eぶらあぼ 2017.9月号
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28「世界の非常に美しい25のホール」にも選ばれた優れた音響を誇るホール 福井市の中心街より電車で15分ほど離れたのどかな田園風景の中に、突如現れる特徴的な大きな2つの屋根。それが、パイプオルガンが設置された1456席の大ホールと室内楽などに最適な610席の小ホールを擁する、福井県立音楽堂「ハーモニーホールふくい」だ。「世界の非常に美しい25のホール」において国内のホールで唯一選ばれるなど、優れた音響を誇る同ホールが今年開館20周年を迎えた。 主催公演では意欲的な公演を次々と開催し、県内はもとより北陸地域から熱心な音楽愛好家が集う。開館20周年記念シーズンのラインナップは、デトロイト響、ウィーン響、トゥールーズ・キャピトル国立管といったワールドクラスのオーケストラ公演に加え、福井県ゆかりのアーティストが活躍する『越のルビー音楽祭』など実にバラエティに富んでいる。「未来の動物の謝肉祭」 開館20周年記念公演で特に注目したいのが9月23日に入場無料(要整理券)で開催されるコンサート『越のルビー音楽祭スペシャル』だ。公演は2部構成で、第1部では福井県内の小・中・高校の弦楽クラブや、ホールを拠点に活動する「福井ジュニア弦楽アンサンブル」が練習の成果を披露する。 そして第2部は「未来の動物の謝肉祭」と題された、まさに“スペシャル”な企画。福井県出身・在住の作曲家4人と脚本担当の小説家、福井県内の中学・高校の美術部生徒、そしてデザインを専攻する大学生が協働し、サン=サーンスの「動物の謝肉祭」をベースに“新しい「動物の謝肉祭」”を創造するという一大プロジェクトだ。 「ホールが開館20年なので、この20年間に生まれた学生たちとのプロジェクトを立ち上げたいと思いました。ホールにとって、音楽に関わる子どもたちは、既に“お客様”。そこで、今回は美術と音楽のコラボレーションをと思いついたのです。中学・高校の“美術部”にスポットを当て、生徒たちが活躍できるステージを創りあげることにしました」と、この企画のプロデューサーである橋本恭一(ハーモニーホールふくいプロデューサー)は語る。ハーモニーホールふくい 開館20周年記念アーティストと学生たちの協働による新作初演「未来の動物の謝肉祭」越のルビー音楽祭スペシャル福井の伝統的民家をイメージした外観大ホール中央のパイプオルガンはドイツのシュッケ社製福井工大福井高校生徒たちによるアートワーク制作の様子丹南高校
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