eぶらあぼ 2017.12月号
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64スーパー・ソリスト meet 新日本フィルウィーン=ベルリン ブラス・クインテット & 新日本フィルハーモニー交響楽団最高峰の名技の饗宴文:柴田克彦12/21(木)19:00 すみだトリフォニーホール問 トリフォニーホールチケットセンター03-5608-1212 http://www.triphony.com/ これは実に貴重な公演だ。世界最高峰の2大楽団の敏腕奏者が集った「ウィーン=ベルリン ブラス・クインテット」の面々が、協奏曲を披露する。金管楽器の協奏曲をまとめた公演は少なく、ましてや最高クラスの独奏で続けて聴く機会など極めて稀。それだけに、ここは見逃せない。 メンバーは、トランペットがガボール・タルケヴィ(ベルリン・フィル首席)、ギヨーム・ジェル(ベルリン・フィル)、ホルンがトーマス・イェプストル(ウィーン・フィル)、トロンボーンがディートマル・キューブルベック(ウィーン・フィル首席)、テューバがアレクサンダー・フォン・プットカマー(ベルリン・フィル)と超豪華。2012、13、15年の来日公演でも絶賛された彼らの魅力は、超絶的な技量や美麗な音色のみならず、伝統の様式を踏まえた品性漂う表現で、楽曲の真価を十全に伝えてくれること。それゆえ協奏曲への期待も大きい。 プログラムは、モーツァルトのホルン協奏曲第4番、ハイドンのトランペット協奏曲、グレンダールのトロンボーン協奏曲、アルチュニアンのトランペット協奏曲と、各楽器の代表作ばかり。音楽的な充実作が揃っているので、ブラスファン以外も必ずや楽しめる。さらにはクーツィールの金管五重奏のための協奏曲で、アンサンブルの妙技にも触れることができるし、この珍しい編成の曲のライヴは耳目双方で興味深い。加えて、生気に溢れた指揮者・下野竜也率いる新日本フィルも心強い援軍。10月には、木管五重奏の「アンサンブル・ウィーン=ベルリン」のメンバーが、同じシリーズで協奏曲を披露し、凄技の連続で驚嘆させた。さあ今度は金管の番だ!ウィーン=ベルリン ブラス・クインテット神奈川県民ホール 出張公演 1時間で楽しめる《魔笛》ハイライトオペラ《魔笛》のエッセンスを見事に凝縮文:室田尚子2018.2/1(木)14:00 南足柄市文化会館(小)2018.2/2(金)14:00 秦野市文化会館(小)問 チケットかながわ0570-015-415 http://www.kanagawa-arts.or.jp/ 毎回、意欲的な演目で多くの聴衆を魅了している神奈川県民ホール・オペラ・シリーズ。今年度は、ホールが改修工事で休館していることに伴い、横須賀芸術劇場と相模女子大学グリーンホールで来年3月に公演が実施される。演目は、2013年にオーストリアのリンツ州立劇場で初演され大評判となった宮本亜門演出によるモーツァルトの《魔笛》。この公演に先立って、2月に南足柄市文化会館と秦野市文化会館でハイライトコンサートが開催される。 《魔笛》は子どもから大人まで楽しめる冒険ファンタジーであり、またオペラ入門としても最適な作品。ハイライトコンサートは、〈復讐の炎は地獄のように我が心に燃え〉や〈パパパの二重唱〉など、誰もが一度は耳にしたことのあるアリアや重唱が次から次へと登場する1時間だ。しかも、本場ドイツのオペラハウスで経験を積み、日本でも多くの舞台を演出している太田麻衣子が演出を担当。観て楽しい、聴いて心にしみるドラマを作り上げる。セリフは日本語、歌はドイツ語だが日本語字幕がついているので安心してお出かけいただきたい。出演するのは、斉藤園子(夜の女王)、髙崎翔平(ザラストロ)、横森由衣(パミーナ)、澤原行正(タミーノ)、本田ゆりこ(パパゲーナ)、堤智洋(パパゲーノ)といった確かな実力を持った期待の若手歌手たち。フレッシュな魅力満載の彼らの中から「次のスター」が登場するかも?! チケット料金も1000円とたいへんお得。オペラの入門編としてまたとない機会であるのはもちろん、3月の本番の予習としても最適。このコンサートで、オペラの世界の扉を開いてみてはいかが。左より:斉藤園子 ©Yoshinobu Fukaya/aura. Y2/髙崎翔平/横森由衣 ©Shigeto Imura/澤原行正 ©T.Tairadate/本田ゆりこ/堤 智洋

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