eぶらあぼ 2018.3月号
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82ペーター・レーゼル(ピアノ) Impressionen aus Paris 〈パリのおもむき〉巨匠ピアニストが紡ぐフレンチの名品文:飯田有抄5/8(火)19:00 紀尾井ホール問 紀尾井ホールチケットセンター03-3237-0061 http://www.kioi-hall.or.jp/ 新緑の輝く5月、ペーター・レーゼルが2年ぶりに紀尾井ホールでのリサイタルを行う。今回のテーマはなんと「パリのおもむき」。ドイツの巨匠レーゼルがパリ? フランスもの?! そう驚かれる音楽ファンは少なくないだろう。これまで、4年にわたるベートーヴェンのピアノ・ソナタ全曲演奏や、ドイツ・ロマン派の諸相を伝える3年がかりのコンサート、またモーツァルトとバッハをじっくりと聴かせた一昨年のリサイタルなど、自身の音楽的伝統を辿るようなドイツもののプロジェクトでその真価を示し続けてきたレーゼル。そんな彼が掲げる〈パリのおもむき〉とは、いったいどんな趣きなのだろう。芳しく新しい風を吹かせてくれそうで、大いに期待が膨らむ。 冒頭はモーツァルトからスタート。モーツァルトはヨーロッパ中を旅したが、パリ滞在中に書かれたソナタ(K.310 悲痛な雰囲気を湛えるイ短調の作品)ではなく、少しあとにリンツで書かれた、趣深い流麗な変ロ長調 K.333のソナタを選曲している点が興味深い。そしていよいよフランスの作曲家、ドビュッシーとフランクの作品を取り上げる。一曲一曲、緻密に情景を描いたドビュッシーの「版画」と「子供の領分」、J.S.バッハを手本にしながら循環形式を用いて構築したフランク晩年の大曲「前奏曲、コラールとフーガ ロ短調」だ。繊細なタッチと立体感に富む構成力で紡ぎ出すレーゼルの「パリ」、お聴き逃しなく!プロジェクトQ[第15章] ハイドン弦楽四重奏曲演奏会若きクァルテットが挑むハイドン芸術の精髄文:林 昌英ハイドン弦楽四重奏曲演奏会2/24(土)①13:00 ②18:00 上野学園 石橋メモリアルホール問 プロジェクトQ実行委員会(テレビマンユニオン内)03-6418-8617 http://www.tvumd.com/ 若いクァルテットの発掘と育成を目的として毎年開催されている「プロジェクトQ」。各団体が約半年間1つの作品に取り組み、世界的名奏者による「公開マスタークラス」、本番会場で全曲を演奏する「トライアル・コンサート」、それらの成果を披露する「本公演」と、3つのプログラムが行われる。15回目を迎えた今年度は「弦楽四重奏の父」ハイドンの名作群から選ばれた6曲を6団体が担当し、その「本公演」が2月に開催される。 昼の部は、まず、モーツァルトに多大な影響を与えた重要な曲集「ロシア四重奏曲」より2曲。桐朋学園在学生による「ベナード弦楽四重奏団」がop.33-2「冗談」(第38番)を、東京藝大同期メンバーによる「クァルテット・ラピスラズリ」がop.33-6(第42番)を披露する。続いて、本プロジェクトに4回連続参加となる「クラルス弦楽四重奏団」が、有名なop.64-5「ひばり」(第67番)に挑む。 夜の部は、14年の結成後ザルツブルクや名古屋でのコンクール上位入賞を果たし、リサイタルも開催している「タレイア・クァルテット」が、作曲者充実期のop.71-2(第70番)を演奏。そして、ハイドンの四重奏作品の結実を示す名品集「エルデーディ四重奏曲」より2曲が取り上げられる。東京音大や東京藝大ほかの学生による「チェルカトーレ弦楽四重奏団」が随一の深みをもつop.76-1(第75番)に、17年小澤国際室内楽アカデミー奥志賀で結成された「ヴォーグ・クァルテット」が人気の代表作op.76-3「皇帝」(第77番)に挑戦する。タレイア・クァルテットチェルカトーレ弦楽四重奏団ヴォーグ・クァルテットクァルテット・ラピスラズリクラルス弦楽四重奏団ベナード弦楽四重奏団
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