eぶらあぼ 2018.2月号
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170■平成29年度文化庁長官表彰発表 文化庁は、平成29年度文化庁長官表彰の被表彰者47名を発表した。同表彰は、永年にわたり文化活動に優れた成果を示し、我が国の文化振興に貢献した人物、また日本文化の海外発信、国際文化交流に貢献した人物の功績を称えるため設けられたもの。クラシック音楽関連分野では3名が選ばれた。 ジャパン・アーツ代表取締役会長、公益財団法人ジェスク音楽文化振興会 評議員会議長を務める関田正幸は、クラシック音楽の公演や国際音楽祭の運営を手がけるとともに、関係団体の要職を務めてきたことが評価された。作曲家のすぎやまこういちは、ポップス、管弦楽、ゲーム音楽など幅広い分野で優れた作品を発表するとともに、関係団体の要職を務めてきたことが評価された。メゾソプラノ歌手の栗本尊子は、歌手として数多くの優れた歌唱を示して活躍するとともに、後進の育成にも努めたことが評価された。文化庁http://www.bunka.go.jp/■第19回 ホテルオークラ音楽賞 ヴァイオリニストの山根一仁と毛利文香が、第19回 ホテルオークラ音楽賞の受賞者に決定した。同賞は将来を嘱望される音楽家への支援・育成のために1996年に創設。毎年2組の音楽家を選出し同賞を授与するとともに、無料の受賞者記念演奏会を開催している。 山根は、中学校3年在学中の2010年に第79回日本音楽コンクールで優勝。現在は、ドイツ国立ミュンヘン音楽大学に在籍し、クリストフ・ポッペンのもとで研鑽を積んでいる。これまでにバーミンガム市交響楽団、プラハ・カメラータ、NHK交響楽団など国内外のオーケストラと共演を重ね、ソロや室内楽にも積極的に取り組むなど、幅広い活躍が評価された。 現在、慶應義塾大学文学部に在学中の毛利は、12年に第8回ソウル国際音楽コンクールで優勝。15年にも、第54回パガニーニ国際ヴァイオリンコンクールで第2位、エリーザベト王妃国際音楽コンクールで第6位に入賞するなど、数々の国際コンクールに入賞している。これまでに横浜文化賞文化・芸術奨励賞、青山音楽賞新人賞を受賞。15年よりドイツ・クロンベルクアカデミーで学び、国際的な活躍の場を拡げていることが評価された。ホテルオークラ東京http://www.hotelokura.co.jp/tokyo/■平成29年度地域創造大賞が決定 一般財団法人 地域創造が、平成29年度地域創造大賞(総理大臣賞)の受賞施設を発表した。同賞は、全国の地方公共団体から応募があった施設の中から、地域における創造的で文化的な表現活動のための環境づくりに特に功績のあった公立文化施設を顕彰し、全国に広く紹介。それにより公立文化施設のさらなる活性化を図り、美しく心豊かなふるさとづくりの推進に寄与することを目的として、平成16年度から創設された。受賞施設は以下の7施設。・北上市文化交流センター さくらホール/岩手県北上市・中新田バッハホール/宮城県加美町・大泉町文化むら/群馬県大泉町・東京都美術館/東京都・大田区民プラザ/東京都大田区・八尾市文化会館(プリズムホール)/大阪府八尾市・伊丹市立音楽ホール(伊丹アイフォニックホール)/兵庫県伊丹市一般財団法人 地域創造http://www.jafra.or.jp/■訃報:原田茂生氏 東京藝術大学名誉教授で、バリトン歌手の原田茂生氏が12月12日、老衰のため東京都青梅市の病院で死去した。85歳。1932年、高知県出身。55年京都大学卒業後、本格的に歌手の道に進み、東京藝術大学声楽科に入学した。61年に渡独、ベルリン芸術大学などで学び、現地ではオペラにも出演した。帰国後はオペラの舞台に立つ一方で、ドイツ歌曲の第一人者として活躍した。ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウの名著『シューベルトの歌曲をたどって』の翻訳、『レコード芸術』など音楽雑誌での執筆活動でも知られる。後進の育成にも尽力し、多くの優れた歌手が原田氏の薫陶を受けている。山根一仁 ©K.MIURA毛利文香 ©Hisashi Morifuji

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