eぶらあぼ 2018.5月号
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200 まず何はともあれ御礼から! OTTAVAはこの4月で開局11周年を迎えることができました。日本で初めての「24時間クラシック音楽だけのラジオ局」としてスタート、紆余曲折ありながら同じ暖簾で続けてこられたのも、日頃お聴きいただいているリスナーの皆様のご支援あってのこと、心から御礼申し上げます。そしてこれからもどうぞよろしくお願いいたします。 そんなOTTAVAがこの春、初めてサテライト・スタジオを持たせていただき、生放送をスタートします。私たちがスタジオを開設したのは、東京モノレールとりんかい線の「天王洲アイル」駅から徒歩3〜4分の「天王洲キャナルサイド」と呼ばれているエリアです。 皆さんは、天王洲アイルというと何を思い出しますか? 浜松町発羽田行きモノレールの最初の駅。東京湾を望む真っ白いホテル、以前の「アートスフィア」、今も演劇やミュージカルの公演が行われる「銀河劇場」…。これらはいずれも東京湾方面、駅の東側にあるのですが、天王洲アイル駅を降りて運河沿いを西側に歩いて来られると、東側とは全く違う光景にきっと驚かれると思います。 海岸通りと山手通りを背に少し歩いただけで、静けさの中に運河の漣と野鳥の鳴き声が迎えてくれます。街路樹の根元に生えているのは、雑草ではなく数々のハーブ。きれいな水辺では、水鳥と釣り人たちがのんびりと過ごしています。ちなみにここでは鯔(ボラ)が釣れるとのこと。運河沿いには200メートル以上のボードウォークが東西、南北に敷かれていて、散歩する親子連れや、国際色豊かなジョガーたちが目を引きます。そしてこの遊歩道付近に、さまざまなアミューズメント施設(レストラン&バー、カ斎藤 茂 Profile北海道札幌市出身。音楽番組のプロデューサーとして東京のFM放送局勤務後、独立。現在は番組、音楽、コンサートなどの制作に携わる。2007年開局と同時にOTTAVAのミュージック・ディレクター、2014年ゼネラルマネージャーに就任。フェ、ベーカリー、ギャラリー、ブティックなど)が並んでいるのです。 天王洲アイル駅が開業したのは1992年。その駅名も影響してか、とかく新しさが強調されてしまいがちですが、実は古い貝塚なども発掘されているこのエリア、目黒川の終点で、元々はこの川がつくった砂洲なのです。1751年、この付近の海から牛頭天王(ごずてんのう/祇園精舎の守護神)の面を漁師が引き上げたことから「天王洲」と呼ばれるようになったとのこと。旧品川宿は徒歩圏内、あの沢庵和尚を開祖とする東海寺も近いのです。文字通り“古さと新しさ”と“歴史と未来”が邂逅する街なのです。 OTTAVAには開局時から発信しているメッセージがあります。それは「Classic Modern!」。クラシックとモダンという一見相反する価値観を併せ持つ作品こそ、真のマスターピースなのではないか? ふたつのコトバの間を自由に、個性的に行き来することのできる音楽家を、もっと紹介できないだろうか? 今回ご縁あって天王洲キャナルサイドにサテライト・スタジオをオープンするにあたり、この街に似合う「Classic Modern!」を発信&発掘していきたいと改めて思っています。 まずは、天王洲キャナルサイドにお越しください。OTTAVAでは月曜日から土曜日、午後1時から5時までの生放送をサテライト・スタジオからお送りしています。気軽に声をかけてくださいね。文:斎藤 茂(OTTAVA)「クラシック・モダン」 「歴史と未来が出会う街」にサテライト・スタジオがオープン!Vol.3◎OTTAVAとは2007年に開局した24時間無料でクラシック音楽が楽しめる国内唯一のインターネット・ラジオ局。リスナーは全世界で100万人以上。パソコンやスマートフォン、タブレットで、いつでもどこでもクラシック音楽が聴ける。OTTAVA検索コンテンポラリー・クラシック・ステーションへようこそ!オッターヴァ無料でインターネットで聴ける!連載

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