eぶらあぼ 2018.4月号
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175コンサートギャラリーチケット発売情報News & TopicsNew Release Selection新譜情報TV&FMBooks海外公演情報今月の注目公演公演情報ぶらPAL国内外でオペラを中心に活躍。15年より藤沢市民オペラの芸術監督を務めている。受賞に際し、園田は「オペラでの活動を評価していただいてこういう賞をいただけたということは、一人のオペラ関係者としても非常に嬉しく思っています。今後は、交響曲の分野も積極的に振り、藤沢市民オペラでもさまざまな挑戦をしていきたい」と述べた。 永久選考委員の堤剛は、「岡本さんは、ただチェロを巧く弾くだけではない真のチェリスト。その力量にはただただ感心するばかりです。ますます深みと磨きを追求して、幅広くインターナショナルな活躍を祈念しています。園田さんは、齋藤先生に直接師事された方に負けないくらい、指揮法教程を深く理解されている。今後も聴衆により深くメッセージを届けてほしいと思います」と言葉を贈った。公益財団法人ソニー音楽財団http://www.smf.or.jp/■第66回「尾高賞」が決定 第66回「尾高賞」の受賞作品が、坂田直樹「組み合わされた風景」(2016)に決定した。 「尾高賞」は、NHK交響楽団専任指揮者であった故・尾高尚忠の生前の功績を讃え、邦人作品による優れたオーケストラ作品を顕彰するために1952年に同楽団によって創設された作曲賞。 坂田は81年京都生まれ。愛知県立芸術大学、パリ・エコール・ノルマル音楽院を経て、現在はパリで活動している。受賞に際して、坂田は「多様な素材を扱ったこの曲には、オーケストラの可能性への挑戦が含まれています。演奏にあたっては古典的な意味でのヴィルトゥオーゾから特殊奏法などの現代的な技術、さらには気泡緩衝材やプラスチックの配管などの準備まで、高度かつ非習慣的な指示を実現しなければなりませんでした。今回の受賞は、書かれた楽譜がユートピアではなく、それが実現可能なものであることを証明してくださった指揮者のカチュン・ウォン氏、東京フィルハーモニー交響楽団の皆様のお陰です」と喜びを語った。 第66回「尾高賞」の贈呈式と受賞作品の演奏は、6月26日に東京オペラシティ コンサートホールで開催される「Music Tomorrow 2018」(ステファン・アズベリー指揮 NHK交響楽団)で行われる。NHK交響楽団http://www.nhkso.or.jp/■第29回五島記念文化賞、オペラ公演 助成が決定 平成30年度(第29回)「五島記念文化賞」および「オペラ公演助成」が決定した。「五島記念文化賞」は美術とオペラの分野で、今後の成長が期待される若手を選出し顕彰、海外研修に派遣するなど助成活動を通じ育成を図る目的で、1990年に創設された。オペラ新人賞は田中祐子(指揮)、今野沙知恵(ソプラノ)、美術新人賞には三田健志(現代美術)が選ばれた。 各受賞者には賞金50万円、副賞として海外研修に対する400万円の助成金、さらに海外研修終了後にその成果を発表するリサイタル等に対し、350万円の助成を行う。 「オペラ公演助成」には下記5団体の5演目が選ばれた。それぞれ各団体には100万円が助成される。◎オペラ「白狐」上演実行委員会 戸口 純《白狐》◎一般社団法人名古屋二期会 團 伊玖磨《ちゃんちき》◎芥川也寸志メモリアルオーケストラ・ニッポニカ 間宮芳生 《ニホンザル スキトオリメ》◎公益財団法人東京二期会 黛 敏郎《金閣寺》◎公益財団法人日本オペラ振興会 三木 稔《静と義経》五島記念文化財団http://www.gotoh-mf.or.jp/■訃報:ヘスス・ロペス=コボス氏 スペインの名指揮者ヘスス・ロペス=コボス氏が3月2日、ベルリンにて、がんのため死去した。78歳。 1940年スペイン北西部トーロ生まれ。指揮をフランコ・フェラーラやハンス・スワロフスキーに学んだ。68年にブザンソン国際指揮者コンクールで優勝して脚光を浴び、オペラとコンサートの両輪で活躍。ベルリン・ドイツ・オペラ音楽総監督、マドリード王立歌劇場とシンシナティ交響楽団で音楽監督を務めた。このほかにも欧米の著名なオーケストラやオペラハウスで幅広く指揮活動を展開した。87年にはベルリン・ドイツ・オペラと来日し、《ニーベルングの指環》の全曲連続上演(日本では初)を行い、大きな話題を呼んだ。その後もたびたび日本を訪れ名演を聴かせた。■訃報:礒山 雅氏 バッハ研究の権威で音楽学者の礒山雅氏が2月22日、外傷性頭蓋内損傷のため死去した。71歳。1月27日に雪で足を滑らせて転倒、頭を打ち入院していた。 東京都出身。長野県松本深志高校、東京大学文学部美学科卒業。同大大学院博士課程で、美学芸術学を学ぶ。第1回辻荘一賞を受賞した『バッハ=魂のエヴァンゲリスト』(東京書籍)をはじめ、『マタイ受難曲』(同)、『モーツァルト=二つの顔』(講談社)、『バロック音楽〜豊かなる生のドラマ』(NHKブックス)など著書多数。国立音楽大学教授、日本音楽学会会長、いずみホール音楽ディレクターなどを務め、毎日新聞で演奏会批評、CD批評も行った。
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