eぶらあぼ 2018.6月号
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68日本モーツァルト協会 第600回記念例会新たな姿を現すモーツァルト渾身の大ミサ曲文:寺西 肇6/21(木)18:45 紀尾井ホール問 日本モーツァルト協会03-5467-0626 http://www.mozart.or.jp/ 天才作曲家の音楽に親しんでいこうと、60年以上にわたって、演奏会や講演会を通じて、その魅力を発信し続けてきた日本モーツァルト協会。例会が600回の節目を迎えるのを記念し、未完の傑作として知られる「ミサ曲 ハ短調 K.427」を、近年の研究成果を反映した、最新の校訂と補筆に基づく“完結版”で上演する。 1782年、新妻を伴ってザルツブルクへの帰郷を決めた26歳のモーツァルトは、同地での演奏を前提に新たなミサ曲の作曲を開始。しかし結局、2つの楽章を完成しただけで全曲は間に合わず、翌年秋に未完のまま試演され、その後初演された。しかし、完成部分は、素晴らしい精神性を湛え、大規模なオーケストレーションもあって、「大ミサ」の通称で愛されている。 一方で、完結させようとの試みも後世になって重ねられ、ロビンズ・ランドン版(1956年)をはじめ、数多くの版が存在。そんな中、今回はモーツァルトやバッハの研究で知られるウーヴェ・ヴォルフと、合唱音楽の権威で指揮者のフリーダー・ベルニウスが共同で手掛けた、最新校訂版(2016年、独カールス社刊)に基づいて演奏する。 この大作に挑むのは、古典クラリネットの名手・坂本徹が音楽監督と指揮を務める、モーツァルト・アカデミー・トウキョウ(管弦楽&ソリスト&合唱)とアマデウスシンガーズ(合唱)。今回は、ザルツブルクを去る前年の1780年に書かれ、祝祭的な雰囲気に溢れた「ミサ曲 ハ長調 K.337」も併せて取り上げる。オリジナル楽器と古典唱法の清澄な響き、北條加奈(ソプラノ)ら実力派ソリスト陣の快演により、傑作が新たな生命を得る。やまと極上の響シリーズ アラン・ギルバート(指揮) 東京都交響楽団豪華なアメリカン・サウンドに身を浸す文:柴田克彦7/22(日)14:00 やまと芸術文化ホール(大和市文化創造拠点シリウス内)問 やまと芸術文化ホール チケットデスク046-263-3806http://www.yamato-bunka.jp/hall/ 2016年11月、神奈川県のほぼ中央に位置する大和市の「文化創造拠点シリウス」内にオープンした「やまと芸術文化ホール」。今年7月、このホールでアラン・ギルバート指揮東京都交響楽団の公演が開催される。会場は1007席。迫真的なオーケストラ・サウンドを体感する絶好の機会だ。 ギルバートは、17年まで8シーズンにわたってニューヨーク・フィルの音楽監督を務めた、アメリカを代表する指揮者の一人。ベルリン・フィル、コンセルトヘボウ管、メトロポリタン歌劇場への客演等々、世界の第一線で活躍し、19年9月からNDRエルプフィル(旧北ドイツ放送響)の首席指揮者に就任する。彼は都響への客演でも大スケールの名演を展開。抜群の相性を示し、今年から首席客演指揮者に就任した。その就任記念公演に続いて行われるのが本公演。つまり新パートナーシップの輝かしいスタートを、都内以外では最も早く体験することができる。 演目は、バーンスタイン生誕100年を記念した「ウエスト・サイド・ストーリー」の「シンフォニック・ダンス」、ガーシュウィン生誕120年を記念した「パリのアメリカ人」に、ドヴォルザークの新天地アメリカ便り「新世界より」を加えた、極め付けの“ザ・アメリカ”名曲集。今回は、これらニューヨークゆかりのダイナミックかつメロディアスな音楽を、その地に生まれたギルバートの生気と躍動感溢れる指揮、日本屈指の機能性を誇る都響の立体的な演奏で味わえる。会場は小田急江ノ島線と相鉄本線の大和駅から徒歩3分の立地ゆえに、地元の方はもちろん、都内近郊のファンにもお薦めだ。アラン・ギルバート ©Rikimaru Hottaモーツァルト・アカデミー・トウキョウ坂本 徹

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