eぶらあぼ 2017.9月号
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29 プロジェクトは以下のようにすすめられている。 まず、「動物の謝肉祭」に登場する動物またはキャラクターに“対になる動物”を公募する。たとえば「象」の対なら「ハムスター」といったように。そして、その新しい動物とオリジナルの動物のアートワーク(彫刻や絵など)を美術部の生徒が制作し、動物たちにまつわる“物語”も創作する。作曲家はこのアートワークと物語をもとに、新しい動物の音楽を作曲。公演では、サン=サーンスの原曲に続いて対になる新作が演奏される。 プロジェクトに応募してきたのが16校だったため、原曲の「動物の謝肉祭」(終曲も含めて14曲)にはない「セミフィナーレ」「間奏曲」の2曲も加え、新たに作曲する曲は全16曲とした。この2曲にも新たなアートワークと物語を学生が創作し、それをもとに作曲家が新曲を書き下ろす。 福井工業大学デザイン学科の学生が曲ごとに映像作品を制作。本番では、生演奏に合わせ、その映像をスクリーンに投影する。脚本家は生徒たちが考えた様々な物語を集約して、朗読のための一連の物語にまとめる。 そして公演では、映像が流れる中、「越のルビーアーティスト」10人による室内オーケストラが新曲を含めた全30曲を演奏し、俳優が生演奏に合わせて物語を朗読する。宮下奈都 ©堀田芳香文:大塚正昭開館20周年記念 越のルビー音楽祭スペシャル第1部:弦楽アンサンブル・ステージ、記念式典 第2部:未来の動物の謝肉祭9/23(土・祝)14:00 ハーモニーホールふくい問 ハーモニーホールふくい0776-38-8288 http://www.hhf.jp/作曲家・笠松泰洋、小説家・宮下奈都らが参加 参加している作曲家4人は、幅広いフィールドで活躍する笠松泰洋を筆頭に、星谷丈生、旭井翔一、山下真実。新作16曲をそれぞれ4曲ずつ担当する。脚本は、『羊と鋼の森』で2016年本屋大賞を受賞した小説家の宮下奈都(福井県出身)が執筆。なんとも豪華なメンバーが学生との創作活動に挑んでいるのだ。 笠松は「子どもたちが自分なりの感性をちゃんと持っているので、話を聞いていてとても面白い。僕らが書いた新作を聴いた彼らが『自分たちが創った美術作品への気持ちが音楽で表現されている』と思ってくれればいいですね。また、福井の後輩作曲家たちと一緒に仕事ができるというのもうれしいです」とコメントしている。 中高生・大学生にプロの作曲家・作家・演奏家が様々なプロセスで意見を交換させ触発しあいながら、まったく新しい「動物の謝肉祭」を組み立てていくのだ。右から左といった時間軸に沿って一方向にのみプロジェクトが醸成されていくのではなく、様々な場所で同時多発的にクリエイティブな活動が行われ、それが公演当日にやっとひとつの作品として結実する。新しい協働のカタチかもしれない。会場でその瞬間を見届けてみてはいかがだろうか。この公演に「ぶらあぼ」読者5組10名様をご招待!【応募方法】ハガキまたはメール [共通記載事項]郵便番号、住所、名前、年齢、職業1)ハガキでの応募〒102-0073 東京都千代田区九段北1-3-6 セーキビル4F 東京MDE ぶらあぼ編集部『ハーモニーホールふくい』プレゼント係2)メールでの応募件名を「ハーモニーホールふくいプレゼント」として右記のアドレスまでメールを送信 present_bravo@mde.co.jp[応募締切] ハガキ:8/31(木)消印有効 メール:9/1(金) 11:59AM送信まで当選者の発表は、弊社からの当選通知書の発送をもって代えさせていただきます。公演当日にはその通知書をご持参ください。会場までの交通費などは当選者の負担となりますのでご了承ください。※お送りいただきました個人情報は抽選及び当選者への発送のみに使用し、他の目的には使用いたしません。山下真実旭井翔一星谷丈生 笠松泰洋 ©柴田博司

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