシューマンのピアノ三重奏曲全曲の録音に取り組み、2度の来日公演も実現している。そしてこの9月には3度目の日本ツアーを行い、フェリックス・メンデルスゾーンの2つの感動的な名作、さらに聴く機会の貴重な姉ファニーの佳品も含めた好プログラムを披露する。 ヴァイオリンは、日本出身でハンブルク国立フィルならびに同国立歌劇場管の首席アソシエイト・コンサートマスターを長年務めた塩貝みつる。チェロはリトアニア出身、NDRエルプフィルでソロチェリストを務めるヴィタウタス・ゾンデキス。ハンブルクを代表する団体のトップを経験してきた彼らを支えるピアノは、ドイツのエバーハルト・ハーゼンフラッツ。国際色豊かな3人がメンデルスゾーン生地の名を背負い、天才姉弟の芸術を伝える。

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