eぶらあぼ 2018.4月号
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2062003年からウィーン・フィルの首席フルート奏者を務め、卓越した美音と技巧で、ソリストとしても大活躍のワルター・アウアー。首席指揮者の飯森範親が率いる日本センチュリー交響楽団の新シーズン幕開けの定期へ登場し、ライネッケの名協奏曲を披露する。さらに、飯森の“十八番”で、近年、特に人気が高まっているカリンニコフの交響曲第1番、ウェーバーの歌劇《魔弾の射手》序曲と、彩りも豊かに。「千年に一度と言われた大震災から7年。多くの人に支えられて、ようやく町には人々が行き交い始めました」。岩手・陸前高田市出身で、ウィーンを拠点に活躍するメゾソプラノの菅野祥子。チェロの平野玲音とピアノの矢﨑さくら、音楽の街の仲間と共に、ブラームス「2つの歌曲」やモンサルヴァージュ「『鳥の歌』の主題によるマドリガル」、自作の「春なのに」「朝陽」ほか、感謝を込め、故郷への想いを歌で綴る。チェンバロとオルガンの気鋭の名匠・大塚直哉が案内役を務め、3つの注目の展覧会をテーマに、多彩なゲストと2つの芸術を掘り下げてゆくシリーズ「音楽と美術の幸せな結婚」。初回はメゾソプラノの波多野睦美と作家の中野京子を迎え、国立西洋美術館で開催中の「プラド美術館展」をテーマに。ホセ・マリン「蔑みの瞳」ほか17世紀スペインを中心に名旋律を味わい、ベラスケスなど名画の美との共通項を探る。東京シティ・フィルの首席フルート奏者を務める一方、ソロや室内楽などマルチな活動を展開する竹山愛。東京藝大・同大学院に学び、第79回日本音楽コンクールを制するなど、登竜門でも実績を重ねた。ピアノの佐野隆哉と共演のリサイタル。ビゼー(ローゼンブラット編)「カルメン幻想曲」、ヴァイオリン作品から編曲したフランクのソナタにフォーレ「シシリエンヌ」など小品や現代作品も交え、美音と技巧の両面で魅せる。“地上で最高のトランペット奏者”が、ヤマハホールのステージへと降臨する。スウェーデン出身の名手、ホーカン・ハーデンベルガー。縦横無尽の技巧と表現力で、ミュンヘン国際など超難関コンクールを次々に制し、「モーリス・アンドレ以来の大器」とも。今回はイム・スヨンのピアノを伴い、武満徹「径」から、超絶技巧の変奏曲、そしてフランセやエネスクなどを多彩に吹き尽くし、333席の聴衆の魂を奪い去る。月の4「春なのに」in 東京ウィーンから故郷を想う音楽と美術の幸せな結婚大塚直哉レクチャー・コンサート・シリーズ Ⅰホーカン・ハーデンベルガー(トランペット)飯森範親(指揮) 日本センチュリー交響楽団第224回定期プロムナードコンサートVol.221 永見亜矢子(パイプオルガン) 千葉純子(ヴァイオリン) 平野正子(フルート)CD『GATE』発売記念竹山 愛(フルート)4/4(水)19:15 トッパンホール4/13(金)19:00 よみうり大手町ホール4/13(金)19:00 ヤマハホール4/5(木)19:00 大阪/ザ・シンフォニーホール4/14(土)10:30(親子向) 14:00(一般向)府中の森芸術劇場4/13(金)19:00 Hakuju Hall文:笹田和人飯森範親 ©S.Yamagishiワルター・アウアー©Akira Muto大塚直哉 ©篠原栄治赤ちゃんも一緒に聴けたり、散歩がてら気軽に立ち寄れたり…そんなコンサートって、ないかしら。こんな願いをズバリと叶えて、回を重ねている府中の森芸術劇場の「プロムナードコンサート」。今回は、パイプオルガンの永見亜矢子、ヴァイオリンの千葉純子、フルートの平野正子が、親子向けステージでは「山の音楽家」など童謡や名曲、一般向けでは「ニューシネマパラダイス」ほか魅惑の旋律の数々を紡ぐ。菅野祥子矢﨑さくら平野玲音永見亜矢子平野正子千葉純子

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