eぶらあぼ 2018.8月号
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418/31(金)14:00 18:30 日経ホール問 日経公演事務局03-5281-8067 http://www.nikkei-hall.com/第475回 日経ミューズサロン小林 桂(ジャズ・ヴォーカル) 音楽生活25周年記念コンサートアニヴァーサリーに聴く珠玉のジャズ・スタンダード文:藤本史昭 はじめて小林桂の歌をきいたのは、彼が20歳の時だった。卓越したテクニック。フレッシュなのに深みを感じさせる表現力。その歌唱は、とてもついこの間まで少年だった人のそれではなく我々をおおいに驚かせたのだが、それもそのはず、彼はその時すでに5年ものキャリアを重ねていたのだった。そんな小林が来る8月、日経ミューズサロンに登場、音楽生活25周年を記念したクインテットでの昼夜2公演のスペシャル・コンサートを開催する。 近年の小林は、ジャズの歴史に残る有名なスタンダード・ナンバーを、自身の個性を盛り込みながらも、曲が本来持つ魅力を損なうことなく表現するという作業を精力的に続けているが(近作の2枚のアルバムもスタンダード集だ)、このコンサートでも同様に、誰もが耳にしたことがある名曲の数々が披露されるはず。年を重ねてさらに深みと広がりを増した、かつての天才少年の豊穣なヴォイスを、たっぷりと味わいたい。8/28(火)14:00 仙台銀行ホール イズミティ21(小)問 SYオフィス090-8874-5446http://kasaburanka-yuriko.vpweb.jp/佐藤卓史 ピアノリサイタルロマン派作品と「月光」ソナタに聴く洗練されたピアニズム文:笹田和人 2007年にシューベルト国際コンクールを制するなど、数々の登竜門で実績を重ね、日本を代表する実力派ピアニストとして活躍を続ける佐藤卓史。ベートーヴェンのソナタ第14番「月光」をはじめ、得意のシューベルトなど佳品を揃えたリサイタルで、その奥深く、洗練されたピアニズムを披露する。 秋田市出身。高校在学中の01年に日本音楽コンクールで第1位に。東京藝大卒業後にドイツやオーストリアで研鑽を積み、10年のエリーザベト王妃国際など、多くの難関コンクールで入賞・優勝。リサイタル活動の一方、N響やベルギー国立管など、国内外の一線楽団にソリストとして客演するなど、国際的に活躍する。 今回のステージは、ベートーヴェン「月光」を軸として、佐藤が今、ピアノ作品の全曲演奏に取り組むシューベルトから、「6つのエコセーズ」と「3つのドイツ舞曲」を。さらに、ブラームス「4つの小品 op.119」に、「バラード第1番」「ワルツ第7番」「子守歌」「スケルツォ第2番」とショパンの傑作を披露。名手の響きを体感したい。9/22(土)15:00 Hakuju Hall問 Hakuju Hallチケットセンター03-5478-8700 http://www.hakujuhall.jp/小山由美 メゾソプラノ リサイタル世界で活躍するメゾが歌う20世紀の傑作歌曲文:室田尚子©堀田力丸 ドイツ・シュトゥットガルト在住、ヨーロッパや日本国内の第一線で活躍するメゾソプラノ小山由美が、Hakuju Hallでリサイタルを開催する。小山は2016年に同ホールの「ワンダフル one アワー」シリーズに登場、「悪女」をテーマにイタリア、フランス、ロシアのオペラにおける悪女キャラクターのアリアを歌い好評を博した。 今回のリサイタルは、彼女が長い間取り組んできたプーランク、ラフマニノフ、ベルク、シェーンベルクなど20世紀の作曲家たちの作品を集めたプログラム。小山由美といえば、ワーグナー、リヒャルト・シュトラウス作品を得意とするが、一方で、二期会と日生劇場によるベルクの《ルル》(日本初演)でのゲシュヴィッツ伯爵令嬢、新国立劇場での同役の好演が記憶に刻み込まれているという人も多いのではないか。指揮者として藤原歌劇団をはじめ国内外で活躍、またコレペティトゥーアとしても定評のある佐藤正浩(ピアノ)との息のあった共演も楽しみだ。

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