eぶらあぼ 2017.12月号
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156会は、東京春祭と協力関係を進めていき、20年に向けて上野の名を世界に広げて、文化芸術の発信拠点にしていきたい」との旨を説明した。東京・春・音楽祭ー東京のオペラの森2018ーhttp://www.tokyo-harusai.com/■世界文化賞受賞者が会見 第29回「高松宮殿下記念世界文化賞」(主催:公益財団法人日本美術協会)の受賞者合同記者会見が10月17日、都内で行われた。演劇・映像部門のミハイル・バリシニコフ、絵画部門のシリン・ネシャット、彫刻部門のエル・アナツイ、建築部門のラファエル・モネオ、音楽部門のユッスー・ンドゥールの、各部門受賞者が出席した。 バリシニコフは合同記者会見で受賞について次のように語った。 「個人としても、仕事の上でも、深く影響を与えてくれた日本に戻ってくることができて幸せです。1969年にロシアのキーロフ・バレエの一員として初めて来日して以来、芸術的自由を求めてアメリカに移った後も何度も日本を訪れています。なかでも偉大なる日本の芸術家、坂東玉三郎さんと共演し、彼の隣で踊ることができたことは非常に光栄です。彼からは生涯を通じて影響を受けたと思っています。 この賞は、私個人ではなく、何百万もの芸術を推進している方々を代表して選ばれたと思っています。これは栄誉であるとともに責任を伴うものです。このひ弱で混乱に満ちた時代において、芸術家として最善を尽くすとともに、不正義と闘う人々、残虐と闘う人々を支え、世界の最前線に立って正しい時、正しい言葉で芸術を伝えることが重要だと考えます」高松宮殿下記念世界文化賞http://www.praemiumimperiale.org/■東京・春・音楽祭ー東京のオペラの森  2018ー概要発表 2018年3月16日から4月15日にかけて東京文化会館をはじめ、東京芸術大学奏楽堂、上野学園 石橋メモリアルホール、東京国立博物館など、上野の杜を舞台に開催される「東京・春・音楽祭ー東京のオペラの森2018ー」(以下、東京春祭)の概要発表会が10月26日に行われ、鈴木幸一・同音楽祭実行委員長、村上耿二・上野「文化の杜」新構想実行委員会事務局長らが出席した。 東京春祭2018の公演数は無料公演を含めて約150。ウルフ・シルマー指揮、クラウス・フロリアン・フォークトが出演する「東京春祭ワーグナー・シリーズ vol.9《ローエングリン》」、エリーザベト・レオンスカヤによる6回のシューベルトのピアノ・ソナタ演奏会など、大型企画が並ぶ。 鈴木は「19年は東京春祭15周年、20年は東京オリンピックということで、今後も上野全体を盛り上げていきたい」との抱負を語り、ワーグナー・シリーズについては「残る演目は3つ。18年の《ローエングリン》に続き、19年は《さまよえるオランダ人》、20年は《トリスタンとイゾルデ》。《トリスタン》の指揮はマレク・ヤノフスキさんが務めます」と今後の予定を明らかにした。 さらに、19年から3年間、リッカルド・ムーティとイタリア・オペラ・アカデミーを開催することも発表された。教えるだけでなく実際にヴェルディのオペラも演奏するとのことで、19年は《リゴレット》、20年は《マクベス》、21年は《仮面舞踏会》を予定している。 続けて村上は、「上野『文化の杜』新構想実行委員会見から 左より:村上耿二(上野「文化の杜」新構想実行委員会事務局長)、鈴木幸一(東京・春・音楽祭実行委員会実行委員長)、二木忠男(上野観光連盟会長)、桑原 浩(公益財団法人日本オーケストラ連盟常務理事・事務局長) Photo:J.Otsuka/Tokyo MDE会見から 左より:ミハイル・バリシニコフ、ユッスー・ンドゥール、シリン・ネシャット、ラファエル・モネオ、エル・アナツイPhoto:J.Otsuka/Tokyo MDE

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