eぶらあぼ 2018.6月号
55/199
52神奈川県民ホール リニューアル記念 オープンシアター2018みんなでたのしむオペラ《ヘンゼルとグレーテル》家族そろってオペラに行こう!文:室田尚子6/3(日)11:00 14:00 神奈川県民ホール問 チケットかながわ0570-015-415 http://www.kanagawa-kenminhall.com/ 改修工事のため休館していた神奈川県民ホールが、6月にいよいよリニューアル・オープンする。それを記念して様々な文化イベントが開催される「オープンシアター2018」。中でも特に注目されるのが、“みんなでたのしむオペラ《ヘンゼルとグレーテル》”だ。 グリム童話『ヘンゼルとグレーテル』をもとにドイツの作曲家フンパーディンクが書いたこのオペラは、ヨーロッパではクリスマスに上演される定番オペラとして親しまれている作品。この《ヘンゼルとグレーテル》を75分(休憩なし)に凝縮・再構成してお届けするのが本公演だ。最近では改修前の県民ホールでの《金閣寺》演出が記憶に新しい演出家・田尾下哲と、自身も様々なコンサートの企画を手がけるバリトン歌手・宮本益光がタッグを組み、子どもと大人が一緒に楽しめる“親子の愛を見つめなおす物語”が生み出される。物語は、どこにでもあるようなあたたかい家庭の1シーンから始まる。やんちゃな子どもたちに手を焼いたパパとママが、ある日大胆なしつけを考えて…。ここからグリム童話の世界がどう広がっていくのか、想像しただけでもワクワクしてくる。 宮本は日本語訳詞・台本を手がけるほか、パパ役で出演。そしてママとお菓子の魔女の二役でソプラニスタ・岡本知高が登場する。青木エマ(ヘンゼル)と鵜木絵里(グレーテル)の2人のソリストとともに、若手の注目指揮者・沖澤のどかと神奈川フィルハーモニー管弦楽団が心踊る音楽の世界を繰り広げる。左より:青木エマ/鵜木絵里 ©深谷義宣 aura.Y2/岡本知高/宮本益光鈴木秀美(指揮/チェロ) 東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団「疾風怒濤」期のハイドンと初期ロマン派の傑作を文:山田治生第316回 定期演奏会6/8(金)19:00 東京オペラシティ コンサートホール問 東京シティ・フィル チケットサービス03-5624-4002 http://www.cityphil.jp/ バロック・チェロの名手として知られる鈴木秀美は、近年、指揮活動にも積極的に取り組んでいる。自ら、オーケストラ・リベラ・クラシカを主宰して、音楽監督を務めるほか、2013年から山形交響楽団の首席客演指揮者のポストにある。これまでに、日本フィル、読響、神奈川フィル、京響、名古屋フィルなどのオーケストラに客演し、昨年は新日本フィルの定期演奏会でハイドンの「天地創造」を指揮した。 2年ぶりの登場となる6月の東京シティ・フィルの定期演奏会では、ハイドンの交響曲第26番「ラメンタツィオーネ」、シューマンのチェロ協奏曲(弾き振り)、シューベルトの劇音楽「魔法の竪琴」序曲、交響曲第7番「未完成」を指揮する(ちなみに前回・第294回の定期演奏会はハイドンの交響曲第103番「太鼓連打」とシューベルトの交響曲第8番「ザ・グレイト」)。ハイドンは、古典派音楽に造詣の深い鈴木の十八番のレパートリーである。今回演奏される、ハイドンとしては珍しい短調の交響曲は、「シュトゥルム・ウント・ドラング(疾風怒濤)」期の作品と推測されている。鈴木は、初期ロマン派の作品も得意としてきた。シューマンのチェロ協奏曲ではガット弦の魅力が堪能できるであろう。シューベルトの劇音楽「魔法の竪琴」序曲は、のちに「ロザムンデ」の序曲に転用された。「未完成交響曲」では、これまで耳にすることができなかったような新鮮な演奏が聴けるに違いない。鈴木秀美 ©K.Miura
元のページ
../index.html#55