eぶらあぼ 2018.1月号
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154Shall We コンサート(出張コンサート)」が受賞した。同コンサートは1996年に始まり、2004年からは都内の特別支援学校を対象に、年5、6校で出張コンサートを実施。各学校とコミュニケーションを重ねながら、プログラムを演奏者とともにつくり上げる手づくりのコンサートは、長年にわたって障がいのある子どもたちへ音楽鑑賞・体験の機会を創出し、豊かな感性を育んでいるとして評価された。吉田淳一・三菱地所株式会社執行役社長は、「文化・芸術は新たな発想を生み出す源泉だと思います。まちづくりのなかに取り込むことで深みや奥行きが生まれる。これからも、ダイバーシティ豊かでダイナミックにハーモナイズするようなまちづくりを心がけていきたい」と語った。 〈優秀賞:プラッと音楽賞〉は、公益財団法人東日本鉄道文化財団の「駅コンサートの開催」が受賞した。駅コンサートは、国鉄の分割民営化を機にJR東日本が行っていた「とうきょうエキコン」を前身として、04年にJR東京駅の丸の内北口ドームでスタート。06年からは上野駅と仙台駅に拠点を移し、春と秋に開催されている。入場者はのべ20万人を超えており、さまざまな人が利用する公共空間を活用し、気軽に本物の音楽に触れる機会を創出している点が評価された。清野智(さとし)・東日本鉄道文化財団理事長は、「これからも愛される駅、愛される鉄道にしていきたい。ずっと応援してくださった池辺晋一郎先生や出演してくださった音楽家の皆さんに改めて感謝したい」と語った。企業メセナ協議会http://www.mecenat.or.jp/■東京シティ・フィルが新シーズンライン ナップと高関健のポスト契約延長を 発表 東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団が2018/ 19シーズンラインナップを発表した。また、現在、常任指揮者を務めている高関健がポストの契約を21年3月まで延長することも明らかにした。 新シーズンの東京シティ・フィルは近現代ものとドイツ王道プロの2つの路線を軸とし、声楽をとり入れた作品が目を引く。高関は、新シーズンに6回登場し、オペラシティでの「定期演奏会」では、村上公太(テノール)、半田美和子(ソプラノ)、樋口達哉(テノール)ら実力派歌手でキャスティングしたラヴェルの歌劇《スペインの時》(演奏会形式)(18.9/15)、ストラヴィンスキー「詩篇交響曲」(合唱:東京シティ・フィル・コーア)と武満徹「弦楽のためのレクイエム」(11/16)、小山実稚恵(ピアノ)を迎えてコダーイとバルトークを合わせた中欧プロ(19.3/16)など近現代中心の多彩なプロを聴かせる。「ティアラこうとう定期演奏会」では、幸田浩子(ソプラノ)とのマーラー交響曲第4番(18.7/28)、バレエ音楽「プロメテウスの創造物」全曲と「田園」というオール・ベートーヴェン・プロ(19.1/26)など交響曲を主体としたプログラムを組んでいる。 また、桂冠名誉指揮者の飯守泰次郎は「定期」でブルックナーのミサ曲第3番(18.7/13)、ブラームス交響曲第3番&第1番(19.1/11)といったお得意のドイツものを披露する。東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団http://www.cityphil.jp/■東京フィルが2018/19シーズンのラ インナップを発表 東京フィルハーモニー交響楽団の2018/19シーズンは5月に開幕する。うち、名誉音楽監督チョン・ミョンフンは3演目8公演、首席指揮者アンドレア・バッティストーニは4演目8公演、特別客演指揮者ミハイル・プレトニョフは1演目3公演に登場する。 なかでも注目されるのは、演奏会形式での2つのオペラ上演。まず、チョン・ミョンフンが海外の歌劇場で活躍する歌手たちを迎え、ベートーヴェンのオペラ《フィデリオ》を披露する(18.5/6,5/8,5/10)。11月にはアンドレア・バッティストーニがボーイトのオペラ《メフィストーフェレ》(11/16,11/18)を取り上げる。 ミョンフンはマーラーの交響曲第9番(19.2/15, 2/17,2/20)を指揮するほか、姉で世界的ヴァイオリニストのひとり、チョン・キョンファとの、日本では16年ぶり、東京フィルでは初となる姉弟共演も実現する(18.10/4,10/5)。 19年3月のシーズンファイナルを飾るのは、特別客演指揮者ミハイル・プレトニョフ。15年のチャイコフスキー国際コンクールヴァイオリン部門最高位のユーチン・ツェンを迎えてのチャイコフスキーの協奏曲に、ハチャトゥリアンの秘曲、交響曲第3番「交響詩曲」を指揮する(19.3/13,3/15,3/21)。 このほか、レジデント・コンダクターの渡邊一正が、定期演奏会唯一の日本人指揮者として登場(18. 6/24)。イタリアの気鋭の指揮者ロレンツォ・ヴィオッティが東京フィル定期に初登場する(7/18, 7/19)。東京フィルハーモニー交響楽団http://www.tpo.or.jp/■日本センチュリー響が2018/19シー ズンのプログラム発表 日本センチュリー交響楽団が、2018/19シーズンの公演ラインナップを発表した。幕開けは、首席指揮者就任5年目となる飯森範親によるカリンニコフの交響
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