eぶらあぼ 2018.4月号
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195コンサートギャラリーチケット発売情報News & TopicsNew Release Selection新譜情報TV&FMBooks海外公演情報ぶらPAL今月の注目公演公演情報6月の見もの・聴きもの2018年6月の曽そし雌裕ひろかず一 編〔Ⅰ〕オーストリアムジークフェライン・フェスティバル・ウィーン2018[会場:ムジークフェライン大ホール(ウィーン)](6月分/他会場の公演は省略)〔注〕このフェスティバルは、以前は「ウィーン芸術週間」中のコンサート・プログラムとして「ムジークフェライン」と「コンツェルトハウス」の持ち回りで行われていた音楽祭です。6月1(19:30)日 Y.ネゼ=セガン指揮フィラデルフィア管 バーンスタイン:交響曲第2番「不安の時代」、チャイコフスキー:交響曲第4番独/J.Y.ティボーデp◎6月2(15:30)日 S.ラトル指揮ベルリン・フィルJ.ヴィトマン:タパス、ルトスワフスキ:交響曲第3番、ブラームス:交響曲第1番6月2(19:30)、3(19:30)日 P.ジョルダン指揮ウィーン響 アイネム:ダンス-ロンド、シューマン:ヴァイオリン協奏曲、ドヴォルザーク:交響曲第8番 独/J.フィッシャーvn◎6月3(11:00)日 S.ラトル指揮ベルリン・フィルH.アブラハムセン:管弦楽のための3つの小品、ブルックナー:交響曲第9番(サマーレ、フィリップス、コールス、マッツーカの補作による第4楽章付)6月4(19:30)日 D.ダムラウS、N.テステBr、I.レプシッチ指揮ミュンヘン放送管 VERDIssimo(ヴェルディ:オペラ・アリア/序曲集)6月7(19:30)日 C.マイスター指揮ウィーン放送響 J.ビーズリー:Simplexity(世界初演)、シベリウス:交響曲第7番、バーンスタイン:チチェスター詩編、ウェスト・サイド・ストーリー〜シンフォニック・ダンス◎6月8(19:30)日 M.ヤンソンス指揮ウィーン・フィル バルトーク:弦楽器・打楽器とチェレスタのための音楽、チャイコフスキー:交響曲第6番「悲愴」◎6月10(19:30)日 M.ポリーニp シューマン:アラベスク、アレグロ、ピアノ・ソナタ第3番「管弦楽のない協奏曲」、ショパン:夜想曲 作品55-1・2、ピアノ・ソナタ第3番ウィーン国立歌劇場◎6月1日 ヴェルディ:椿姫 指/M.アルミリアート、演出/J.F.シヴァディエ、出/P.ドミンゴ◎6月3、7、10日 ヴェルディ:リゴレット 指/M.アルミリアート、演出/P.オーディ、出/J.D.フローレス★◎6月11、14、17、20、25、28日 ウェーバー:魔弾の射手[プレミエ] 指/T.ネトピル、演出/C.レート、出/C.ニールント、A.シャーガー、A.ドーメン6月13、16、19日 プッチーニ:トスカ 指/M.アルミリアート、演出/M.ヴァルマン、出/C.ネイグルスタッド、A.アントネンコ6月15、18、22、26日 ワーグナー:ローエングリン 指/S.ヴァイグレ、演出/A.ホモキ、出/G.グロイスベック、C.ヴェントリス、A.ダッシュ、J.ラシライネン6月21、24、27、30日 ヴェルディ:ファルスタッフ指/J.コンロン、演出/D.マクヴィカー、出/A.マエストリ、C.マルトマン◎6月23日 E.グルベローヴァS、指/M.アルミリアートウィーン・フォルクスオーパー6月1(19:00)、9(19:00)、28(19:00)日 モーツァルト:魔笛 演出/H.ローナー★◎6月2(19:00)、4(19:00)、6(19:00)、10(19:00)、13(19:00)、15(19:00)、23(18:30)、26(19:00)、30(19:00)日 ミレッカー:ガスパローネ[プレミエ] 指/A.シュラー、演出/O.タンボシ6月7(18:30)、8(10:00)日 H.アーレン:オズの魔法使い 演出/H.メイソン6月12(19:00)、16(19:00)、20(19:00)、21(19:00)日 S.ソンドハイム:スウィーニー・トッド演出/M.ダヴィッズ6月17(16:30)、19(19:00)、22(19:00)、24(16:30)、27(19:00)日 カタラーニ:ラ・ワリー演出/A.シュティール6月29(19:00)日 J.シュトラウスⅡ:こうもり校訂演出/H.ツェドニクウィーン・フィル[会場:無印=ムジークフェライン(ウィーン)、(KH)=コンツェルトハウス(ウィーン)、(SF)=ザンクト・フローリアン大聖堂(リンツ郊外)、(VN)=国立フィルハーモニー(ヴィリニュス/リトアニア)、(RG)=コンサートホール(リガ/ラトヴィア)]6月3(19:30)(SF)日 C.エッシェンバッハ指揮 H.ヴィッリ:DSONG、ブルックナー:交響曲第1番◎6月8(19:30)、9(15:30)、10(11:00)、12(19:30)日 M.ヤンソンス指揮 バルトーク:弦楽器・打楽器とチェレスタのための音楽、チャイコフスキー:交響曲第6番「悲愴」6月16(15:30)(KH)、17(11:00)(KH)、19(19:00)(VN)、20(20:00)(RG)日 R.パヤレ指揮 ベートーヴェン:レオノーレ〜序曲第3番、マーラー:リュッケルトの詩による5つの歌曲、子どもの不思議な角笛〜曙光、バルトーク:管弦楽のための協奏曲 独/E.ガランチャMsウィーン響[会場:(MV)=ムジークフェライン(ウィーン)、(KH)=コンツェルトハウス(ウィーン)、(P)=フィラルモニー・ドゥ・パリ(パリ)、(K)=フィルハーモニー(ケルン)、(BS)=シュタットカジノ(バーゼル)、(Z)=MAAGイヴェントハレ(チューリッヒ)、(GV)=ヴィクトリア・ホール(ジュネーヴ)、(L)=ルガーノLAC(ルガーノ)、(BK)=マックス・リットマン・ザール[レゲンテンバウ](バート・キッシンゲン)、(GP)=アルプシュピッツハレ[オリンピア・【本文中の記号】★=プレミエ[新演出]公演、◎=注目公演 2018年6月でベルリン・フィルの首席指揮者・芸術監督を退任するとサイモン・ラトルが発表したのは2013年1月のこと。ついにそのときがやって来る。6月のラトルは、ベルリン・フィルとのウィーン公演から始まり、何回も客演したアムステルダムのコンセルトヘボウ、ケルンのフィルハーモニーやスペイン・ツアーを経て、ベルリンでの定期公演としてはマーラーの交響曲第6番が最後の演目となる。そして、その後、恒例のヴァルトビューネでの野外コンサートを夫人のコジェナーとともに華やかに行って15年9ヵ月にも及ぶベルリン・フィルとの関係に終止符を打つ。意欲的なプログラムを数多く聴かせてくれたラトルの姿がまぶたに映る。 6月にはラトルだけでなく、ヘンゲルブロックもNDRエルプ・フィルとの契約が切れてしまう。本来ならもう1年あったはずなのに全く残念だ。オーケストラの注目公演を続けると、まずは、ウィーン・フィル。ヤンソンスの「悲愴」が要注目。名演の匂いが感じられる。ベルリン・ドイツ響には過去に音楽監督を務めたケント・ナガノとトゥガン・ソヒエフが客演。前者はマーラーの「復活」、後者はチャイコフスキーの交響曲第5番で本領を発揮する。都響の首席客演指揮者を辞したばかりのフルシャはケルンWDR響、ミュンヘン・フィルで、ピアノのユジャ・ワンやヴォロドスと共演する。ロトと手兵レ・シエクルによるフランス音楽プロにも要注目。6月に来日公演を行った後、ヨーロッパに戻って「ラインガウ音楽祭」「キッシンゲンの夏音楽祭」にアリス=紗良・オットのピアノと共に登場する。大野和士はバルセロナ響でドヴォルザークの「レクイエム」を演奏。そして、落とせないのはシーズン最後のフィルハーモニア管に登場するサロネン。演奏曲はシェーンベルクの「グレの歌」。切れ味鋭い音楽が展開されるに違いない。ちなみに、6月はブロムシュテットがバンベルク響、SWR響、スカラ・フィルでマーラーの交響曲第9番を振る。彼のマーラーは未体験なので◎印は付けていないが、要注目公演ではある。 次にオペラ。6月第一の注目は、やはり、ミュンヘン・オペラ・フェスティバルの実質的な開幕公演でもあるキリル・ペトレンコ指揮のワーグナー「パルジファル」ということになろうか。今シーズンは、ナガノ=ハンブルク州立歌劇場、ラトル=ベルリン・フィル(バーデン・バーデン復活祭音楽祭)と注目すべき「パルジファル」が続いたが、シーズン最後に満を持したペトレンコの登壇となる。ただし、例によってチケットはすでに完売状態。その他、同じミュンヘン・オペラ・フェスティバルでのムジークテアーター集団HAUEN・UND・STECHEN制作による作品、ベルリン州立歌劇場のヴェルディ「マクベス」(ドミンゴとネトレプコ出演という超弩級キャストのためもちろんチケットはすでに完売)、チューリッヒ歌劇場の「ポッペアの戴冠」(ビエイト演出)、パリ・バステーユ・オペラのムソルグスキー「ボリス・ゴドゥノフ」、パリ・オペラ・コミークのグノー「血まみれの修道女」(めったに上演に出会えない)、英国ロイヤル・オペラの「ローエングリン」(主演はまたもフォークト)、グラインドボーン・オペラ・フェスティバルの「ペレアスとメリザンド」(ヘアハイム演出)、ヘンデル「ジュリオ・チェーザレ」(クリスティ指揮)、シャンゼリゼ劇場での演奏会形式オペラ(グルック、ヘンデル、サン=サーンス等)などがどれも要注目。また、古楽オケでは、ライプツィヒ・バッハ・フェスティバルの最終日を飾るベルリン古楽アカデミー演奏の「ロ短調ミサ」やフライブルク・バロック管の30周年記念コンサートが間違いなく聴きものだ。(曽雌裕一・そしひろかず)(コメントできなかった注目公演も多いので本文の◎印をご参照下さい)

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