eぶらあぼ 2018.4月号
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76佐藤久成 ヴァイオリンリサイタル ~宇野功芳メモリアル~5/25(金)19:00 サントリーホール問 コンサートイマジン03-3235-3777 http://www.concert.co.jp/他公演 5/23(水)愛知/宗次ホール(052-265-1718)佐藤久ひさや成(ヴァイオリン)亡き支援者に捧げる入魂の演奏会取材・文:東端哲也Interview 欧州で研鑽を積み、2002年カザルスホールでの日本デビュー・リサイタル以来、世に埋もれた知られざる名曲に光を当てるような独自の視点と、情緒纏綿たる演奏で注目を集めてきた鬼才ヴァイオリニスト、佐藤久成。20世紀の後半、歯に衣着せぬ辛口さと個性的な文章で日本のクラシック・シーンに多大な影響を与えた音楽評論家の故・宇野功芳も、その熱烈なる支援者のひとりであった。 「宇野先生には心から感謝しています。僕のことをいつも気にかけて下さり、何とか羽ばたかせようと後押ししてくれた。ポジティヴな考え方から学ぶことも多かったし、会うと音楽の話が尽きずに時の経つのも忘れる程でした」 5月にサントリーホールの大ホールで開催されるリサイタルは、そんな故人に捧げるメモリアル公演。ベートーヴェンの第5番「春」やシューマンの第2番などよく知られたソナタにも、入魂のプレイが期待される。 「いつもの演奏会と同じですよ(笑)。とにかく暇さえあれば楽譜を何度も読み込んで、ただ全力で弾くだけです」 ラフマニノフ「ジプシー・ダンス」は、10年録音の秘曲・小曲集『哀傷のラメント』の冒頭を飾る楽曲。 「先生との交流が始まるきっかけとなったアルバムです。この曲を聴いた先生から熱いお手紙をいただいて!」 モーツァルトのハフナー・セレナーデやプロコフィエフのバレエ曲など、編曲ものも楽しみだが、やはり宇野功芳がアルバムのライナーノーツ中で「壮絶」「圧巻」と絶賛コメントを寄せているヴィエニアフスキ「華麗なるポロネーズ第1番」(『オード・エロティーク』収録)とラヴェル「ツィガーヌ」(『HISAYA 魔界のヴァイオリンⅡ』収録)は聴き逃せない。 「特に『ツィガーヌ』は、先生が最初に聴きに来て下さった僕のライヴで気に入って、絶対に録音した方がいいと強く勧めてくれたことが今も忘れられません」 ピアノはお互いがドイツにいた頃からの知り合いという岡田将が担当。 「帰国後も、伊福部昭の協奏曲全2曲に挑んだ世界初録音盤CD(2006年)や、フルトヴェングラーのヴァイオリン・ソナタ2曲だけのコンサートなど、マニアックな企画を一緒にやっていますので絆は固いのです(笑)」 宇野への想いや自身の音楽家としての哲学は、ステージから客席全体に伝わるはずだ。 「先生の言葉を胸に、これからも弛まぬ努力を続け、演奏家として進化できるよう頑張ります。どうかご期待下さい!」新しい耳 テッセラの春・第22回 音楽祭 言葉と旋律が織り成す官能の世界文:笹田和人 「新しい耳」はピアニストの廻由美子が主宰、東京・三軒茶屋のサロン・テッセラを舞台に、春・秋の年2回開催される音楽祭。僅か70席あまりの小空間で繰り広げられる先鋭的なパフォーマンスは、聴衆の感性へ直接、訴えかける。第22回となる「春」は三夜構成。第1夜は梯剛之(ピアノ)、第3夜は寺嶋陸也(同)が出演。そして第2夜は、1920年代ベルリンのカバレット・ソングを特集し、言葉と旋律が、官能の世界を創り上げる。 ドイツの「カバレット・ソング」はベルリンの酒場の出し物として、20年代を第1夜 5/18(金)19:00第2夜 5/19(土)16:00第3夜 5/20(日)16:00東京/サロン・テッセラ問 オーパス・ワン042-313-3213http://www.atarashii-mimi.com/廻 由美子中心に大流行。濃厚なロマンティシズムを背景に、時に風刺を交え、歌詞と音楽で人々の心情を代弁。しかし、ナチス政権下になると、「退廃芸術」との烙印を押されて衰退した。 歌うのは、詩と音楽にこだわり、演劇や映画、CM音楽など幅広く手掛けるヴォーカリストのHISASHI。廻のピアノを伴って、ブレヒトの戯曲に基づくカバレット・ソングの代表格であるヴァイルの《三文オペラ》から〈マック・ザ・ナイフ〉ほかを。さらに、フリードリヒ・ホランダー(1896~1976)の作品など、独特の雰囲気を湛えた世界に斬り込む。HISASHI

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