eぶらあぼ 2018.2月号
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Prole神戸市出身。第54回全日本学生音楽コンクール全国大会第1位を受賞後、第3回東京音楽コンクール、第77回日本音楽コンクールなど国内主要コンクールにて優勝。2010年シャネル・ピグマリオン・デイズアーティスト。東京藝術大学附属高校を経て同大学を首席卒業、同大学院修了。学内にて安宅賞、アカンサス賞、三菱地所賞を受賞。11年秋より渡欧、ロームミュージックファンデーションの助成を得て13年夏ウィーン国立音楽大学大学院を修了。これまでに関西フィル、仙台フィル、東響、東京フィル、新日本フィル、読響、日本フィル、大阪響など多くのオーケストラと共演。15年1月、第2ヴァイオリン首席奏者として読売日本交響楽団に入団。毎年夏に東京文化会館で開催される東京音楽コンクールは、そのレベルの高さや部門の多彩さ、本選での在京プロ・オーケストラとの共演など、コンクール自体様々な魅力に富んでいるが、入賞者に対して手厚いアフター・サポート体制が用意されていることでも知られている。受賞者へのサポート体制も充実した、若いアーティストの登竜門東京音楽コンクール2005年、第3回コンクールの弦楽部門で優勝し、現在は読売日本交響楽団の第2ヴァイオリン首席奏者として活躍している瀧村依里さんにコンクールの魅力、そして充実した支援体制についてきいた。なぜ東京音楽コンクールを受けたのですか?東京藝術大学に入学したばかりの頃、たまたま東京文化会館のロビーでコンクールの募集要項を見つけたのがきっかけです。また、同館の小ホールで審査が行われると知り、ぜひあの空間で弾いてみたいと思い応募しました。どんな曲を演奏しましたか?課題曲にバッハがありましたので、小ホールでバッハを弾けることが単純にうれしかったですね。本選ではピアノ伴奏でメンデルスゾーンの協奏曲を演奏しました。※本選は第3回までは小ホールでピアノ伴奏で開催した。コンクールでの思い出は?小ホールの響きが美しく、非常に楽しく演奏できました。また、本選には残れないだろうと思っていたので、メンデルスゾーンを慌ただしく準備した記憶が残っています。協奏曲は緊張のあまりテンポが速くなってしまったので、優勝と聞いたときは本当にびっくりしました。副賞として、優勝者コンサートで大ホールでチャイコフスキーの協奏曲を山下一史さん指揮の東京交響楽団で演奏したことは夢のような体験でした。優勝後のサポートはいかがでしたか?都内のプロ・オーケストラと5年登録で年2〜3回ほど共演の機会をいただけたことは貴重な経験でした。瀧村依里さん interview東京文化会館の小ホールでリサイタルを開催できたことも大きな思い出です。モーニングコンサートや美術館でのコンサートなど沢山の演奏機会を得ることで、演奏家として鍛えられている実感があります。コンクールと現在の活動普段はオーケストラの中で、客席から離れたポジションで弾いてますので、アウトリーチや、東京文化会館などが主催の『ミュージック・ワークショップ』では生後6ヵ月〜小・中学生〜大人まで対象年齢向けに作られたバラエティー豊かなワークショップで、お客様と身近に接することができるのはうれしいです。また、昨年1月に読響がこのコンクールで優勝者コンサートの伴奏を務めた際には、自分自身の体験と重なり、非常に懐かしく感じました。瀧村依里さん Photo:M.Otsuka/Tokyo MDE

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