eぶらあぼ 2017.10月号
213/231

22412月の見もの・聴きもの2017年12月の曽そし雌裕ひろかず一 編〔Ⅰ〕オーストリアウィーン国立歌劇場◎12月1、4、7日 R.シュトラウス:ダフネ 指/S.ヤング、演出/N.ジョエル、出/D.P.ドゥミトレスク、J.ベヒレ、A.シャーガー12月2日 ドニゼッティ:ドン・パスクワーレ 指/E.ピド、演出/I.ブルック、出/A.コルベッリ、M.ミロノフ、D.ファリー★◎12月3、6、9、12、15日 ベルク:ルル[プレミエ] 指/I.メッツマッハー、演出/W.デッカー、出/A.アイヒェンホルツ、A.デノーケ、B.スコウフス、H.リッペルト、F.グルントヘーバー◎12月5、8、11日 R.シュトラウス:エレクトラ指/I.メッツマッハー、演出/U.E.ラウフェンベルク、出/W.マイヤー、E.ヘルリツィウス、A.ピエチョンカ、N.エルンスト◎12月10、13、16、19日 R.シュトラウス:ばらの騎士 指/A.フィッシャー、演出/O.シェンク、出/K.ストヤノヴァ、P.ローズ、S.ホウトツェール、E.モーリー◎12月14、18、21日 R.シュトラウス:アラベラ指/P.ランゲ、演出/S.E.ベヒトルフ、出/K.リドル、A.ガプラー12月22、25、27、29日 モーツァルト:魔笛 指/A.フィッシャー、演出/M.レーゼ、P.コリエ、出/R.パーペ、J.シュナイダー、H.ファヒマ、O.ベスメルトナ、T.タツル12月26、30日 フンパーディンク:ヘンゼルとグレーテル 指/P.ランゲ、演出/A.ノーブル、出/A.エレート、D.エレン12月31日 J.シュトラウスⅡ:こうもり 指/C.マイスター、演出/O.シェンク、出/M.シャーデ、L.エイキン、J.シュメッケンベッヒャー、S.ホウトツェール、B.ブルンスウィーン・フォルクスオーパー12月1(19:00)日 モーツァルト:魔笛 演出/H.ローナー12月2(19:00)日 レハール:メリー・ウィドウ演出/M.A.マレッリ12月3(16:00)、6(11:00)、8(16:00)、10(16:00)、14(18:30)、18(18:00)日 P.ヴァルティノーニ:ピノッキオ[17年11月プレミエ] 演出/P.M.クレン12月4(19:00)、31(13:30+19:00)日 J.シュトラウスⅡ:こうもり 演出/R.ヘルツル、新校訂演出/H.ツェドニク12月5(19:00)、13(19:00)日 F.レッサー:努力しないで出世する方法(ミュージカル) 演出/M.ダヴィッズ12月7(19:30)、11(19:00)日 ヴェルディ:群盗[17年10月プレミエ] 演出/A.シューリン12月16(18:00)、20(11:00)、23(18:00)、25(17:00)、28(18:30)日 フンパーディンク:ヘンゼルとグレーテル 演出/K.デンヒ12月17(14:00+18:00)日 〔クリスマス・コンサート〕12月21(19:00)、30(19:00)日 F.レーヴェ:マイ・フェア・レディ(ミュージカル) 演出/R.ヘルツル12月26(19:00)、29(19:30)日 ベナツキー:アクセル、天国の扉の前で 演出/P.ルントアン・デア・ウィーン劇場★◎12月1(19:00)、7(19:00)、17(19:00)、29(19:00)日 ワーグナー:ハーゲン(リング3部作:特別編曲版)[プレミエ] 指/C.トリンクス、演出/T.ギュルバカ、出/S.ヨン、D.ブレンナ、I.ブリンベリ、A.アルギリス、M.ヴィンクラー、演奏/ウィーン放送響★◎12月2(18:30)、9(18:30)、18(18:30)、30(18:30)日 ワーグナー:ジークフリート(リング3部作:特別編曲版)[プレミエ] 指/C.トリンクス、演出/T.ギュルバカ、出/D.ブレンナ、L.キンカ、S.コツァン、I.ブリンベリ、A.アルギリス、演奏/ウィーン放送響★◎12月3(18:30)、10(18:30)、19(18:30)、31(18:30)日 ワーグナー:ブリュンヒルデ(リング3部作:特別編曲版)[プレミエ]指/C.トリンクス、演出/T.ギュルバカ、出/I.ブリンベリ、A.アルギリス、D.ブレンナ、A.B.ソルヴァング、演奏/ウィーン放送響◎12月15(19:00)日 ベートーヴェン:エグモント(2人のパフォーマーによる演技付) 指/L.エキルベイ、演出/S.シャヴリエ、独/S.テホヴァルS、出/S.キンスマン(パフォーマー)、N.ウェア(パフォーマー)、演奏/インスラ・オーケストラ  ウィーン・フィル[会場:ムジークフェライン(ウィーン)]◎12月8(11:00)、9(15:30)、10(11:00)日R.ムーティ指揮 ハイドン:交響曲第39番、ブルックナー:交響曲第9番◎12月30(11:00)、31(19:30)日 R.ムーティ指揮(プレ・ニューイヤー・コンサート(30日)/ジルヴェスター・コンサート(31日))J.シュトラウス・ファミリー他の作品ウィーン響[会場:(MV)=ムジークフェライン(ウィーン)、(KH)=コンツェルトハウス(ウィーン)]〔11月26日-12月3日:日本・韓国公演〕(省略)12月13(19:30)(MV)、14(19:30)(MV)、15(19:30)(MV)日 P.ジョルダン指揮 クルターク:Stele(シュテレ)、ブルックナー:交響曲第7番12月19(19:30)(KH)、21(19:30)(KH)、22(19:30)(KH)日 P.ジョルダン指揮 ウィーン・ジングアカデミー バッハ:クリスマス・オラトリオ〜第1曲-第3曲 独/J.クライターS、W.レームクールA、W.ギューラT、A.シューエンBr12月30(20:00)(KH)、31(19:00)(KH)日P.ジョルダン指揮(ジルヴェスター・コンサート(31日)) ベートーヴェン:交響曲第2番(30日のみ)、第9番「合唱」 独/E.マギーS、【本文中の記号】★=プレミエ[新演出]公演、◎=注目公演 12月の注目公演は、まずはウィーン国立歌劇場から。この劇場今期2本目の新演出オペラとしてベルクの「ルル」(3幕版)が上演される。ルル役は、すでに英国ロイヤル・オペラで同役を歌って好評を博したスウェーデン人ソプラノのアグネタ・アイヒェンホルツ。それにデノーケやらスコウフスやらリッペルトやらグルントヘーバーといったベテラン歌手陣が脇を固め、近現代オペラで同劇場の信頼厚いメッツマッハーが棒を担当するというまあ手堅い布陣。あとはヴィリー・デッカーの演出が冴えれば(とはいっても、2005年まで同劇場で上演されていた彼の2幕版ルルの演出を3幕版に手直ししたもののようだ。3幕版としてはすでにパリ・オペラ座で上演されており評判も良い)万々歳のプレミエとなろう。一方で、この「ルル」を除くと、同劇場の12月は、まるでリヒャルト・シュトラウス記念月間のようなラインナップ。「ダフネ」「エレクトラ」「ばらの騎士」「アラベラ」の4本のオペラがまとめてかかる。中でも、メッツマッハーの指揮する「エレクトラ」がマイヤー、ヘルリツィウス、ピエチョンカと強力女声陣を揃えて期待感を高めている。さらに、アン・デア・ウィーン劇場では、ワーグナーの「ニーベルングの指環」を、物語の鍵となる登場人物3人「ハーゲン」「ジークフリート」「ブリュンヒルデ」に着目して、その人物名をタイトルとする独自にアレンジした特別編曲版3部作が上演される。しかも演出担当が奇才(か奇人か)のギュルバカなので、まずは一筋縄ではいかない上演となろう。いやはや、ウィーンの12月はなかなか面白い。ちなみに、ウィーン・フィルのニューイヤー・コンサートを担当するムーティは12月中から同オケの定期にも登場する。 さて、形の上では10月に再開場を果たすベルリン州立歌劇場は、12月8日の「ヘンゼルとグレーテル」、9日の「ポッペアの戴冠」の連続新演出上演で、やっと本格的なシーズン始動となる。それに先立つ7日には、劇場創設275周年(!)記念としてバレンボイムが事実上の再開場祝賀コンサートを開く。また、同じベルリンでも、ベルリン・ドイツ・オペラの方では「グルベローヴァ舞台デビュー50周年記念」のオペラ・アリア・コンサートも華々しく開催される。一方、ベルリン・フィルはハイティンク指揮のマーラー9番、ピリスのピアノ独奏によるモーツァルトの協奏曲、ティーレマンのベートーヴェン「ミサ・ソレムニス」、ラトルによる凝ったジルヴェスター・コンサート…と、ベルリンはベルリンでこれまた多くの注目公演が並ぶ。 その他オペラでは、ドレスデン・ゼンパーオーパーのコルンゴルト「死の都」、フランクフルト歌劇場のヘルマン「賃借人」(大野和士指揮)、キリル・ペトレンコの振るバイエルン州立歌劇場のプッチーニ3部作(外套/修道女アンジェリカ/ジャンニ・スキッキ)、ミュンヘン・フィルでゲルギエフが振るシチェドリンの「魅せられた旅人」(演奏会形式)、シュトゥットガルト歌劇場でコンヴィチュニーが演出するケルビーニ「メデア」のプレミエ公演、ミラノ・スカラ座の開幕公演となるジョルダーノの「アンドレア・シェニエ」(ネトレプコ出演予定)、スペイン・テアトロ・レアルの「ラ・ボエーム」(リチャード・ジョーンズ演出)、パリ・シャンゼリゼ劇場の「セヴィリアの理髪師」、ニューヨーク・メトの「トスカ」など多士済々。 オーケストラでは、ラトル=ロンドン響のバーンスタイン作品、サロネン=フィルハーモニア管のシベリウス「レンミンカイネン組曲」、ブロムシュテット=バイエルン放送響のステンハンマルの交響曲第2番などが楽しみ。古楽系では、ヘンゲルブロック指揮バルタザール・ノイマン・アンサンブル&合唱団の「聖母マリアの夕べの祈り」、クリスティ指揮レザール・フロリサンの「倫理的・宗教的な森」の両モンテヴェルディ作品のツアーが断然の注目公演。(曽雌裕一・そしひろかず)(コメントできなかった注目公演も多いので本文の◎印をご参照下さい)

元のページ  ../index.html#213

このブックを見る