eぶらあぼ 2017.9月号
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3811/12(日)13:30 イイノホール問 プロアルテムジケ03-3943-6677 http://www.proarte.co.jp/佐野優子(ピアノ) しなやかな音楽性と個性的なプログラムで魅了文:笹田和人©武藤 章 瑞々しい感性の煌めきを、体感できよう。佐野優子は東京芸大から英国王立音楽院修士課程に学び、一昨年に首席で修了したばかりという新進気鋭のピアニスト。日本初演を含めた個性的なプログラムによるリサイタルで、本場で磨き上げた、しなやかな音楽性と卓越した技巧を披露する。 東京芸大在学中にも、リスト音楽院で1年間、研鑽を積んだ佐野。英国王立音楽院からの奨学金を受けて留学後も、1年目で最高位となり、モード・ホーンズビー賞を受賞するなど、稀有な実力を示してきた。昨年には、ディプロマ課程での最高位を審査員満場一致で取得。現在は日本とロンドンを拠点に、精力的な活動を展開する。 リサイタルでは、イギリス出身の人気ピアニスト・作曲家、スティーブン・ハフ(1961~)のソナタ第1番「折れた枝」を日本初演。ドビュッシー「喜びの島」やシューマン「ダヴィッド同盟舞曲集」、リスト「エステ荘の噴水」、ショパン「幻想ポロネーズ」「マズルカ第38番」など、彩り豊かな作品から、多層的かつ個性的な響きの世界を構築する。10/4(水)15:00 19:30 Hakuju Hall問 Hakuju Hallチケットセンター  03-5478-8700http://www.hakujuhall.jp/第129回 スーパー・リクライニング・コンサート 青木尚佳(ヴァイオリン)リラックスしながら話題の新人の演奏を満喫文:林 昌英©井村重人 2009年日本音楽コンクール優勝、そして14年ロン=ティボー=クレスパン国際コンクールで第2位に入賞し、鮮烈にその名を知らしめたヴァイオリニスト青木尚佳が、Hakuju Hallの人気シリーズに登場する。まだ20代半ばながら、卓越した技巧、凛とした佇まいに熱意のこもった表現で聴く人を魅了する青木。桐朋学園大学ソリスト・ディプロマコース修了後、11年から英国王立音楽大学・大学院で研鑽を積みながら、国内では既にN響、東響、大阪フィルなどとの共演やリサイタルなどの公演を重ね、確かな歩みを続ける期待の逸材だ。 10月の公演は、フランスで学び内外の演奏家の信頼も厚い中島由紀のピアノを得ての、R.シュトラウスのソナタをメインとしたプログラム。その前にはモーツァルト、クライスラーの小品にR.シュトラウス《ばらの騎士》のワルツと、ウィーンの粋を聴かせる有名曲が並ぶのも心憎い。ゆったりしたリクライニング・シートで、青木の華麗な名技とともに、ふたりの醸すヨーロッパの空気を味わう1時間となる。9/17(日)14:00 代官山ヒルサイドプラザホール問 ヴォートル・チケットセンター  03-5355-128021世紀のコンセール・スピリチュエル ―音楽の力―第1回 ライナー・ホーネック(ヴァイオリン)親密な空間で上質な音楽体験を文:林 昌英菊池洋子©Marco Borggreve 代官山駅近く、文化拠点としても知られる「代官山ヒルサイドテラス」内にある「ヒルサイドプラザホール」。200名に満たない親密な空間で、年3回の新たなコンサート・シリーズ「21世紀のコンセール・スピリチュエル —音楽の力—」が今秋から開催される。 記念すべき初回、9月の公演は、ウィーン・フィルのコンサートマスター、ライナー・ホーネックのリサイタル。近年は指揮活動も盛んだが、彼がヴァイオリンを手にしたときの求心力はやはり比類がなく、そのオーラを間近で体験できる。彼の名技と美音はもちろんのこと、ピアノの菊池洋子が会場のベーゼンドルファーで共演、ベートーヴェンやR.シュトラウスのソナタなどでウィーンの響きを堪能させてくれる。 シリーズ第2回(12/5)は、ベネズエラ出身でベルリン・フィル最年少入団を果たしたコントラバスの名手、エディクソン・ルイース。来年の第3回(2018.2/25)は、ジャズ・ピアニスト、ジョバンニ・ミラバッシと、世界的奏者が続く。この「音楽の新しい楽しみ方を提示する試み」に注目だ。ライナー・ホーネック © Kioi Hall, Tokyo

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