eぶらあぼ 2018.6月号
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192 今日は吹奏楽についてご紹介させてください。OTTAVAには『OTTAVA Bravo Brass 〜ブラバンピープル集まれ! オザワ部長の Let's吹奏楽部〜』という2時間の吹奏楽専門番組があります。この番組で紹介される楽曲、特に日本人作曲家の手になる新曲、オリジナル曲のクオリティの高さには毎度驚かされています。 以前、とある現代作曲家の方にうかがったことがあるのですが、いわゆる委嘱作品、オーケストラをはじめとする楽団・演奏団体のコンサートのために作曲した新作は、ほとんどが「一回きり」の演奏。再演されたり、収録され発売されることなどほとんど期待できない、とのことでした。これでは新作が馴染みになり、名曲として生き残ることは不可能です。ところが吹奏楽シーンはそうではないのです! 世界屈指の“吹奏楽大国”であるここ日本では、1万を超える吹奏楽団体の部員・愛好家が、厳しい練習に泣き、笑い、青春を謳歌しながら、毎年新しく生まれる吹奏楽のためのオリジナル曲にチャレンジし、競い合う…。その中から“お馴染みの名曲”が生まれ続けています。21世紀、日本の吹奏楽界は音楽創造においての“新天地”なのかもしれません。 せっかくなのでここからは、今吹奏楽界で一番多忙(!?)なライターで『Bravo Brass…』のプレゼンター「オザワ部長」に引き継ぎます。 『ぶらあぼ』をお読みの皆さん、はじめまして。吹奏楽作家のオザワ部長です。日本では全国の中学校や高校に吹奏楽部があるため、吹奏楽は身近な音楽だと思います。その一方「クラシックは聴くけど、吹奏楽はあまり聴かない」という方も多いのではないでしょうか? 実は日本の吹奏楽は中学・高校・大学・一般といったアマチュアの楽団から、東京佼成ウインドオーケストラやシエナ・ウインド・オーケストラなどプロの楽団まで、非常にハイレベルです。斎藤 茂 Profile北海道札幌市出身。音楽番組のプロデューサーとして東京のFM放送局勤務後、独立。現在は番組、音楽、コンサートなどの制作に携わる。2007年開局と同時にOTTAVAのミュージック・ディレクター、2014年ゼネラルマネージャーに就任。 最も熱いイベントは『全日本吹奏楽コンクール』で、特に高校の部では各地の大会をくぐり抜けてきた強豪校が涙の出るような感動的な演奏を披露します。これらの強豪校はコンクール以外にも多くの演奏会を開催しており、時には海外で演奏することもあります。たとえば愛知工業大学名電高校吹奏楽部は今年3月にウィーン楽友協会(ムジークフェラインザール)で、大阪桐蔭高校吹奏楽部は2014年にカーネギーホールで演奏しています。 スクールバンドはたくさんのオーケストラ奏者も輩出しています。N響の菊本和昭さん(トランペット)は京都の洛南高校、読響の日橋辰朗さん(ホルン)は東海大学菅生高校、同じく読響の篠崎卓美さん(トロンボーン)は勿来工業高校…というように、多くのプレイヤーが吹奏楽部での活動を通じてその演奏技術を高めてきました。 吹奏楽のコンサートは、スクールバンドを中心に、全国で頻繁に行われています。「ちょっと聴いてみようかな」という方は、高校や大学の演奏会(チケットも安い)、「トップレベルの演奏に触れてみたい」という方はプロ吹奏楽団のコンサートがオススメです。そしてもちろん、オザワ部長の『OTTAVA Bravo Brass 〜』(毎週土曜22:00〜24:00/再放送 毎週日曜17:00〜19:00)を聴いていただければ、今の吹奏楽のエッセンスをお楽しみいただけます。 吹奏楽の世界を知ることで、皆さんの音楽ライフがより豊かになることを願っています!文:斎藤 茂(OTTAVA)&オザワ部長吹奏楽は21世紀のNew Frontier? 〜オザワ部長初登場!Vol.4◎OTTAVAとは2007年に開局した24時間無料でクラシック音楽が楽しめる国内唯一のインターネット・ラジオ局。リスナーは全世界で100万人以上。パソコンやスマートフォン、タブレットで、いつでもどこでもクラシック音楽が聴ける。OTTAVA検索コンテンポラリー・クラシック・ステーションへようこそ!オッターヴァ無料でインターネットで聴ける!連載

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