eぶらあぼ 2018.3月号
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763/5(月)18:30 日経ホール問 日経ミューズサロン事務局 03-3943-7066http://www.nikkei-hall.com/第470回 日経ミューズサロンエマニュエル・リモルディ(ピアノ) 日本デビュー・リサイタル才能煌めく話題の新鋭が登場!文:笹田和人©Laura Rizzi イタリア・ピアノ界期待の新星が、注目の日本デビューを果たす。エマニュエル・リモルディは一昨年、名匠イーヴォ・ポゴレリッチが名誉審査委員長を務めた第1回マンハッタン国際コンクールを制した俊英。今回、「ロマンチシズムの反映」と題し、豊かな表現力と多彩なプログラムで魅せる。 ミラノ出身。ヴェルディ音楽院を経て、モスクワ音楽院では名匠エリソ・ヴィルサラーゼの薫陶を受けた。マンハッタンのほか、カントゥ(イタリア)など主要国際コンクールで実績を重ね、巨匠パウル・バドゥラ=スコダからは「若い新鮮さと生命力に加え、年齢以上の成熟ぶりを示している」と絶賛された。 ステージでは、ラフマニノフ「前奏曲集op.23」を軸に、クレメンティ「6つのソナタ」から「嬰ヘ短調op.25-5」、シューマン「幻想曲 ハ長調」、ヴェルディの歌劇《アイーダ》の〈聖なる踊り〉と終幕の二重唱を素材にリストが編んだ「アイーダ・パラフレーズ」を披露。イタリア特有の歌心と、汎ヨーロッパ的な音楽性の両方を煌めかせる。4/12(木)15:00 19:30 Hakuju Hall問 Hakuju Hallチケットセンター03-5478-8700 http://www.hakujuhall.jp/第134回 スーパー・リクライニング・コンサート 三村奈々恵 マリンバ・リサイタル温かなサウンドで癒やしのひとときを文:飯田有抄©Yoshinori Kurosawa リラックスして感覚を解放し、ゆったりと音楽を味わうHakuju Hallの「スーパー・リクライニング・コンサート」。第134回は、多彩な音楽を自在に奏するマリンバ奏者、三村奈々恵によるリサイタルだ。 アメリカをはじめとし、ヨーロッパ、アジア、中南米でも活躍する三村。今回は「変幻自在のマリンバが奏でるバッハからブラジル音楽まで」と題し、三村らしいボーダーレスなプログラムを聴かせる。「ブラジルのココナッツ・ボンボン~美味しいボサノヴァ」という魅力的なタイトルをもったトーマス・O・リーの作品、三村が委嘱やレコーディングを通じて積極的に取り組む吉松隆作品からは「バードスケイプ」、三村自身の編曲によるピアソラの「ブエノスアイレスの春」やJ.S.バッハの名曲「シャコンヌ」など、充実の60分プログラムが展開される。温かく豊かな響きをもつマリンバの音色を、リクライニングシートに身を預けて全身で堪能しよう。4/5(木)19:00 東京文化会館(小)問 ミリオンコンサート協会03-3501-5638http://www.millionconcert.co.jp/植村理葉(ヴァイオリン)フランスの雰囲気と“2人”のシューマンを感じるプログラム文:笹田和人©K.Miura 本場ドイツで認められた、清冽な音色を体感したい。ベルリンと東京に拠点を置き、国際的に活躍している実力派ヴァイオリニストの植村理葉が、知的な雰囲気を湛えたプログラムによるリサイタルを開く。ミケランジェロ・アバド国際での優勝をはじめ、数々の主要コンクールで上位入賞。ケルン音大やローザンヌ音楽院、ドレスデン音大をいずれも最優秀で卒業し、現在は国内外でソリストとして、精力的な演奏活動を展開している。 今回はピアノの江尻南美と共演。前半では、ベルギーの夭折の作曲家ルクーのソナタに、武満徹が瀧口修造の同名詩に触発されて創作した、どこかフランスの空気感を漂わせる佳品「妖精の距離」を。そして、後半ではクララの「3つのロマンス」にロベルトの「ソナタ第2番」とシューマン夫妻、さらにロベルトを含む3人の作曲家が共作した「F.A.E.ソナタ」から、ブラームス作曲の「スケルツォ」を披露。巧みに関連付けられた作品たちが、植村の深みある音楽性と豊かな音色によって共鳴、さらなる輝きを帯びる。
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