eぶらあぼ 2018.8月号
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16810月の見もの・聴きもの2018年10月の曽そし雌裕ひろかず一 編〔Ⅰ〕オーストリアウィーン国立歌劇場10月1(19:30)、4(19:30)日 ロッシーニ:セビリアの理髪師 指/J.C.スピノージ、演出/G.レンネルト、出/夏侯金旭、W.バンクル、D.ファリー、A.エレート10月2(19:30)、6(19:30)日 ドニゼッティ:ドン・パスクワーレ 指/E.ピド、演出/I.ブルック、出/A.マエストリ、R.バルベラ10月5(19:00)、7(19:00)、10(19:00)、13(19:00)日 チャイコフスキー:エフゲニー・オネーギン 指/L.ラングレ、演出/F.リヒター、出/O.ベズスメルトナ、E.マキシモヴァ10月11(20:00)日 A.キルヒシュラーガーMsシューベルト:冬の旅 共/J.ドレイクp10月12(19:00)、15(19:00)、18(19:00)日モーツァルト:フィガロの結婚 指/S.ゲッツェル、演出/J.L.マルティノーティ、出/E.シュロット、G.シュルツ、S.ストヤノヴァ★◎10月14(16:30)、17(17:30)、21(16:30)、26(16:30)日 ベルリオーズ:トロイアの人々[プレミエ] 指/A.アルティノグリュ、演出/D.マクヴィカー、出/B.ジョヴァノヴィチ、A.プラチェトカ、J.ディドナート◎10月16(19:00)、19(19:00)、22(19:00)、25(19:00)日 R.シュトラウス:エレクトラ 指/M.ボーダー、演出/U.E.ラウフェンベルク、出/W.マイヤー/I.フェアミリオン(22/25日)、H.リッペルト、R.パーペ◎10月23(18:00)、28(17:30)日 ワーグナー:ローエングリン 指/S.ヤング、演出/A.ホモキ、出/A.シャーガー、P.ラング10月24(19:00)、27(19:00)、30(19:00)日ヴェルディ:仮面舞踏会 指/G.M.ビサンティ、演出/G.デ・ボシオ、出/R.ヴァルガス、R.フロンタリ、E.パンクラトヴァ10月31(19:30)日 ドニゼッティ:愛の妙薬指/S.スカップッチ、演出/O.シェンク、出/A.ガリフッリーナ、B.ベルンハイムウィーン・フォルクスオーパー10月2(19:00)、4(19:00)、9(19:00)、15(19:00)日 カールマン:チャールダーシュの女王[18年9月プレミエ] 演出/P.ルント10月3(19:00)、16(19:00)、28(19:00)日J.スタイン:ジプシー(ミュージカル) 演出/W.ソボトカ10月5(19:00)、11(19:00)、25(19:00)日J.シュトラウスⅡ:こうもり 校訂演出/H.ツェドニク10月6(18:30)、8(10:30)、14(18:30)、19(19:00)日 モーツァルト:魔笛 演出/H.ローナー★10月13(19:00)、17(19:00)、21(16:30)、24(19:00)、30(19:00)日 ロルツィング:ロシア皇帝と船大工[プレミエ]指/C.プリック、演出/H.ホルストコッテ10月18(19:00)、22(19:00)、26(18:30)日C.コロノヴィツ:ヴィヴァルディ-第5の季節 演出/R.マイヤー10月20(19:00)、23(19:00)、29(19:00)日ミレッカー:ガスパローネ 演出/O.タンボシ10月27(19:00)、31(19:30)日 プッチーニ:外套/ジャンニ・スキッキ 指/L.C.アイヒナー、演出/R.マイヤーアン・デア・ウィーン劇場★◎10月13(19:00)、16(19:00)、18(19:00)、21(19:00)、23(19:00)、27(19:00)日ロッシーニ:ギョーム・テル(ウィリアム・テル)[プレミエ] 指/D.マテウス、演出/T.フィッシャー、出/M.C.シャピュイ、A.イェルクニツァ、演奏/ウィーン響◎10月22(19:00)日 ヘンデル:セルセ(演奏会形式) 指/M.エメリャニチェフ、出/F.ファジョーリ 演奏/イル・ポモ・ドーロウィーン・フィル[会場:無印=ムジークフェライン(ウィーン)、(KH)=コンツェルトハウス(ウィーン)、(P)=シャンゼリゼ劇場(パリ)、(B)=コンツェルトハウス(ベルリン)]10月1(19:30)、2(19:30)日 H.ブロムシュテット指揮 ベルワルド:交響曲第3番「風変わりな交響曲」、ドヴォルザーク:交響曲第7番10月5(14:45)日 V.ゲルギエフ指揮 テレサ・フォーグルと演奏家たちとの対談、プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第2番 独/D.マツーエフp、出/T.フォーグル10月6(15:30)、7(11:00)、9(20:00)(P)日V.ゲルギエフ指揮 プロコフィエフ:ロメオとジュリエット(抜粋)、ピアノ協奏曲第2番、交響曲第6番 独/D.マツーエフp10月28(11:00)(KH)、29(20:00)(B)日R.ホーネック指揮 J.ケージ:ピアノのための音楽第68番、J.M.シュタウト:Scattered Light(アンバランスなオーケストラのための/世界初演)、シェーンベルク:浄められた夜(弦楽合奏版)ウィーン響[会場:(MV)=ムジークフェライン(ウィーン)、(KH)=コンツェルトハウス(ウィーン)、(TAW)=アン・デア・ウィーン劇場(ウィーン)](主要公演のみ)10月3(19:30)(MV)、4(19:30)(MV)、5(19:30)(MV)日 S.ドゥネーヴ指揮 イベール:寄港地、G.コネソン:ヴァイオリン協奏曲、ベルリオーズ:ローマの謝肉祭(序曲)、レスピーギ:ローマの松 独/R.カプソンvn★◎10月13(19:00)(TAW)、16(19:00)(TAW)、18(19:00)(TAW)、21(19:00)(TAW)、23(19:00)(TAW)、27(19:00)【本文中の記号】★=プレミエ[新演出]公演、◎=注目公演 10月は、ナポリ・サンカルロ歌劇場で、ネッロ・サンティ指揮のヴェルディ「ナブッコ」が予定されている。今や、イタリア・オペラ界の人間国宝と言っても過言ではない立場にある名匠ながら、高齢ゆえのキャンセルが最近続いている(本年5月のミラノ・スカラ座「アイーダ」公演も降板)。今回も心配ではあるが、サンティが無事に登壇してくれれば、必聴の名演奏となること間違いない。 さて、10月のオペラ・プレミエ公演。ウィーン国立歌劇場のアルティノグリュ指揮によるベルリオーズ「トロイアの人々」は、この劇場の今シーズン最初のプレミエ公演で、演奏も演出も期待できないわけではないが、来年1月に予定されるパリ・オペラ座の同曲の公演予定に比べると、歌手陣が若干おとなしい気もする。同じような感想を抱かせるのはベルリン・ドイツ・オペラのベルク「ヴォツェック」。同劇場で「ヴォツェック」の新制作となれば大きな話題となりそうなものだが、これまたキャスティングに今ひとつインパクトを求めにくい。ジュネーヴ大劇場でクリスティと手兵レザール・フロリサンが演奏するペープシュ「乞食オペラ」なども、名演奏となろうことは保証済みとは言うものの、ラモーやヘンデルの新制作をクリスティには期待する向きもあるかもしれない。…とはいうものの、これは贅沢な話で、いずれも要注目公演であることは疑いない。 興味深さの面では、アン・デア・ウィーン劇場のロッシーニ「ギョーム・テル」。ベルリン州立歌劇場でバレンボイムの指揮するケルビーニの「メデア」、シューマンの「ゲーテの『ファウスト』からの情景」を演出付で上演するハンブルク州立歌劇場の公演(ケント・ナガノ指揮)。アンゲラ・デノケがヘロディアスを歌うケルン歌劇場の「サロメ」、同じくデノケがシェーンベルクのモノドラマ「期待」に出演するエッセン歌劇場の公演、テアトロ・レアルでカウンターテナーのフィリップ・ジャルスキーが出演するサーリアホの現代オペラ、注目指揮者ラファエル・ピションが振り、クレバッサが歌うグルック「オルフェとウリディース」(オペラ・コミーク)、ハンナ・シュヴァルツ、エヴェリン・ヘルリツィウス、アンネッテ・ダッシュと3人歌手を揃えたオランダ国立オペラのヤナーチェク「イェヌーファ」、そして、ミンコフスキがボルドー国立歌劇場に登場して振るオッフェンバックの「ラ・ペリコール」、と何だかんだ言っても挙げればキリがない。演奏会形式であろうが、話題のクルレンツィスとムジカエテルナによる「椿姫」と「アイーダ」という公演もある(ケルンのフィルハーモニー)。なお、このコンビは、ウィーンのコンツェルトハウスで、フランスとロシアの囚人の詩による合唱オペラという注目すべき演奏会も行う。また、あまり目立たないが、ドビュッシーの未完のオペラ「アッシャー家の崩壊」にA.ファン・パリスが加筆して完成作品とした「アッシャー」の世界初演も、珍品オペラ・ファンには絶対見逃せないものだろう(ベルリン州立歌劇場ノイエ・ヴェルクシュタット)。 オーケストラでは、ムーティ=ウィーン・ホーフムジークカペレ(実質的にウィーン・フィルのアンサンブル)、ケント・ナガノ=ベルリン・ドイツ響のマーラー9番、来日公演の演目でもあるティーレマン=シュターツカペレ・ドレスデンのシューマン交響曲4曲、ペトレンコ指揮、コパチンスカヤ独奏のシェーンベルクのヴァイオリン協奏曲、大野和士=バルセロナ響、ヘンゲルブロック=パリ管の各定期公演、ヤンソンスが久し振りにコンセルトヘボウ管に登場して演奏するブリテンの「戦争レクイエム」等々。他に言及できなかった注目公演は例によって本文の◎印をご参照のほど。(曽雌裕一・そしひろかず)(コメントできなかった注目公演も多いので本文の◎印をご参照下さい)
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