eぶらあぼ 2018.6月号
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82©竹原伸治ベルリン交響楽団6/22(金)19:00 サントリーホール問 チケットスペース03-3234-9999 http://www.ints.co.jp/※ベルリン交響楽団の全国ツアー日程については上記ウェブサイトでご確認ください。辻本 玲(チェロ)満を持してシューマンのチェロ協奏曲に取り組む取材・文:片桐卓也Interview 名曲なのに、あまり演奏機会に恵まれない作品がある。シューマンの「チェロ協奏曲」もそのひとつかもしれない。そのシューマンの協奏曲に取り組むのが、俊英・辻本玲とリオール・シャンバダール指揮のベルリン交響楽団である。現在、ソロ活動の他に、日本フィルのソロ・チェロ奏者としても活躍する辻本にとって、この作品をオーケストラと共演するのは初めてとなる。また、名門ベルリン交響楽団とも初共演だ。 「チェロ協奏曲の代表作と言えば、やはりドヴォルザークなのでしょうが、ドヴォルザークが勢いで演奏を進められるのとは違い、シューマンの方はものすごく繊細です。チェロだけが目立つのではなく、オーケストラとの一体感があり、全員で一緒に演奏する作品という印象です。ですからこの曲を作り上げるのが楽しみですね」 シューマンのチェロ協奏曲は1850年の作。彼がライプツィヒからデュッセルドルフへ移った時代、交響曲第3番などと同時期の傑作である。シューマンの生前には初演されなかった。 「現実ではない雰囲気、シューマンの頭の中で思い描かれている幻想が登場しているような感覚の作品ですね。第1楽章は特に旋律に跳躍が多くて、頭の中で起こっていることを表現したような部分があります。シューマンの精神的な移り変わりもその中に感じられます。突然、怒ったり、また静かになったりを繰り返すような部分もありますし、その行き来が激しい作品。そういう点で、オーケストラと合わせることが難しいのかなぁとも思います」 この曲の特徴は、彼のピアノ協奏曲の後半2楽章のように楽章間に明確な切れ目がなく、続けて演奏されること。 「第2楽章(ラングザーム=ゆっくりと)は素晴らしい歌です。とても短いのですが、どのコンチェルトと較べても、最も美しい緩徐楽章の一つだと思います。楽章全体として、チェロのソロに対してオケのチェロパートが伴奏する、デュオ的な音楽になっているのですが、そのアイディアも面白い。そして第3楽章はチェリストにとっては技術的に難しい部分が登場します。なかなか一筋縄ではいかない作品ですが、そこが逆に魅力的だとも言えますね」 さて、サントリーホールでのベルリン交響楽団の演奏会(6/22)は、ドヴォルザークの序曲「謝肉祭」に始まり、ベートーヴェンの交響曲第7番と第5番が演奏される。ベートーヴェンの力強い2曲に挟まれて、シューマンの室内楽的とも言えるチェロ協奏曲が、どんな風に響くのか? 辻本とオーケストラの共演が楽しみである。キンボー・イシイ(指揮) 東京佼成ウインドオーケストラエキサイティングで多彩な味のアメリカン文:柴田克彦 東京佼成ウインドオーケストラ(TKWO)の2016年6月定期における演奏会形式の歌劇《トゥーランドット》は、吹奏楽史上画期的な成功を収めた。その立役者が世界的指揮者キンボー・イシイ。欧米を中心に活躍し、現在ドイツ・マクデブルク劇場の音楽総監督を務める彼が、来る6月の同楽団定期に再び登場する。 今回は、1986年に渡米した彼の地元ともいえるアメリカの作品集。まず、雅楽や「さくら さくら」の旋律とモダンな響きを融合させたグランサムの「舞楽」(2005年TKWO委嘱作品)で、満場の耳を惹きつける。次いでTKWO第139回 定期演奏会6/23(土)14:00 東京オペラシティ コンサートホール問 東京佼成ウインドオーケストラ チケットサービス0120-692-556 http://www.tkwo.jp/丸田悠太 ©土居政則副コンサートマスターの丸田悠太がソロを吹く、リーバーマンのピッコロ協奏曲。これは約25分もの大作で、第1、2楽章では玲瓏な美、第3楽章(思わぬ旋律も出現)では軽妙な快奏を満喫させる。そしてバーンスタインのミュージカル「オン・ザ・タウン」「ウェストサイドストーリー」の音楽で、ダイナミックな躍動感を聴かせる。キンボーの劇的な表現と世界トップ級のサウンドで、胸弾む午後のひとときを!キンボー・イシイ
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