eぶらあぼ 2018.6月号
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176ストラ・ダ・コスタ・アトランティカの楽団員や指揮者ルイス・ミゲル・クレメンテらの投票によって行われた。 木許は、1987年生まれ。東京大学大学院修士課程修了。フィリピンなど東南アジアを中心に音楽活動を展開するとともに、ボローニャ歌劇場などで研鑽を積んだ。演奏活動と並行して、ヴィラ=ロボスに関する論考執筆や翻訳にも取り組んでいる。現在、宝塚ベガ・ジュニアアンサンブル常任指揮者。■第7回 野島 稔・よこすかピアノコン クール結果発表 4月29日から5月5日にかけて、よこすか芸術劇場で行われた「第7回 野島 稔・よこすかピアノコンクール」の結果が次の通り発表された。第1位:安並貴史(26歳)第2位:伊舟城歩生(いばらき・あゆむ)(20歳)第3位:山崎佑麻(18歳) 第1位の安並は静岡県静岡市出身。現在、東京音楽大学大学院博士後期課程1年に在籍。賞状と優勝賞金100万円が贈られたほか、副賞として、横須賀芸術文化財団が主催する、よこすか芸術劇場(大劇場)での優勝者記念リサイタルに出演する機会が与えられた。伊舟城と山崎はそれぞれ賞状と60万円、賞状と30万円が贈られ、ヨコスカ・ベイサイド・ポケット(小劇場)での「フレッシュ・アーティスツ from ヨコスカ リサイタル・シリーズ」(同財団主催)に出演できる。 同コンクールは若く才能あるピアニストの発掘と育成、音楽の普及と振興を目的として2006年より隔年で開催されており、野島稔が審査委員長を務める。審査委員のほぼ全員が現役ピアニストであること、課題曲としてベートーヴェンのピアノ・ソナタ1曲の全楽章の演奏や本選でのプログラミングの重視、また全日程を無料で一般公開するのが大きな特徴。野島は「若いアーティストの能力の向上に驚かされた。本選は、各々個性があり、それが正直に表現されていて、聴いていて面白かったし、嬉しかった」とコメントした。第7回 野島 稔・よこすかピアノコンクールhttp://www.yokosuka-arts.or.jp/education/nojima-piano/■平成30年春の叙勲・褒章が発表 4月29日、平成30年度の春の叙勲・褒章が発表され、外国人叙勲としてNHK交響楽団桂冠名誉指揮者のヘルベルト・ブロムシュテットが旭日中綬章を受章した。我が国の音楽文化の向上及び発展に寄与したことが評価された。ブロムシュテットは、1973年ドレスデン国立歌劇場管弦楽団の客演指揮者として初来日。N響との初共演は81年11月。86年から名誉指揮者、2016年からは桂冠名誉指揮者を務めている。 また、ジャズ・ミュージシャンとしてだけでなく、近年はクラシック音楽の分野でも国内外の主要オーケストラと共演するなど積極的に活動を続けるピアニスト、小曽根真が紫綬褒章を受章した。今年3月にはニューヨーク・フィルハーモニックとの共演盤『ビヨンド・ボーダーズ』をリリースし話題となった。また、6月8日公開の河瀨直美監督の最新映画『Vision』の音楽を手がけるなど、そのマルチな才能と八面六臂の活躍が評価された。内閣府http://www.cao.go.jp/■訃報:白石敬子氏 ソプラノの白石敬子(ひろこ)氏が3月20日、大腸がんのため死去した。73歳。武蔵野音楽大学卒業後、ウィーン国立音楽大学に留学し、ヒルデ・ギューデン、エリック・ヴェルバらに師事した。1974年、ミュンヘン国際コンクールで第2位となり、76年には日本人として初のウィーン国立歌劇場専属歌手として契約し脚光を浴びた。80年の同歌劇場来日公演《エレクトラ》に出演するなど、同歌劇場を拠点として活躍し、帰国後もオペラや多くのコンサートで歌った。長年にわたり闘病生活を続けたが、2017年10月に紀尾井ホールで開かれたデビュー50周年記念リサイタルが最後のステージとなった。ドイツ・リートなどのCD多数。表彰式から 左より:伊舟城歩生、安並貴史、山崎佑麻写真提供:横須賀芸術文化財団ヘルベルト・ブロムシュテット©Martin U.K. Lengemann小曽根 真©中村風詩人

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