eぶらあぼ 2018.1月号
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541/27(土)14:00 岐阜/サラマンカホール問 サラマンカホール チケットセンター058-277-1110 http://salamanca.gifu-fureai.jp/サラマンカ能パイプオルガンと能舞が織りなす“いのり”の空間文:笹田和人左:辰巳満次郎 右:鈴木優人 ©Marco Borgrreve 共に長い時間に培われた2つの芸術が今、サラマンカホールで邂逅する。宝生流シテ方の大家・辰巳満次郎が、鈴木優人が弾くスペイン・サラマンカ大聖堂の楽器を再現したオルガンの音色をバックに舞う、新作能舞「サラマンカ」。この出会いが決して偶然ではないと、確信できよう。 日本の祈りの舞「能」と、祈りの響きを紡ぐ欧州の「オルガン」。今回の「サラマンカ能」で初演される新作は、共通する“いのり”をコンセプトに、辰巳が能の扮装と手法を用いつつ、2つの芸術の融合を目指す。続いて、玉井博祜(ひろこ)が地謡を伴い、面・装束を付けない“仕舞”で「江口」を上演。これらに先立ち、「能のみどころ」の解説も行われる。さらに、彫刻師を騙る男と依頼者の珍妙なやり取りを描く狂言の古典「仏師」を、野村又三郎(シテ=主役)と野村信朗(アド=脇役)で披露。最後に、静御前と源義経の別れを描く能の古典「船弁慶」が、辰巳のシテ(静御前・平知盛)と福王和幸(弁慶)、片桐遵(義経)、野村又三郎(船頭)、藤田六郎兵衛の笛ほかで上演される。1/23(火)14:00 大田区民ホール・アプリコ問 大田区民ホール・アプリコ  03-5744-1600http://www.ota-bunka.or.jp/「大作曲家の恋文」~大作曲家と恋する方法、教えますVol.4 ブラームスとクララ~永遠の純愛~トークと演奏で味わう恋愛物語文:林 昌英近藤嘉宏 平日の昼下がり、大田区民ホール・アプリコでゆったりと過ごせる「アプリコ・アフタヌーン・サロン」。前半はサロン風のステージでナビゲートと資料画像とともにトークを展開、聴く人の知的好奇心を満たしていき、後半はふたりのピアニストがたっぷりと演奏を聴かせてくれる。 1月に開催されるのは、「大作曲家の恋文~大作曲家と恋する方法、教えます」という大胆なタイトルのシリーズの最終回。テーマは「ブラームスとクララ~永遠の純愛~」。クララ・シューマンとブラームスの間にあったのは友情か愛情か、それとも――。いつの時代にもテーマとなってきた彼らの秘めた関係について、文筆家で音楽・文化芸術プロデューサーとしても活躍する浦久俊彦が、分かりやすい解説で案内役を務め、エピソードをひも解いていく。ピアノは高橋多佳子と近藤嘉宏で、経験豊かな名手たちによるトークと演奏を楽しめる。しかもメイン曲はブラームス自身の編曲による2台ピアノ版の交響曲第4番。このふたりの共演で体験できるのは実に貴重だ。高橋多佳子2/11(日)14:00 杜のホールはしもと、2/18(日)14:00 ヨコスカ・ベイサイド・ポケット問 チケットかながわ0570-015-415 http://www.kanagawa-arts.or.jp/神奈川県民ホール巡回事業 出張講座 in 橋本&横須賀青島広志のたのしい名作オペラ講座 オペラ《魔笛》の魅力これであなたも《魔笛》通!文:林 昌英 神奈川県民ホールは改修のため2018年3月31日まで休館中だが、同ホール主催公演の巡回事業として、県内で出張公演を行っている。2月に橋本と横須賀で行われる出張公演は、「青島広志のたのしい名作オペラ講座」。モーツァルトの名作《魔笛》の魅力について、テレビでの楽しいトークでも知られる作曲家の青島がとことん紹介するステージだ。以前にも神奈川県民ホールで同様の公演が開催され、その内容が好評だったため、引き続き青島が構成・トーク・ピアノを担当してさらに魅力的に上演されることになった。 歌手はソプラノ横山美奈、テノール小野勉、バリトン福山出(いずる)の3人。彼らが劇中のあらゆるキャストに扮して10前後の場面を歌い上げる予定で、《魔笛》のエッセンスは十分に味わえる。そこにあの青島の演奏と解説が絡むとなれば、聴き慣れた曲も新鮮な魅力を発見できそう。また、やはり同ホール出張公演として3月に横須賀(3/11)と相模原(3/18)で《魔笛》の舞台上演が控えており、それを一層楽しめる講座としても理想的な好機となるに違いない。青島広志 ©Gakken Plus

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