eぶらあぼ 2018.1月号
146/183

153コンサートギャラリーチケット発売情報News & TopicsNew Release Selection新譜情報TV&FMBooks海外公演情報今月の注目公演公演情報ぶらPALさせる。中間部のヴィオラ・ソロが本当に美しい。BBCウェールズ交響楽団30周年エルガー・プロでも最後の曲に選んだ大好きな作品」という。 藤岡幸夫(関西フィルハーモニー管弦楽団首席指揮者)はチャイコフスキー「白鳥の湖」抜粋を演奏する。「通常の組曲ではない独自の構成でチャイコフスキーの良さを出したい。関西フィルはロシア・バレエの伴奏の経験が多く、オケの個性が出せる。私自身関西フィル19年目の意気込みを見せたい」。 飯森範親(日本センチュリー交響楽団首席指揮者)はリムスキー=コルサコフ「スペイン奇想曲」で「日本センチュリー響のソリストの優秀さをアピールできると思う。スペインの熱い情熱が聴衆の心を激しく揺さぶるだろう。4回目なので満を持して取り組みたい」。 外山雄三(大阪交響楽団ミュージック・アドバイザー)は、ブラームスの交響曲第1番について、「特別な響き」をもつ傑作で、「大事な演奏会で演奏される。カラヤンや岩城宏之の名演を思い出す。今回は若いオケの新鮮な緊張感をぶつけて、有名な作品から新たな側面を提示したい」と述べる。 4大オケの共演は、関西にしかできないことであり、互いに刺激し合い、大いに勉強になると、どの指揮者も声を揃える。聴衆にとっても、それぞれの指揮者やオケの個性の違いを聴き比べて楽しめる、得難い経験となる。来年以降は未定のようだが、ぜひとも続けて開催してほしい。取材・文:横原千史第56回大阪国際フェスティバル2018大阪4大オーケストラの響演4/21(土)16:00 フェスティバルホール問 フェスティバルホール チケットセンター06-6231-2221http://www.festivalhall.jp/■「ラ・フォル・ジュルネTOKYO2018」 テーマ発表 毎年ゴールデンウィークに行われている音楽祭「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン」が名称を「ラ・フォル・ジュルネTOKYO 2018」(以下LFJ)と変更し、2018年も開催されることが発表された。期間は5月3日〜5日の3日間で、東京国際フォラームを中心とする丸の内エリアに加え、新たに池袋エリアでも同時開催される。会場は、東京芸術劇場のほか、池袋西口公園、南池袋公園など。主催者であるLFJ運営委員会には豊島区も参画する。 14回目の開催となる18年のテーマは「UN MONDE NOUVEAU ― モンド・ヌーヴォー 新しい世界へ」。政治的圧力から亡命を余儀なくされた作曲家、自ら新天地を目指した作曲家たちにスポットを当てる。都内で行われたメディア向け懇談会に出席したアーティスティック・ディレクターのルネ・マルタンは、今回のコンセプトについて次のように述べた。 「“exile(亡命)”が今回のキーワードです。19〜20世紀には政治的事情によって亡命・移住を余儀なくされた作曲家がたくさんいます。ショパン、ラフマニノフ、シェーンベルク…。クレーサ、ウルマンなどテレジーン強制収容所に送られた作曲家たちも、時代に翻弄された存在として忘れてはなりません。一方、ドヴォルザークのように自らアメリカに移住した作曲家もいました。バロック期にはリュリ、ヘンデルなど新天地で活躍した人が多くいます。さらに、もうひとつ『精神的な亡命』というテーマがあります。とりわけ古典派、ロマン派の作曲家たちは自らの心の奥底に新たな世界を見出しました。彼らの精神世界における“exile”にも目を向けたいと思います」 東京国際フォーラムの最寄駅・有楽町と池袋は、東京メトロ有楽町線で19分。2つのエリアをハシゴすることも可能で、リピーターにとっても新たな楽しみが広がりそうだ。演奏曲、出演アーティストなどのプログラムの詳細は、18年2月に発表予定。ラ・フォル・ジュルネTOKYO2018http://www.lfj.jp/■「メセナ アワード2017」贈呈式 企業メセナ協議会が主催する「メセナ アワード2017」贈呈式が、2017年11月28日に都内で行われた。本賞は、優れたメセナ活動を行った企業や企業財団等に対して、その功績を称え、活動の一層の充実を祈念して贈られるもの。 〈メセナ大賞〉は、三菱地所株式会社の「三菱地所の 会見から ルネ・マルタン Photo:I.Sugimura/Tokyo MDEメセナ アワード2017贈呈式より写真提供:公益社団法人企業メセナ協議会

元のページ  ../index.html#146

このブックを見る