eぶらあぼ 2018.8月号
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175 観測史上前例のない「Long Hot Summer」が始まりましたが、この夏「新世界クラシック」はいかがでしょう? 聞き慣れないコトバかもしれませんが「新世界ワイン」(ヨーロッパ以外の、例えばアメリカ、チリ、南アフリカ、オセアニアなどで生産されたワインの総称)の音楽版だと思ってください。ヨーロッパで生まれた音楽が、楽譜という伝達手段とともに、15〜17世紀の大航海時代、各国に伝えられ、その土地の伝統的な音と融合、魅力的なクラシック音楽が芽生え、発展してきましたが、これをOTTAVAでは「新世界クラシック」と呼ばせていただいています。 アメリカのコープランド、ガーシュウィン、今年生誕100年のバーンスタイン、ブラジルのヴィラ=ロボス、アルゼンチンのピアソラなどはお馴染みと思いますが、例えばメキシコ、パラグアイ、キューバ、オーストラリアやニュージーランドにも名曲が目白押しです。こういった音楽をクラシックと考えるか否か? については、常に議論というか偏見があったように思います。 誰もがご存知の老舗の某レコードレーベルが「ガーシュウィンはクラシックではなくジャズ、バーン『OTTAVA Bravo Brass 〜ブラバンピープル集まれ! オザワ部長の Let’s吹奏楽部〜』毎週土曜22:00〜24:00/再放送 毎週日曜17:00〜19:00スタインは指揮者としては認めるが作曲家としては認めない」という方針で、実に1970年代まで彼らの作品の録音をしなかったことは有名ですし、90年代にあるヨーロッパの「有名」ピアニストが、アンコールでピアソラを弾いた途端、ブーイングが起こった、なんていう逸話もあります。 新しいものがすでにあったものと共存するには時間が必要なのでしょうが、聴かずに人生を送るのはMottainai! この夏はボサノヴァをクラシックとして聴いてみませんか? 8月3日から5日に天王洲キャナルサイドで開催される「夏フェス2018」にはOTTAVAも参加します。ボサノヴァやサンバにオリジナリティを融合した日本のアーティスト達に、今まで2,000枚以上のアルバムに参加したブラジルの“至宝”ギター奏者もお招きして、運河に浮かぶ船「T-Lotus M」船上ステージや、ライヴハウス「KIWA TENNOZ」でコンサートを開催します。ブラジルの“楽聖”アントニオ・カルロス・ジョビンが世を去って24年。そろそろクラシックと呼びたいのですが…天王洲であなたの意見を聞かせてください!文:斎藤 茂(OTTAVAゼネラルマネージャー)&オザワ部長新世界クラシックへのお誘いVol.6◎OTTAVAとは2007年に開局した24時間無料でクラシック音楽が楽しめる国内唯一のインターネット・ラジオ局。リスナーは全世界で100万人以上。パソコンやスマートフォン、タブレットで、いつでもどこでもクラシック音楽が聴ける。OTTAVA検索コンテンポラリー・クラシック・ステーションへようこそ!オッターヴァ無料でインターネットで聴ける!連載 吹奏楽の魅力は、やはり管楽器を主体にしたそのサウンドにあります。繊細さやふくよかさはヴァイオリンなどの弦楽器を主体とした管弦楽に分があるかもしれませんが、吹奏楽はキレの良さと迫力が特長です。管楽器は、生きていることの基本である「息」を使って演奏することから、奏者の感情や生命力が音に乗りやすく、それが聴く者にも伝わってきます。吹奏楽のコンサートでは、スクールバンドでもプロの吹奏楽団でも、奏者や観客が感動して涙することがよくあります。それは、音楽的な素晴らしさはもちろん、前述した「感情や生命力が乗りやすい」という吹奏楽の特性ゆえでしょう。吹奏楽には、クラシック・ファンの皆さんにも楽しんでいただける上質な交響曲や協奏曲などもあります。ぜひ一度耳を傾けてみてください。【今月のオススメ曲】ジョン・マッキー:吹奏楽のための交響曲「ワインダーク・シー」クラシック・ファンに贈る吹奏楽の“魔力”Vol.2オザワ部長の“コラム in コラム”

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