eぶらあぼ 2018.6月号
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174た、歴史・テクノロジーといった視点からもストラディヴァリウスの特徴を深く掘り下げ、21世紀の今も、生きた楽器として存在するストラディヴァリウスの価値を認識することができる展覧会となっている。東京ストラディヴァリウス フェスティバル 2018 -‘f’enomenon-http://tsf2018.com/■ベルリン・フィルがCD「アジア・ツアー 2017~ライブ・フロム・サントリーホー ル」をリリース ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(以下BPO)が、サイモン・ラトル指揮によるアジア・ツアーのライヴ音源を収録したボックスCDのリリースを前に、4月12日、サントリーホール内で記者会見を行った。同楽団・メディア代表のオラフ・マニンガー(ソロ・チェロ奏者)、メディア子会社「ベルリン・フィル・メディア」取締役のローベルト・ツィンマーマンに加え、スペシャル・ゲストとして音楽評論家の奥田佳道が出席した。 BPOの自主レーベル、ベルリン・フィル・レコーディングスからリリースされる「アジア・ツアー2017〜ライブ・フロム・サントリーホール」は、SACD5枚+Blu-ray1枚で構成される豪華ボックス仕様。SACDには、ラトルにとってBPO首席指揮者として最後の来日公演となった、17年11月のサントリーホールでの2つの演奏会が丸ごと収録されている。曲目は、R.シュトラウス「ドン・ファン」、ブラームス「交響曲第4番」、ストラヴィンスキー「ペトルーシュカ」、バルトーク「ピアノ協奏曲第2番」など。ソリストには、ユジャ・ワン、チョ・ソンジンが登場する。Blu-rayには、同時期に香港、武漢、ソウルで行われた公演の映像のほか、ツアーの舞台■東京ストラディヴァリウス フェスティ バル 2018 記者会見 7月〜10月に開催される「東京ストラディヴァリウス フェスティバル 2018 -‘f’enomenon-」の記者会見が、4月11日に都内で行われた。フェスティバル実行委員会の実行委員長/代表キュレーターを務める中澤創太(日本ヴァイオリン代表取締役社長)、東京藝術大学学長でヴァイオリニストの澤和樹、伊・クレモナ市ヴァイオリン博物館館長のパオロ・ボディーニ、駐日イタリア大使のジョルジョ・スタラーチェの4名が登壇した。 同フェスティバルは、世界最高峰の弦楽器として知られる「ストラディヴァリウス」を主役に据えた体験型の音楽祭。クレモナ市ヴァイオリン博物館、東京藝術大学、英国王立音楽院などの協力を得て公演と展覧会が開催され、アントニオ・ストラディヴァリが手がけた21挺の弦楽器が東京に集結する。 7月の「ストラディヴァリウス ソロイスツ コンサート」では、ソロを務める三浦文彰(ヴァイオリン)と宮田大(チェロ)が、東京藝術大学・英国王立音楽院 日英名門音楽大学ジョイントオーケストラと共演。全6挺のストラディヴァリウスが奏でられる。8月の徳永二男、10月のマキシム・ヴェンゲーロフのリサイタルでは、それぞれ一人で2挺のヴァイオリンを弾き分け、楽器ごとの音色の違いを楽しむことができる。 そして、今回のフェスティバルの中核をなすのが、10月9日〜15日に六本木ヒルズ 森アーツセンターギャラリーで開催される「ストラディヴァリウス 300年目のキセキ展」。世界各地から集められた21挺のストラディヴァリウスの弦楽器が一堂に会す、アジアで初の機会となる。製作者のさまざまな時期の代表作を揃え、その全貌を見ることができるという。期間中は、会場内で生演奏やトークセッションも行われる。ま会見から 左より:澤 和樹、中澤創太、パオロ・ボディーニ、ジョルジョ・スタラーチェPhoto:I.Sugimura/Tokyo MDE会見から 左より:オラフ・マニンガー、ローベルト・ツィンマーマンPhoto:I.Sugimura/Tokyo MDE
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