eぶらあぼ 2017.12月号
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382大人気オペラ全幕と、傑作オペラの聴きどころを豪華に上演する「キエフ・オペラ」 ウクライナは、プロコフィエフが生まれ、チャイコフスキーがルーツとし、大ピアニストのウラディーミル・ホロヴィッツ、スヴャトスラフ・リヒテル等を輩出した世界屈指の音楽国家。この地を代表するウクライナ国立歌劇場も、ボリショイ、マリインスキーと並ぶ旧ソ連の3大歌劇場として、歴史的に重要な位置を占めている。1867年の創設当初から、ロシアの作品のみならず、イタリアやドイツものを積極的に上演。チャイコフスキーも自作を指揮して同劇場を称賛した。その実力はヨーロッパでは古くから知られ、各地で高い評価を受けている。 「キエフ・オペラ」(ウクライナ国立歌劇場オペラ)は、日本でも1991年を皮切りに5度来日し、延べ20万人以上を動員している。彼らの魅力は、スラヴ民族ならではの力強い声と重厚なステージ。どの歌手も高水準でパワーと表現力を兼ね備え、色彩的な舞台ともども、万人をストレートに魅了する。 今回はまず、同オペラの過去の来日で人気最上位のプッチーニ《トゥーランドット》とヴェルディ《椿姫》が披露される。中国を舞台にした異国情緒や名アリア〈誰も寝てはならぬ〉で知られる《トゥーランドット》は、当劇場のパワーが存分に発揮され、名旋律が続く悲恋の物語《椿姫》も、ドラマティックな表現力が生きる作品。共に誰もがオペラの醍醐味を堪能できる。各演目のキャスティ 世界に冠たる名門ウクライナ国立歌劇場が、創立150周年を記念して、これまでになく大規模な「来日公演フェスティバル」を行う。同劇場が誇る[オペラ][オーケストラ][バレエ]が、各々極め付けの名作と150周年記念特別プログラムを披露する陣容は、実に多彩かつ豪華。圧倒的な迫力で魅せるその舞台を、大いに満喫したい。ウクライナ国立歌劇場内観─オペラ&コンサート&バレエ、総勢300名による怒濤の引越し公演─創立150周年記念ウクライナ国立歌劇場来日公演フェスティバル文:柴田克彦

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