eぶらあぼ 2018.6月号
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209コンサートギャラリーチケット発売情報News & TopicsNew Release Selection新譜情報TV&FMBooks海外公演情報ぶらPAL今月の注目公演公演情報世界的なバロック・チェロの名手で、近年は指揮者としての活動にも多忙な鈴木秀美。その基盤を成すのは、やはり手兵リベラ・クラシカとの定期演奏会だ。今回、オリジナル楽器の清新なサウンドで新たな生命を授けられるのは、ハイドンの第102番とベートーヴェンの第8番という「後期作品の“谷間扱い”の多い2曲」(鈴木)に加えて、ハイドン最初期の第3番という3つの交響曲。「有名度と作品の質は大抵無関係」と名匠は断じる。古典作品もプログレも鮮烈に弾き尽くし、弦楽四重奏の世界に旋風を巻き起こして四半世紀、熱き男たちが新たなターゲットにロックオンしたのが、アメリカ。まず、チャールズ・ウォリネンが、仏ルネサンスの佳品を換骨奪胎した「ジョスカニアーナ」を。そして、調性と無調が不思議に融け合う、ジョージ・ロックバーグの弦楽四重奏曲第3番と2つの現代作品に、ベートーヴェンの同第3番を挟み込み、音の時間旅行へ誘う。結成から32年、柔軟な音楽性と鉄壁のアンサンブルで、室内楽の奥深さを“伝道”し続ける名人集団「古典四重奏団」。その活動の柱を成す4つの定期のうち、5年をかけてのショスタコーヴィチの全曲演奏は遂に最終章へ。ヴィオラの独白から始まる前衛的な哀歌、第13番に、明晰ながら深遠で古典的な雰囲気を湛えた第14番、そして作曲家が集大成として創り上げた壮大なアダージョ、第15番を弾く。鈴木秀美(指揮) オーケストラ・リベラ・クラシカ 第41回定期《オペラティック ヒロインズ》 鈴木慶江(ソプラノ)with 東京ニューシティ管弦楽団中部フィルハーモニー交響楽団 第62回定期秋山和慶のブラームス・ツィクルスⅢモルゴーア・クァルテット第46回定期ショスタコーヴィチの自画像Ⅴ古典四重奏団Dialogue #6 Machia Saito Violin style齋藤真知亜(ヴァイオリン)6/23(土)15:00 三鷹市芸術文化センター6/17(日)15:00 よこすか芸術劇場6/16(土)15:00 三井住友海上しらかわホール6/27(水)19:00 浜離宮朝日ホール6/21(木)19:00 近江楽堂(東京オペラシティ3F)6/17(日)15:00 19:00 Hakuju Hall©K.Miura ©F.Fujimotoまだ誰も知らない、歌姫の人生の物語が幕を開く。ミラノと日本を拠点に、国内外の檜舞台で名唱を披露しているソプラノ、鈴木慶江。これは、そんな鈴木を主役に、ヴェルディ《椿姫》をはじめ、プッチーニ、ビゼー、ドヴォルザークなど傑作から選りすぐった名アリアを散りばめて紡がれたオリジナルオペラだ。田尾下哲による演出で、女優の辻良美が共演。時任康文指揮の東京ニューシティ管弦楽団がバックアップする。鈴木慶江2000年に組織された若き集団ながら、常に覇気あふれる演奏ぶりで、我が国の楽壇全体に爽やかな風を吹かせている中部フィルハーモニー交響楽団。その成長を見守ってきた芸術監督・首席指揮者の秋山和慶と共に取り組む「ブラームス・ツィクルス」は3回目に。国際的に注目度を高めている愛知県出身の俊英・北村朋幹をソリストに迎えての大作・ピアノ協奏曲第2番、感傷に満ちた交響曲第3番を披露する。秋山和慶北村朋幹 ©TAKUMI JUNN響第1ヴァイオリン・フォアシュピーラーを務める名手・齋藤真知亜が、作曲家としても知られる多才なピアニスト鷹羽弘晃と2013年より始めた、“音によるダイアログ(対話)”。第6弾は、モーツァルトが軸に。7歳の時の第1番(K.6)、この時期の神童と知己を得たピエトロ・ナルディーニのニ長調、20代半ばで書いた第33番(K.377)と3つのソナタに、メシアン「時の終わりのための四重奏曲」から終曲「イエスの不滅性への讃歌」を共鳴させる。
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