eぶらあぼ 2017.9月号
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17011月の見もの・聴きもの2017年11月の曽そし雌裕ひろかず一 編〔Ⅰ〕オーストリアウィーン国立歌劇場11月1、4、7日 ヤナーチェク:カーチャ・カバノヴァ 指/G.ジェンキンス、演出/A.アンジェル、出/W.バンクル、T.ムツェック、J.ベヒレ、L.ナヴァロ、E.ヘルリツィウス11月2日 ロッシーニ:アルジェのイタリア女指/E.ピド、演出/J=P.ポネル、出/L.ピサロニ、A.シラグーザ、E.マクシモワ11月5、8、11日 ヴェルディ:仮面舞踏会 指/J.ロペス・コボス、演出/G.デ・ボシオ、出/D.ホロストフスキー、A.ピエチョンカ◎11月9、12、15、18日 チレーア:アドリアーナ・ルクヴルール 指/E.ピド、演出/D.マクヴィカー、出/P.ベチャワ、R.フロンタリ、A.ネトレプコ、E.ツィトコーワ11月13日 K.ストヤノヴァS、J.シュプリンガーp◎11月16、19、22、25日 R.シュトラウス:サロメ指/P.シュナイダー、演出/B.バルロク、出/H.ペコラロ、J.ベヒレ、L.リンドストローム、A.ヘルド11月17、20日 ドニゼッティ:愛の妙薬 指/G.ガルシア・カルヴォ、演出/O.シェンク11月21、24日 プッチーニ:蝶々夫人 指/J.ダーリントン、演出/J.ギーレン◎11月23、26、29日 R.シュトラウス:ナクソス島のアリアドネ 指/P.シュナイダー、演出/S.E.ベヒトルフ、出/P.マティチ、M.アイヒェ、R.フレンケル、S.グールド11月27、30日 ドニゼッティ:ドン・パスクワーレ指/E.ピド、演出/I.ブルックウィーン・フォルクスオーパー11月1(18:00)、8(19:00)、15(19:00)、23(19:00)、29(19:00)日 ヴェルディ:群盗[17年10月プレミエ] 演出/A.シューリン11月2(19:00)、9(19:00)、17(19:00)、22(19:00)日 レハール:メリー・ウィドウ 演出/M.A.マレッリ11月3(19:00)、10(19:00)、14(19:00)、24(19:00)日 F.レッサー:努力しないで出世する方法(ミュージカル) 演出/M.ダヴィッズ11月4(19:00)、11(19:00)、12(19:00)日J.スタイン:ジプシー(ミュージカル)[17年9月プレミエ] 演出/W.スボトカ11月13(19:00)、30(19:00)日 ヨハン・シュトラウス:こうもり 演出/R.ヘルツル、新校訂演出/H.ツェドニク11月18(18:00)、25(19:00)日 モーツァルト:魔笛 演出/H.ローナー★11月19(18:00)、26(16:00)、27(11:00)日P.ヴァルティノーニ:ピノッキオ[プレミエ] 指/G.マンクジ、演出/P.M.クレンウィーン・フィル[会場:無印=ムジークフェライン(ウィーン)、(KH)=コンツェルトハウス(ウィーン)]11月11(15:30)、12(11:00)日 S.ビシュコフ指揮 ショスタコーヴィチ:チェロ協奏曲第1番、R.シュトラウス:アルプス交響曲 独/G.カプソンvc◎11月18(15:30)、19(11:00)、20(19:30)日C.ティーレマン指揮 ウェーバー:オイリアンテ〜序曲、A.ライマン:カントゥス、ドビュッシー:クラリネットと管弦楽のための第1狂詩曲、シューマン:交響曲第2番 独/M.ショルンcl◎11月24(19:30)、25(15:30)、26(11:00)、28(19:30)、29(19:30)(KH)日 D.バレンボイム指揮 リスト:ピアノ協奏曲第1番、マーラー:交響曲第7番 独/M.アルゲリッチpウィーン響[会場:(MV)=ムジークフェライン(ウィーン)、(KH)=コンツェルトハウス(ウィーン)](主要公演のみ)11月4(19:30)(MV)、5(19:30)(MV)日T.ネトピル指揮 ブラームス:ピアノ協奏曲第2番、メシアン:忘れられた捧げ物、R.シュトラウス:ツァラトゥストラはかく語りき 独/M.ヘルムヒェンp11月10(19:30)(KH)、12(19:30)(KH)日S.ヴァイグレ指揮 モーツァルト:ピアノ協奏曲第21番、H.ロット:交響曲第1番 独/J.リシエツキp11月19(11:00)(KH)日 P.ジョルダン指揮ベートーヴェン:コリオラン(序曲)、メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲、マーラー:交響曲第1番「巨人」 独/J.フィッシャーvn、司会/B.レット〔11月26日-12月3日:日本公演〕ムジークフェライン[楽友協会]大ホール[ウィーン](主要公演のみ)11月1(19:30)、2(19:30)日 H.ブロムシュテット指揮ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管 → 〔ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管〕参照11月4(19:30)、5(19:30)日 T.ネトピル指揮ウィーン響 → 〔ウィーン響〕参照11月5(15:30)、7(19:30)日 佐渡裕指揮トーンキュンストラー管 ガーシュウィン:ポーギーとベス(交響的絵画/R.R.ベネット編曲)、コープランド:クラリネット協奏曲(5日)/ガーシュウィン:ラプソディ・イン・ブルー(7日)、ガーシュウィン:パリのアメリカ人、バーンスタイン:ウェスト・サイド・ストーリー〜シンフォニック・ダンス独/S.カムcl(5日)/W.マーシャルp(7日)11月9(19:30)日 C.マイスター指揮ウィーン放送響 メシアン:トゥーランガリラ交響曲 独/N.フォルジェ(オンド・マルトノ)、S.オズボーンp11月10(15:30)日 佐渡裕指揮トーンキュンストラー管 バーンスタイン:波止場◎11月11(15:30)、12(11:00)、18(15:30)、19(11:00)、20(19:30)、24(19:30)、25(15:30)、26(11:00)、28(19:30)日 S.ビシュコフ(11/12日)/C.ティーレマン(18/19/20日)/【本文中の記号】★=プレミエ[新演出]公演、◎=注目公演 今年のバイロイト音楽祭は、フィリップ・ジョルダン指揮、バリー・コスキー演出の「ニュルンベルクのマイスタージンガー」で幕を開けた。この演出、何と、ワーグナー家の住居であったヴァーンフリートが第1幕の舞台という、非常に意表を突いたオープニングで観客の度肝を抜いたものの、終演後はその演出に大きなブラボーが飛んだという。ちなみに、この舞台は、早くも8月20日(日)の深夜にNHK-BSで放送されるとのことなので、是非お楽しみいただきたい。一方、フィリップ・ジョルダンの音楽も大成功。初日から拍手喝采だったというが、まるでこのタイミングを計ったかのように、2020年から彼がウィーン国立歌劇場の音楽監督に就任することが7月31日に発表された。キリル・ペトレンコを選んだベルリン・フィルといい、ジョルダンを選んだウィーンといい、世界の音楽界は、一気に重要ポストの世代交代が進んでいるようだ。 世代交代と言えば、新国立劇場次期オペラ部門芸術監督に就く予定の大野和士も、リヨン国立歌劇場常任首席指揮者のポストをこの6月で退任して以来、積極的に各所で客演公演を行っている。11月は、フランクフルト歌劇場で、アルヌルフ・ヘルマンの新作オペラ「Der Mieter(賃借人)」を担当。同時に、同歌劇場のオーケストラ(フランクフルト・オーパー&ムゼウム管)で、武満の作品やリムスキー=コルサコフの「シェエラザード」などを振る。また、音楽監督のバルセロナ響の方では、ショスタコーヴィチの交響曲第5番をメインとしたプログラムに登場。 さて、11月の注目オペラ公演を改めて眺めると、プレミエ公演では、パリ・オペラ座のヤナーチェク「死者の家から」(サロネン指揮、パトリス・シェロー演出)、チューリッヒ歌劇場のワイル「マハゴニー市の興亡」(ルイージ指揮、バウムガルテン演出)、英国ロイヤル・オペラのロッシーニ「セミラーミデ」(パッパーノ指揮、オールデン演出)、ベルリン・ドイツ・オペラのマイアベーア「預言者」(ピィの演出)といったところが要注目だが、再演公演の中にも、久々その舞台を観ることができるハンブルク州立歌劇場のベルク「ヴォツェック」(ナガノ指揮、コンヴィチュニー演出)という楽しみな復活公演がある。この演出、ペーター・コンヴィチュニーの代表作の1つと言っても言い過ぎではあるまい。他には、ウィーン国立歌劇場でペーター・シュナイダーの振るR.シュトラウス「サロメ」と「ナクソス島のアリアドネ」、ベルリン・ドイツ・オペラのワーグナー「ローエングリン」と「タンホイザー」、コスキーの演出するベルリン・コーミッシェ・オーパーのドビュッシー「ペレアスとメリザンド」やバイエルン州立歌劇場のR.シュトラウス「無口な女」、ミラノ・スカラ座のヴェルディ「ナブッコ」(サンティ指揮)、ミンコフスキ指揮ルーヴル宮音楽隊の「コジ・ファン・トゥッテ」(ヴェルサイユ)あたりがどれも面白そうだ。 オーケストラは11月に日本公演を行う団体も複数あるが、それ以外では、バレンボイムとアルゲリッチの共演(ウィーン・フィル)、ウィーン・コンツェルトハウスでの現代音楽特集(ウィーン・モデルン)、ロト指揮のシュターツカペレ・ベルリン、ヘンゲルブロック指揮のオネゲル「火刑台上のジャンヌ・ダルク」(NDRエルプ・フィル)やパリ管、ムーティ=バイエルン放送響のヴェルディ「レクイエム」、サロネン=フィルハーモニア管のマーラー9番などが要注目。他にもクリスティ指揮レザール・フロリサンや内田光子(ムジークフェライン)、ソコロフ(フランクフルト/バーデン・バーデン)といった人気ピアニストの公演も見逃せない。(曽雌裕一・そしひろかず)(コメントできなかった注目公演も多いので本文の◎印をご参照下さい)
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