eぶらあぼ 2017.10月号
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236弾けるように瑞々しい、アジアの才能を体感したい。「ローマー・ストリング・クァルテット」は、メンバー全員が香港で生まれ育ち、2013年のデビュー以来、作曲やアートと先鋭的なコラボレートを行うなど、現地で最も活発に活動する弦楽四重奏団の一つ。初の来日公演は、ハイドンの第1番「狩り」や第77番「皇帝」、エルヴィン・シュルホフの第1番、ウェーベルン「緩徐楽章」と、古今の弦楽四重奏曲の傑作を集めて。創立から70年余の歴史を誇り、ハインリヒ・シフら巨匠のもと、アンサンブルと音楽性を磨き上げてきたウィーン室内管弦楽団。現首席指揮者のシュテファン・ブラダーに率いられての来日ステージは、交響曲第29番やディヴェルティメント ニ長調(K.136)ほか、モーツァルトの名曲を軸に。さらに、テレビ出演などマルチな活躍で知られる人気ピアニスト、清塚信也をソリストに据えての、ショパンの協奏曲第1番も楽しみだ。桐朋学園大からパリ・エコールノルマル音楽院に学び、繊細で色彩豊かな響きを紡ぐ安倍葉子。生誕150年から没後100年に向けて、ピアノ作品全曲を中心に、全7回の「ドビュッシー・シリーズ2012-18」も6回目に。佐藤ゆう子の語りと共に綴る、「おもちゃ箱」のほか「ピアノのために」など。ムソルグスキー「村にて」、ショパンの練習曲集(作品25)から第1、8番ほか、ドビュッシーが敬愛した作曲家の作品を交えて。銀の光のごとき美声で、オペラや宗教作品、古楽で活躍するソプラノの柴山晴美。今秋、つのだたかし(ギター/リュート/ビウエラ)と共演した初アルバム『スペインのロマンセ』をリリースする。つのだを伴っての、記念コンサート。カタルーニャ民謡「鳥の歌」「嘆き」や「ああ輝く月」などルネサンスの歌、「ソロンゴ」ほかロルカ編曲のアンダルシア民謡から古典派まで、収録作品を軸に、じっくり聴かせる。「時代ごとの響きの違いを、どう的確に表現するか、常に腐心している。特に、拍節感の重視と、その表現が鍵となる」。ウクライナ出身の人気ピアニスト、コンスタンチン・リフシッツは言う。世界の檜舞台で活躍の一方、近年は指揮者としても高い評価を得る。そんな名匠が対峙する、ベートーヴェンの変奏曲の変幻自在の世界。創作主題によるハ短調(WoO.80)と「ディアベッリ」の2曲に、ソナタ第32番を挟み込む。月の10シュテファン・ブラダー(指揮) 清塚信也(ピアノ)ウィーン室内管弦楽団安倍葉子(ピアノ)ドビュッシーの敬愛した作曲家コンスタンチン・リフシッツ(ピアノ)変幻自在~ベートーヴェンの変奏曲の世界ローマー・ストリング・クァルテット日本公演 2017長島剛子(ソプラノ) 梅本 実(ピアノ)リートデュオ・リサイタルHakuju Hall 古楽ルネサンス2017 第2回柴山晴美(ソプラノ) CDリリース記念コンサート10/4(水)19:00 紀尾井ホール10/9(月・祝)14:00 王子ホール10/6(金)19:00 ヤマハホール10/6(金)19:00 トッパンホール10/10(火)19:00 札幌/ふきのとうホール10/16(月)19:00 王子ホール10/8(日)14:00 Hakuju Hall文:笹田和人 ©篠原栄治左より:シュテファン・ブラダー ©www.lukasbeck.com/清塚信也左より:柴山晴美/つのだたかし(共に©Shoji Onuma)ソプラノの長島剛子とピアノの梅本実、2人の名手による「リートデュオ」は1998年に結成。2001年からのシリーズ「世紀末から20世紀へ」は昨秋までに15回を重ね、37人の作曲家を紹介した。今回の公演は、新シリーズ「ロマン派から20世紀へ」の初回。シューマン「女の愛と生涯」にヴォルフ「ミニョンの4つの歌」、R.シュトラウス「オフェリアの3つの歌」ほか、彩り豊かで薫り高い名品の数々を。長島剛子梅本 実 ©Sona Andreasya

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