eぶらあぼ 2018.3月号
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203コンサートギャラリーチケット発売情報News & TopicsNew Release Selection新譜情報TV&FMBooks海外公演情報ぶらPAL今月の注目公演公演情報5月の見もの・聴きもの2018年5月の曽そし雌裕ひろかず一 編〔Ⅰ〕オーストリアウィーン芸術週間〔注〕全体プログラムは2月15日に発表予定ムジークフェライン・フェスティバル・ウィーン2018[会場:ムジークフェライン大ホール(ウィーン)](主要公演のみ/他会場の公演は省略)〔注〕このフェスティバルは、以前は「ウィーン芸術週間」中のコンサート・プログラムとして「ムジークフェライン」と「コンツェルトハウス」の持ち回りで行われていた音楽祭です。5月6(11:00)日 Z.メータ指揮ウィーン・フィルバーンスタイン:交響曲第1番「エレミア」、マーラー:交響曲第5番 独/E.クールマンA◎5月7(19:30)日 D.バレンボイム指揮シュターツカペレ・ベルリン ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲、ピアノと管弦楽のための幻想曲、管弦楽のための映像 独/M.アルゲリッチp◎5月9(19:30)日 D.バレンボイム指揮シュターツカペレ・ベルリン ドビュッシー:夜想曲、選ばれた乙女、フランソワ・ヴィヨンの3つのバラード、海 独/A.プロハスカS、M.クレバッサMs◎5月10(19:30)日 D.バレンボイム指揮シュターツカペレ・ベルリン ワーグナー:パルジファル〜第1幕への前奏曲・聖金曜日の奇跡、ドビュッシー:聖セバスティアンの殉教 独/A.プロハスカS、M.クレバッサMs、語り/M.フルトヴェングラー◎5月11(19:30)日 D.バレンボイムp、M.アルゲリッチp シューマン(ドビュッシー編曲):カノン風小品集、ドビュッシー:6つの古代碑銘、白と黒で、牧神の午後への前奏曲、リンダラハ、海◎5月12(15:30)、13(11:00)日 A.ネルソンス指揮ウィーン・フィル ベートーヴェン:交響曲第9番「合唱」 独/K.オポライスS、G.ロンベルガーA、K.F.フォークトT、G.ツェッペンフェルトBs5月15(19:30)日 J.E.ガーディナー指揮イングリッシュ・バロック・ソロイスツ、モンテヴェルディ合唱団 バッハ:カンタータ第12番、第70番、第78番、第140番5月16(19:30)、17(19:30)日 M.ホーネック指揮ウィーン響 ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番「皇帝」、ショスタコーヴィチ:交響曲第5番 独/I.レヴィットp5月22(19:30)、23(19:30)日 L.カヴァコス(vn)指揮ウィーン響 バッハ:ヴァイオリン協奏曲(チェンバロ協奏曲第1番)、ブルックナー:交響曲第4番「ロマンティック」(1878/1886年版)5月24(19:30)日 F.ウェルザー=メスト指揮クリーヴランド管 ベートーヴェン:プロメテウスの創造物〜序曲、交響曲第1番、第3番「英雄」5月25(19:30)日 F.ウェルザー=メスト指揮クリーヴランド管 ベートーヴェン:交響曲第6番「田園」、第2番、レオノーレ〜序曲第3番5月26(19:30)日 F.ウェルザー=メスト指揮クリーヴランド管 ベートーヴェン:コリオラン(序曲)、交響曲第8番、第5番「運命」5月27(19:30)日 F.ウェルザー=メスト指揮クリーヴランド管 ベートーヴェン:エグモント〜序曲、交響曲第4番、第7番5月28(19:30)日 F.ウェルザー=メスト指揮クリーヴランド管 ベートーヴェン:大フーガ、交響曲第9番「合唱」 独/L.オルゴナソヴァS、W.レームクールA、N.エルンストT、D.バートンBr5月31(19:30)日 Y.ネゼ=セガン指揮フィラデルフィア管 ブラームス:ピアノ協奏曲第1番、シューマン:交響曲第4番、R.シュトラウス:ドン・ファ独/H.グリモーpウィーン国立歌劇場5月1日 ヴェルディ:アイーダ 指/E.ピド、演出/N.ジョエル5月2日 ジョルダーノ:アンドレア・シェニエ 指/M.アルミリアート、演出/O.シェンク、出/J.カウフマン、A.ハルテロス5月4、7日 ロッシーニ:セビリアの理髪師 指/A.ソディ、演出/G.レンネルト5月6、10、13日 ヴェルディ:シモン・ボッカネグラ指/E.ピド、演出/P.シュタイン5月8、11日 ドニゼッティ:愛の妙薬 指/P.バレフ、演出/O.シェンク5月9、14、16、19日 ドニゼッティ:ドン・パスクワーレ 指/F.シャスラン、演出/I.ブルック★◎5月12、15、18、21、25、28日 サン=サーンス:サムソンとデリラ[プレミエ]指/M.アルミリアート、演出/A.リートケ、出/E.ガランチャ、R.アラーニャ5月17、20、24、27日 R.シュトラウス:カプリッチョ 指/M.ボーダー、演出/M.A.マレッリ◎5月23日 W.マイヤーS ブラームス、ヴォルフ、ワーグナー、シェーンベルクの作品 共/J.ブラインルp◎5月26、29日 ヴェルディ:椿姫 指/M.アルミリアート、演出/J.F.シヴァディエ、出/I.ルング、P.ドミンゴ、P.ブレスリク◎5月31日 ヴェルディ:リゴレット 指/M.アルミリアート、演出/P.オーディ、出/J.D.フローレス、P.ルメッツ、A.ガリフッリーナウィーン・フォルクスオーパー5月1(18:30)日 R.ロジャーズ:サウンド・オブ・ミュージック 演出/R.ドゥセ5月2(18:30)、6(18:00)、14(18:30)、19(18:30)、31(16:00)日 H.アーレン:オズの魔法使い 演出/H.メイソン5月3(19:00)、11(19:00)、17(19:00)、21(18:30)日 カールマン:サーカスの女王 演出/T.エンツィンガー5月5(19:00)、10(19:00)、13(19:00)、16(19:00)、18(19:00)、24(19:00)、28(19:00)日オッフェンバック:ホフマン物語 演出/R.ドゥセ【本文中の記号】★=プレミエ[新演出]公演、◎=注目公演 5月になると音楽祭も増えてきて、逆に掲載を割愛したオーケストラや出演歌手名も多数ある。どうかご了承いただきたい。 さて5月の注目公演、オペラで個人的に最も注目するのはミラノ・スカラ座でネルロ・サンティの指揮する「アイーダ」。86歳の名匠の棒で聴くイタリア・オペラは、それこそ何ものにも代え難い重要無形文化財。音楽祭関係では、ザルツブルク聖霊降臨祭音楽祭で上演されるスピノジ指揮、バルトリ出演のロッシーニ「アルジェのイタリア女」、ミンコフスキ指揮のオッフェンバック「ラ・ペリコール」、それらに加えてシュヴェツィンゲン音楽祭で上演されるサリエリ「ヴェネツィアの定期市」とパーセル「妖精の女王」が要注目。最後の「妖精の女王」はベルリン古楽アカデミーが伴奏を担当するが、同じオーケストラをヤーコプスが指揮するベルリン州立歌劇場のパーセル「アーサー王」も重要公演。 一方、ミンコフスキは、手兵ルーヴル宮音楽隊とともに、ヴュルツブルクとグルノーブルでモーツァルトの「コジ・ファン・トゥッテ」を上演するがこれも見逃せない。さらには、ライプツィヒ歌劇場での「リング・ツィクルス」、ガランチャとアラーニャが出演するウィーン国立歌劇場のサン=サーンス「サムソンとデリラ」、古き東独時代のベルクハウス演出を残すベルリン州立歌劇場の「ペレアスとメリザンド」(バレンボイム指揮)、ケルン歌劇場やスペイン・テアトロ・レアルでかかるB.A.ツィンマーマンの「兵士たち」、グルベローヴァ出演のドニゼッティ「ルクレツィア・ボルジア」、バイロイト音楽祭の「リング」で賛否両論を巻き起こしたカストルフの演出になるヤナーチェク「死者の家から」(共に、バイエルン州立歌劇場)、フィレンツェ歌劇場のヒンデミット「カルディヤック」、シャンゼリゼ劇場のグルック「オルフェオとエウリディーチェ」、オランダ国立オペラのモーツァルト「皇帝ティトの慈悲」(クルレンツィス指揮)、英国ロイヤル・オペラでのジョージ・ベンジャミンの新作など要注目公演が多数並ぶ。グラインドボーン・オペラ・フェスティバルが5月からスタートするが、「ばらの騎士」には興味をそそられる。 オーケストラでは、ベルリン・フィルに登場する指揮者トゥガン・ソヒエフが面白い。最近N響にもよく来るのでお馴染みかもしれないが、ボリショイ・オペラの音楽監督、トゥールーズ・キャピトル国立管の首席指揮者としても活躍中で、ベルリン・フィルにもこのところ毎シーズン呼ばれている。旬の指揮者の1人だろう。その後に登場するラトルは、彼がベルリン・フィルの首席指揮者である今シーズン中にラトルを聴いておく、という意味も大いにあるだろう。特にシューマン「楽園とペリ」のような声楽を伴う曲は聴きものだ。すでに有名になった4楽章補作付のブルックナー交響曲第9番も再び取り上げる。 一方、ベルリン・フィル次期首席指揮者キリル・ペトレンコも、バイエルン州立管とマーラーの交響曲第7番という注目の演奏会を開く。その他「ムジークフェライン・フェスティバル」でのバレンボイムとアルゲリッチとの共演(シュターツカペレ・ベルリンもピアノ・デュオも)、フォークトが出演するネルソンス=ウィーン・フィルのベートーヴェン第9、ケルンのフィルハーモニーでの「アハト・ブリュッケン」(現代音楽祭)対象公演、ネトピル=チェコ・フィルの「プラハの春国際音楽祭」開幕公演(スメタナの「わが祖国」)、クリスティ=レザール・フロリサンの「天地創造」、シャンゼリゼ劇場のバッハ・コレギウム・ジャパン等々挙げるべきものは数多い。ただし、人気公演はチケットも売り切れが早いので、その点はご留意のほど。(曽雌裕一・そしひろかず)(コメントできなかった注目公演も多いので本文の◎印をご参照下さい)
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