eぶらあぼ 2018.8月号
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32©Toshiyuki Kohno第13回 Hakuju ギター・フェスタ2018第一夜 8/31(金)19:00、第二夜 9/1(土)18:30、フィナーレ 9/2(日)15:00旬のギタリストを聴く 徳永真一郎リサイタル 9/1(土)16:00Hakuju Hall問 Hakuju Hallチケットセンター03-5478-8700 http://www.hakujuhall.jp/波多野睦美(メゾソプラノ)ギターと共にイタリアへのあこがれを歌います取材・文:宮本 明Interview ギターの夏祭りが今年もやってくる。荘村清志と福田進一の大御所二人が牽引する「Hakuju ギター・フェスタ」は今年で13回目。文字どおりギター三昧の3日間なのだが、ギタリストやギター・ファンのためだけではなく、広く音楽ファンを楽しませてくれる多彩な構成も魅力だ。今回はメゾソプラノの波多野睦美が第二夜(9/1)に招かれた。 「ギターは楽器ごとの個性がものすごくあって、それがさらに奏者によってまったく違うものに聴こえてくる。個性がくっきり出るのが面白いですね」 デビューが、つのだたかしとのリュートソングだったので、撥弦楽器は身近な存在。しかも実はそのずっと前から、ギターとの共演を潜在的に思い描いていたらしい。 「リュートソングでのデビュー後に郷里の旧友から、『そういえば昔、“横に並んだ楽器”と歌いたいって言ってたよね』って。声楽を始めた高校生の頃の話だと思います。自分では忘れてましたけど(笑)」 “横並び”というのは演奏位置のことだけではなく、対等の感覚で共演できるかどうか。たとえばピアノという楽器を対等に感じられるようになったのは、「最近高橋悠治さんと共演するようになってから」だという。その“対等感”があるのがギターだ。 今回は福田、荘村との共演でフェスティバルのテーマ「イタリア」に沿って、バロックから映画音楽までイタリアの歌の400年を辿る。ロンドンで学んだ波多野。その時期の数年間はイタリアの音楽とまったく縁がなかった。 「古楽との関わりのなかでモンテヴェルディにはまり、最近はヴェルディやプッチーニもよく聴きます」 プログラムは「あこがれの地」としてのイタリアがテーマという。プログラムのなかでは、古楽を本拠とする波多野が歌う『ニュー・シネマ・パラダイス』や『ロミオとジュリエット』が新鮮に映る。7月にはギターの大萩康司と歌った映画音楽集CDも発売されるところだ。「最初に夢中になった歌い手はカレン・カーペンター。次がエラ・フィッツジェラルド」という遍歴はやや意外。 「楽器としての声は、大小どんな会場でも聴こえるようにテクニックを勉強するわけです。でもそれは、いわゆる“マイクのり”とまったく同じテクニックなんです。世の中にはたくさんの種類の優れた歌い手がいるのだから、それを盗まない手はありません。クラシックが上でポップスが下ということは決してないですから」 夏の終わり、時代やジャンルを自在に行き来するしなやかな声とギターの音色に乗って「イタリア」が聴こえてくる!第1回 那須クラシック音楽祭初秋の高原に、地域に根ざした新しい音楽の祭典が誕生!文:林 昌英 豊かな自然、温泉や観光で知られる那須高原にて、今年9月、「第1回 那須クラシック音楽祭」が開催される。総合プロデューサーを務めるのは、同地に居を構え、音楽ホール「弦楽亭」開設などの活動を重ねてきた、ヴァイオリニストの矢野晴子。その積み重ねから同音楽祭への賛同が広がり、クラウドファンディングにより費用も集まって実現に至った。 期間は約1ヵ月間、有料公演が10公演、その他多くの無料公演など充実のラインナップが並ぶ。出演者は、やはり同地を地元とする山形由美(フルート)や矢野をはじめ、戸澤哲夫(ヴァイオリン)、白石光隆(ピアノ)、福川伸陽(ホル9/2(日)~9/30(日) 弦楽亭、那須町文化センター 他問 那須クラシック音楽祭実行委員会0287-76-7268 http://ncmf.site/ン)ほか、第一線の名手が多数参加。9月いっぱいにわたり、高水準にして親密な音楽が那須高原にあふれる。 また、期間中には小・中・高校生を対象とする「第1回 那須ジュニアクラシック音楽コンクール」も開催される。対象楽器は弦楽器と管楽器の大半で、若い音楽家に経験を積んでもらおうという趣旨でもあり、真剣さのなかに温かみのあるコンクールになるだろう。弦楽亭室内オーケストラ矢野晴子

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