eぶらあぼ 2017.12月号
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158■第4回高松国際ピアノコンクール記者 発表 2018年3月に開催される第4回高松国際ピアノコンクールの記者発表が、10月25日に都内で行われた。同コンクールは06年にスタートし、4年に一度開催されている。今回は、32の国と地域から332名の応募があり、DVDによる予備審査を経て12月に出場者が決定する。 今回、第3次審査に初めて室内楽が導入されるほか、気鋭の作曲家・小出稚子によるコンクール委嘱作品「“un poco don poco”(うんぽこどんぽこ)」も課題曲となっている。香川県での開催らしく、うどんを打つリズムと狸の腹鼓の音色「ポンポコポン」をイメージした作品だという。 会見では、副審査員長の青柳晋がコンクールへの期待を次のように述べた。 「国際連盟への加入や前回の覇者ムン・ジヨンさんの活躍もあって、コンクールの認知度が非常に高まっており、これまでで最高の演奏水準が期待されると思います。第1次審査からサンポートホール高松の大ホールで実施されるので、楽器をフルに鳴らす能力が求められますし、室内楽ではアンサンブル能力も試されます。また、小出さんの作品をどんな風に演奏してくれるのかも楽しみです」 審査員は岩崎淑を審査員長に、池辺晋一郎、ダン・タイ・ソン、ミハイル・ヴォスクレセンスキーほか全10名。高松国際ピアノコンクールhttp://www.tipc.jp/■東響が新シーズンラインナップを発表 東京交響楽団は10月17日に会見を開き、2018/ 19年シーズンラインナップを発表した。会見では大野順二専務理事・楽団長の挨拶につづき、音楽監督のジョナサン・ノットが新シーズンに向けて次のように語った。 「私とオーケストラという“愛すべき音楽家の集まり”は一つのチームであり、新シーズンの演目は我々ができるだけ多くの経験を共有できるようにと考えた。異なる様式、異なる時代、異なる演奏法による作品を集めた。聴衆の皆さんが音楽の旅に出かけるための道しるべになれると思っている」 ノットは6演目10公演に登場するが、特にシーズン開幕でのマーラー交響曲第10番「アダージョ」とブルックナー同第9番の組み合わせ(2018.4/14, 4/15)は要注目で、マエストロは「作曲家の“最後の”作品に惹かれる。あの世に近づいている人間の心理に興味を感じる」と、意味深長な発言。そして東響では13年ぶりとなるエルガーの大作オラトリオ「ゲロンティアスの夢」も話題だ(7/14,7/15)。死期が迫った主人公の神秘的体験と魂の浄化を描いた宗教曲でノットにとって初挑戦となる。 このほかにもドイツのピアニスト、ヒンリッヒ・アルパースを迎えてのブラームスのピアノ協奏曲第2番とラフマニノフ交響曲第2番(11/3,11/4)、フルートが活躍するヴァレーズの「密度21.5」と「アメリカ」、R.シュトラウス「英雄の生涯」(12/15,12/16)など独創的なプロが並ぶ。また、正指揮者の飯森範親はウド・ツィンマーマンの歌劇《白いバラ》(日本初演)(5/26)、桂冠指揮者ユベール・スダーンはウィーン古典派プロ(9/22,9/23)を披露する。東京交響楽団http://tokyosymphony.jp/■都響が2018年度楽季ラインナップを 発表 東京都交響楽団は2018年度楽季ラインナップと、アラン・ギルバートの首席客演指揮者就任を発表した。任期は18年4月から21年3月まで。 ギルバートはこれまでにニューヨーク・フィル音楽監督、ロイヤル・ストックホルム・フィル首席指揮者(現・桂冠指揮者)などを歴任。19年9月から会見から ジョナサン・ノット©平舘 平アラン・ギルバート©平舘 平会見から 青柳 晋(コンクール副審査員長)Photo:I.Sugimura/Tokyo MDE

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