eぶらあぼ 2017.12月号
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194たとえ微力でも、社会に貢献ができれば。純粋で熱き思いがひとつとなり、2009年に始まり、東日本大震災の被災地などを支援してきたチャリティー。昨年に続き、子どもの貧困支援がテーマの9回目。ピアノ・構成の金井信を中心に、ソプラノ高橋薫子、メゾソプラノ向野由美子、テノール樋口達哉、バリトン北川辰彦、オルガン久世潤子ら名手たちが紡ぐ調べが、高さ39メートルの荘厳な大聖堂に響く。聖夜に向けて、特別な物語を体感したい。りゅーとぴあ専属オルガニストの山本真希が、指揮・テノールの辻裕久、ソプラノ佐竹由美、メゾソプラノ押見朋子、バリトン牧野正人、にいがた東響コーラス、首都圏ほかの主要楽団の名手約20人による特別編成アンサンブルと共に向き合う、キリストの生と死、復活が鮮烈に活写されたヘンデル「メサイア」の世界(抜粋)。「G線上のアリア」など、バッハの名曲を添えて。幼少からチェロを学び、中学生で演奏活動をスタート、東大と同大学院で美学を修め、ウィーン国立音大で室内楽を学んだ異色の経歴の平野玲音。現在はウィーンを拠点に活躍する彼女が、“音楽の街”の香りを運んでくるシリーズ「Reine pur」の第13回は、バッハの無伴奏組曲第4番、第1番、第5番を。「19世紀『マタイ』復活以前のあくまで自然な“ウィーンのバッハ”が、お気に召すことを祈りつつ…」と平野は言う。深見まどかは京都府出身、東京芸大からパリ国立高等音楽院に学び、現在は名手マリア・ジョアン・ピリスの薫陶を受ける実力派ピアニスト。ドビュッシー「前奏曲集第1巻・第2巻」(全曲)、この傑作に触発された現代フランスのフィリップ・ルルー作品の日本初演、メンデルスゾーン「ロンド・カプリチオーソ」、スクリャービン「ソナタ第5番」と時空を超えた音の旅を通じ、青山音楽賞新人賞受賞の研修成果を披露する。月の12りゅーとぴあ☆オルガン・クリスマスコンサート2017 MESSIAH メサイア(抜粋)レ・クロッシュ クリスマスコンサート~ピアノ&チェロの世界~「21世紀のコンセール・スピリチュエル-音楽の力-」第2回 エディクソン・ルイース(コントラバス) 菊池洋子(ピアノ)ホープウィズ クリスマスチャリティーコンサート ~癒しへの誘い vol.9~2012年度青山音楽賞新人賞受賞 研修成果披露演奏会 深見まどか(ピアノ)Reine pur 第13回 「“復活”前のバッハ」平野玲音(チェロ)12/2(土)17:00 りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館12/10(日)16:00 南麻布セントレホール12/5(火)19:00 代官山ヒルサイドプラザホール12/4(月)19:00東京カテドラル関口教会 聖マリア大聖堂12/10(日)14:30 京都/青山音楽記念館バロックザール12/8(金)19:15 sonorium文:笹田和人山本真希辻 裕久高橋薫子樋口達哉©篠原栄治©Sumiyo Ida18世紀フランスの画期的な連続演奏会「コンセール・スピリチュエル」の精神を、現代に甦らせるシリーズ第2弾。ベネズエラの音楽教育システム「エル・システマ」を経て、弱冠17歳でベルリン・フィル正団員となったコントラバスの名手エディクソン・ルイースが登場。日本が誇るピアノの名手・菊池洋子とのデュオで、バッハからピアソラ、現代のエフライン・オシェールが彼に捧げた作品まで、多彩に披露する。エディクソン・ルイース菊池洋子 ©Marco Borggreve美しいハーモニーの贈り物が、今年も届く。幼少時に渡仏し、共にパリ国立高等音楽院などに学んだ、ピアノの宇宿真紀子とチェロの宇宿直彰による姉弟デュオ「レ・クロッシュ」。恒例のクリスマスのステージは、バッハ「アリオーソ」やフォーレ「ロマンス」ほか、選りすぐりの佳品を披露するほか、直彰がバッハ「無伴奏組曲第3番」からプレリュード、真紀子がドビュッシー「月の光」等と、ソロ作品も堪能させてくれる。
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