eぶらあぼ 2017.12月号
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157コンサートギャラリーチケット発売情報News & TopicsNew Release Selection新譜情報TV&FMBooks海外公演情報今月の注目公演公演情報ぶらPAL■びわ湖ホールが来年3月に《ワルキュー レ》を上演 滋賀県立芸術劇場びわ湖ホールは、プロデュースオペラとして来年の3月3日と4日にワーグナー《ニーベルングの指環》第1日《ワルキューレ》を上演する。10月25日、制作発表会が開かれた。登壇者は山中隆(びわ湖ホール館長)、沼尻竜典(指揮者/びわ湖ホール芸術監督)、池田香織(メゾソプラノ/ブリュンヒルデ役)の3名。 最初に山中の挨拶。「今回の《ワルキューレ》はホール始まって以来の好調な売れ行き。今年3月に上演した序夜《ラインの黄金》もチケット完売、高い評価を受け手応えを感じている。続く《ジークフリート》《神々の黄昏》までしっかりと成功させ名実ともに“日本のバイロイト”を目指したい」 続いて沼尻は「《ラインの黄金》が注目されたのは、ミヒャエル・ハンペさんがト書き通りの舞台を実現させたのも大きな要因。《ワルキューレ》でもワーグナーが思い描いていることに近づけられると思う」と演出への期待を寄せ、「びわ湖ホールが《指環》のできる劇場と認められたのは嬉しい。《黄昏》まで完走したい」と意気込む。 《ワルキューレ》の聴きどころについては「1幕最後のジークリンデとジークムントが駆け落ちする場面、そして映画『地獄の黙示録』で使われた〈ワルキューレの騎行〉や〈魔の炎の音楽〉」と語った。 そして池田のコメント。「ブリュンヒルデはロールデビュー。ワーグナーはスペクタクルというか豪華で、映像的なサウンドは普段クラシックを聴かない方も楽しめると思う」。ブリュンヒルデ役について「《黄昏》での描かれ方と違い、ここではキャピキャピした部分があり苦手意識があったが、勉強していくうちに様々な葛藤や父親への愛などが分かり、練習が楽しくなってきている」と意欲を見せた。滋賀県立芸術劇場びわ湖ホールhttp://www.biwako-hall.or.jp/■日生劇場がNISSAY OPERA 2018 「モーツァルト・シリーズ」を上演 日生劇場は来年、開場55周年を記念し、「モーツァルト・シリーズ」と題して、オペラ4作品を上演する。11月2日、記者発表会が行われた。併せて今年12月からの粟國淳の芸術参与就任も発表された。登壇者は武田嘉和(ニッセイ文化振興財団理事長)、高島勲(日生劇場現芸術参与)、粟國淳(同次期芸術参与)、中山欽吾(東京二期会理事長)、折江忠道(藤原歌劇団総監督)、菅尾友(演出家)、佐藤美晴(同)の7名。 同シリーズで上演されるのは《魔笛》(2018.6/16, 6/17)(指揮:沼尻竜典)、《ドン・ジョヴァンニ》(6/30〜7/3)(藤原歌劇団・日生劇場共同主催公演/指揮:ジュゼッペ・サッバティーニ)、《コジ・ファン・トゥッテ》(11/10,11/11)(指揮・広上淳一)、《後宮からの逃走》(11/22〜11/25)(東京二期会主催・日生劇場共催公演/指揮:下野竜也)。 最初に武田が「日生劇場はモーツァルトのオペラを数多く上演した歴史がある。舞台機構など様々な点でモーツァルトとの相性が良い。この劇場がオペラ団体間の交流の場となればよいと思う」と挨拶。続いて登壇者たちのコメント。「《魔笛》は初めてオペラを観る人に相応しい作品。オペラ鑑賞教室で中・高生にとって新しい体験となる舞台を創りあげたい」(佐藤)。「藤原歌劇団が日本初演した《ドン・ジョヴァンニ》を上演することに運命的なものを感じる。イタリア語のレチタティーヴォあってこその舞台を実践したい」(折江)。「若いキャストによる現代的で新しい《コジ》になると思う」(菅尾)。「二期会の《後宮》初演は1976年、日生劇場での公演。この劇場で多くの若手歌手が育っているのは嬉しい」(中山)。 また、この日、開場55周年記念ロゴマークも発表された。日生劇場http://www.nissaytheatre.or.jp/会見から 左より:武田嘉和、高島 勲 、粟國 淳、中山欽吾 、菅尾 友、折江忠道、佐藤美晴Photo:I.Sugimura/Tokyo MDE会見から 左より:沼尻竜典(びわ湖ホール芸術監督)、池田香織(メゾソプラノ)、山中 隆(びわ湖ホール館長)Photo:M.Terashi/Tokyo MDE

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