eぶらあぼ 2018.1月号
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63©Yuji Horiデビュー15周年記念 奥村 愛 2DAYS スペシャルDay 1 リサイタル ピアノ:三輪 郁 2/3(土)17:00 Day 2 with ストリングス feat.渡辺香津美 2/4(日)14:00 浜離宮朝日ホール問 東京音協03-5774-3030 http://t-onkyo.co.jp/奥村 愛(ヴァイオリン)多彩なプログラムを名手たちとの共演で取材・文:東端哲也Interview 多彩な活躍で人気を集め、今年デビュー15周年を迎えたヴァイオリニストの奥村愛が、2018年の2月に2日間連続でスペシャル公演を開催する。先ず1日目はウィーンで研鑽を積み、世界の名だたるスタープレイヤーたちと共演を重ねているピアニスト、三輪郁との名曲プログラムを予定。 「三輪さんは繊細さとパワフルさを兼ね備えた演奏家で、さり気なく支えてくれていたかと思うと、時にはしっかりと引っ張ってくれます。頼れるお姉さんといった感じで大好きな方です。また共演できることが凄く楽しみです」 前半はバッハ「無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第1番」やモーツァルト「ソナタ K.378」など、古典ものを用意。 「ロマン派と比べると音数も少なくシンプルなだけに、一つひとつの音を疎かにできません。どれだけ弾き込んでも、やはり本番は緊張しますね。私はちょっと脳天気な性格なので、前半から気を引き締める意味でもぴったりかもしれません(笑)」 後半はフランスもの。フォーレ初期の代表作である第1番ソナタに、ヴュータンのバラードとポロネーズ。 「フォーレは高校時代も好きでしたが、昨年くらいから頻繁に演奏するようになって、あらためてその魅力を再確認しました。哀愁があり情熱的なヴュータン作品にもヴァイオリン弾き作曲家ならではのツボがあります」 2日目は彼女が信頼するストリングス・メンバーと贈る、これまたバラエティに富んだプログラム。 「私を入れて総勢10名。みんな大らかな性格で本当に仲が良いのです。前半だけでバッハ『ヴァイオリン協奏曲 イ短調』から、民族色の濃いジプシーメドレーまで一気に飛躍できるのも、団結力のなせる技かもしれません」 後半はジャズ・ギター界のレジェンド、渡辺香津美を特別ゲストに迎えてゴージャスな大人の雰囲気を演出。 「昨年、京都・上賀茂神社で行ったストリングスとの共演による『都のかなでコンサート』に出ていただいたのが最初のご縁です。今年は渡辺さんの最新アルバム『TOKYO WANDERER』にも私たちが全面的に参加させていただきました。今回はそのアルバム収録曲を中心にとりあげます。ジョー・ザヴィヌル〈バードランド〉やチック・コリア〈スペイン〉から谷川公子さん書き下ろしの〈フラメンコ・レッド〉まで、クラシック曲とはひと味違うジャジーな弦の響きが満載です」 会場は彼女のファンにはお馴染みの浜離宮朝日ホール。節目の年に相応しい魅惑の2daysになりそうだ。 「盛り沢山の企画ですが、共演者の皆さんの助けがあるので大丈夫そう。どちらもお楽しみに!」望月哲也(テノール) & 青山 貴(バリトン)モーツァルトの誕生日に贈る“熱き友情”のコンサート文:宮本 明 大人気の重量級男声ユニット「IL DEVU」でも活動をともにする望月哲也と青山貴は、実は同じ高校の出身。都立府中西高校の、望月の2学年下に青山がおり、ともに合唱部で歌っていたという。そんな先輩後輩が二人揃って府中の森芸術劇場に凱旋する。 1980年代後半から、高校生の合唱コンクール上位の常連だった同校。合唱は個人でやるものではないとはいえ、20数年後に日本オペラ界を牽引するエース・テノールとプリモ・バリトンが一緒にいたのだから、これはもう反則ぎりぎり? 野球でいえばKKコンビのPL学園みたいなもので、並の高校合1/27(土)14:00 府中の森芸術劇場 ウィーンホール問 チケットふちゅう042-333-9999http://www.fuchu-cpf.or.jp/青山 貴唱部では太刀打ちできなかったろう。思えば府中の森芸術劇場がオープンした91年は、ちょうど二人がともに高校生だった年だ。もちろんそれ自体は偶然だけれど、そんな天の配剤があってこそ、地域の文化創造が芽生え育つのだろう。 公演日がちょうどモーツァルトの誕生日であることから、《フィガロの結婚》《ドン・ジョヴァンニ》からのアリア、またヴェルディ《ドン・カルロ》の二重唱なども披露される予定。ピアノは河原忠之が務める。神様が府中に微笑んだ歳月にも思いを馳せながら、二人の超美声を楽しみたい。望月哲也
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