eぶらあぼ 2018.3月号
50/211
47ウラディーミル・アシュケナージ ©Keith Saundersザルツブルク・モーツァルテウム管弦楽団オーケストラ・アンサンブル金沢紀尾井ホール室内管弦楽団リッカルド・ミナーシ田中 泯辻井伸行 ©Yuji Hori才人である。これまでにOEKとたびたび名演を聴かせてきた広上淳一(C12、H14、H22)の参加も心強いところ。ほかにアグニエシュカ・ドゥチマル(C23、H31、H32)、ヘンリック・シェーファー(H23、C32、C34)、天沼裕子(C24)、鈴木織衛(CO2)が指揮を務める。 モーツァルトといえば協奏曲も傑作ぞろい。ヴァイオリン協奏曲やピアノ協奏曲、フルート協奏曲、クラリネット協奏曲、フルートとハープのための協奏曲といった名曲がとりあげられる。ソリスト陣は大変強力だ。なにしろウィーン・フィルの元コンサートマスター、ライナー・キュッヒル(H12、A23、C32、福井5/2)がいる。泣く子も黙る本場ウィーン流のモーツァルトがここに。また、ベルリン・フィルの首席クラリネット奏者ヴェンツェル・フックス(A24、C33)も名を連ねる。もちろん、クラリネット協奏曲を演奏、世界最高峰の妙技を堪能できる。 ピアニストもそうそうたる顔ぶれで、辻井伸行(C14、C21)、ペーター・レーゼル(A11、H22)、モナ・飛鳥(C22、KO2)、横山幸雄、菊池洋子(KO2、C13、A31フォルテピアノ)、三浦友理枝(H23、KO2)、木村かをり(A14)といった名前が並ぶ。注目すべきはモーツァルトのピアノ・ソナタ全18曲の演奏。国内外で活躍する名手たちがどんなモーツァルトを弾くのか。モーツァルトの奥深さ、多様な解釈の可能性について、思いを巡らせることになりそうだ。 金沢ならではのモーツァルトへのアプローチとしては、日本の伝統芸能とのコラボレーションが挙げられる。能楽師の渡邊荀之助(H21)は、モーツァルトの最後のオペラ《皇帝ティートの慈悲》を舞う。能舞とモーツァルトがどう融合するのか、想像もできないが、オペラ・ブッファではなくオペラ・セリアが選ばれているのはわかるような気がする。また、箏とフルート、チェロのユニットも組まれるという。 ほかに落語家桂米團治のオペラ《フィガロの結婚(金沢オリジナル版)》(津幡5/2、AK5、H24)、俳優西村まさ彦の「モーツァルトの内緒話」(高岡5/1、H33)、日本画家古澤洋子の絵とモーツァルト(A31)、ダンサー田中泯がモーツァルトを踊る(高岡5/2、H13、A22)など、異分野とのコラボレーションが数多く企画されている。 これらに加えて、北陸・石川発の若手演奏家たちの公演や、地元で活動するアマチュアたちの演奏もあって、実に賑やか。昨年以上に地域の特色を生かした音楽祭になりそうだ。 いしかわ・金沢 風と緑の楽都音楽祭2018会期:[プレイベント]4/27(金)~5/2(水) [本公演]5/3(木・祝)~5/5(土・祝)会場:石川県立音楽堂、金沢市アートホール、北國新聞 赤羽ホール ほか北陸エリア(福井・石川・富山)問 いしかわ・金沢 風と緑の楽都音楽祭実行委員会事務局076-232-8111 3/6(火)発売http://www.gargan.jp/Information
元のページ
../index.html#50